マス・エンタープライズコラボレーション時代の勝ち組と負け組
少し前になってしまいますが、「ウィキノミクス」を読みました。Web2.0が組織をどのように変えていくのか、また、イノベーションや構築関係、マーケティング、競争を企業が推進するやり方をどのように変えていくかという点等が述べられており、Web2.0をビジネスに積極的に取り入れていこうと考えているビジネスパーソンにとっては、非常に読み応えのある本です。
この本の中では、ユーザ自身がサービスやコミュニティ、体験を共創できるプラットフォームをつくることができたときに人が集まり、勝ち組になると述べられています。
そして、<勝ち組>と<負け組>との違いとは、
<負け組>
1.ウェブサイトを立ち上げた
2.壁で囲った「庭園」を造った
3.自分たちで革新をすすめようとした
4.データとソフトウェアを守ろうとした
<勝ち組>
1.活気に満ちたコミュニティをたちあげた
2.誰でも来られる「広場」を造った
3.ユーザといっしょに革新を行おうとした
4.それらを全世界に公開した
マスコラボレーションの<勝ち組>と<負け組>の考え方を社内のコラボレーションを例に私なりに置き換えてみると、
<負け組>
1.社内イントラサイトをたちあげた
2.経営者側と社員が普段接触することのない職場環境をつくった
3.経営者側だけで革新をすすめようとした
4.組織内の情報は組織内だけに閉じようとした
5.個人主義と成果主義を偏り、他の人の支援はしなくなった
<勝ち組>
1.活気に満ちた社内ポータルサイトを立ち上げた
2.社員誰でもアクセスできる「社内コミュニティ」を造った
3.経営陣は社員と一丸となって革新をすすめようとした
4.組織の有益な情報は全社員に公開した(機密情報は除く)
5.社員がチーム、会社のために組織を超えたコラボレーションを行うようになった
本書の中では、「ネット世代が行動規範とするスピード、自由、オープン性、革新、流動性、真正性、楽しさは職場環境を刷新し、活力をもたらすことができる。」と述べられています。日本においてもmixiユーザは1,000万人を超え、その半数以上は20歳代が占めており、マスコラボレーションの中心的存在となっています。Web2.0に代表されるネットの時代に慣れ親しんできた世代は、今の職場におけるエンタープライズコラボレーションのあり方に新しい活力と変化をもたらそうとしているのかもしれません。