Pathtraqは社内Web2.0の本命になるかもしれない?
サイボウズ・ラボは8月8日、みんなの見ているサイトをチェックできるアクセスログ共有サービス「Pathtraq(パストラック)」を公開しました。
主な機能は、「サイトランキング機能」と「トラッキング分析機能」の2つをもち、「サイトランキング機能」は、ユーザのアクセス履歴もとに特定のドメインにこだわらないサイト横断的なランキング機能をもちます。「トラッキング分析機能」は、任意のURLで検索したページやサイトのアクセスログを解析し、アクセス数や前後の行動履歴等を把握することができます。Pathtraqに参加するには、Internet
Explorer、またはFirefoxの拡張機能をインストールしアクセスログを送信することが必要となります。
はてなブックマーク等のソーシャルブックマークが手動に対して、Pathtraqは自動で集計できるところです。実際にアクセスしてみて、社内で利用できればその効果は相当高いのではないかと感じました。
Pathtraqを社内で利用することの魅力
IT業界に勤めているからかもしれませんが、朝、会社の席に座ると、最初に社内のポータルサイトにアクセスし社内情報をチェックし、そしてIT関連や自社に関する記事等をチェックするのが習慣です。そのアクセスログを社員で共有することができたらどうでしょうか?かなりの短時間に社員同士で必要な情報やトレンド情報を共有することができるでしょう。そして後からアクセスした社員も上位にランキングされているサイトには必然的に目がいくことで、社内外の必要な情報が自然と共有されていくことが予想されます。
社内Pathtraqと呼ばれる日
エンタープライズ2.0と言われるように社内にWeb2.0を活用しようという動きが始まっています。エンタープライズ2.0の起源と言われるハーバードビジネススクール准教授のAndrew McAfee氏の言葉を借りると、「ナレッジワーカーの活動や成果物を可視化するために、企業が構築・導入するプラットフォーム」と定義しています。サービスとしては、社内SNS、イントラブログ、社内Wiki、RSS、エンタープライズサーチ、エンタープライズブックマーク等があり、Pathtraqも改善を加えていけばその仲間入りをするでしょう。
社内Pathtraqの実現性は?
Pathtraqを提供するサイボウズ・ラボ社は、グループウエア大手のサイボウズの連結子会社で研究開発を専門に行う会社です。まだまだ研究段階でビジネスへの展開は未定ですが、コンシューマの世界でうまく活用されるようになれば、その技術とノウハウを本業である情報共有のビジネス分野にシフトしてくることが予想されます。ただアクセスログを収集をすることが主に情報セキュリティ対策にしか利用されていなかったため、そのログ情報を社内でオープンにすることは、部門や役職別にアクセス制限がかけられている企業において、ハードルが予想以上に高くなる可能性も考えられます。
最後に
企業においては、社内Web2.0の動きがこれから始まろうとしていますが、実際にうまくいっていないところも少なからずあるのが現状です。こういった状況の中で企業はもっとシンプルでかつ効率的に共有できるツールとして、Pathtraqを社内で活用しようという動きが、ブレークしていく可能性は十分考えられるでしょう。今後の動きに要注目です。