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自治体とクチコミ!地域ブロガーによる地域活性化の可能性を探る

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先日(5/8)NHKのクローズアップ現代「“カリスマ”続々登場!ブログ新時代」という特集が組まれました。NHKが放送したことにより、『アルファーブロガー』の認知とクチコミによる効果は一般にも認知されてきたと言えます。

企業が『アルファーブロガー』の活用や囲い込みに動きはじめていますが、今後自治体等の公共分野においてもその動きが出てくる可能性も考えられます。

そこで、地域ブロガーによる地域活性化に向けて仮説をたてて整理してみたいと思います。


地域ブロガーの土台づくり(仮説)

地域ブロガーの募集と認定
自治体やNPOそして協議会等がブロガーを募集します。募集により数十名規模で地域ブロガーを認定します。募集方法は行政のホームページや広報誌等が考えられます。

地域ブロガーの育成
団塊世代の方等やブログの経験者がない人にはブログ作成研修を実施し、情報を手軽に発信できるよう育成を実施します。

地域オピニオンリーダの誘致
地域出身の有名人や影響力のあるオピニオンリーダを地域ブロガーに誘致し、地域ブログ全体の信頼性や影響力を高めます。

地域ブロガーズミーティングの実施
地域ブロガーの定期ミーティングを実施し、テーマや施策を検討します。テーマの統一性や網羅性を高め、施策展開等も検討していきます。


地域ブロガーが発信する情報例(仮説

地域情報の体験共有
地域ブロガーが、お祭りや花火等の参加したイベント(行事)の体験情報を、写真や動画を交えながらブログで発信します。地域の情報をより多く発信することにより、地元から全国までその認知度を高めることができます。

商店街や町のブランド化と活性化
町興しの対象地区を選定し、地域ブロガーが足を運び、その町の良さを伝えるとともに改善点等の提言をブログに発信します。

観光誘致
県外からの誘致策のために、ブロガーが観光地域に足を運び、写真や動画等を交えながらその地域の観光の魅力をブログで伝えます。 外国からの誘致も考えている自治体は、日本の近隣の外国人もブロガーに加え、多言語で対応します。

その他
行政への意見や改善案そして身近な地域のできごと等をブログで発信します。



活性化施策(仮説)

地域ブロガーズ招待(割引)券の発行
地域ブロガーが積極的に観光地を回る支援策として、地域ブロガー特典の地域ブロガーズ招待(割引)券を発行します。無料もしくは割安で観光地に入れる代わりに、ブログで観光情報を紹介するという仕組みです。

アクセスや投稿数上位ユーザの感謝状の発行
アクセス数や投稿数の上位の地域ブロガーには行政から感謝状を発行し、観光誘致に貢献していれば、地域観光ブロガー等の認定をしてもおもしろいかもしれません。

地域ブロガーの行政への参加(行政ブロガーズミーティング)
議会や行政の行事に地域ブロガーが参加し、行政への提言等をブログで発信し、広く意見を収集するという仕組みも考えられます。



運営方法は?(仮説)
ここまで書くと大掛かりに見えるので、理想論で現実的には無理であるという話にはなると考えています。そこで少し運営方法等について整理してみたいと思います。

運営主体
自治体だけでは厳しいと思われますので、NPOや協議会をつくり、体制を整える必要があるでしょう。

運営サイト
現在ブロガーが自分で利用しているブログサイトかもしくは、行政等が用意する地域ブロガーのポータルサイトの2通りがあると考えています。また、運営サイトに実名かペンネームにするかは検討が必要でしょう。

実施までのプロセス
対象が多岐に渡ると自治体の中の窓口の整理や予算申請や議会承認を得るのはなかなか大変になると思います。 最初は国主導で複数の地域で民間企業と連携しながら実証事業を行ってみるというのが現実的なスタート方法なのかもしれません。

地域SNSや電子掲示板等との併用
いくつかの自治体では、地域SNSを既に利用しており、また今後利用する方針をたてているところもあるかと思います。地域SNSは地域特定のクローズドな中で地域を活性化し、地域ブログの活用はオープンで地域外からも人を誘致することで活性化することができます。よって、クローズドとオープンの環境を併用していくことにより効果の高いものになるものと考えています。



最後に
少子高齢化が進み、地方の自治体の多くは今後さらに深刻な人口減と財政難に直面することが考えられます。現在、私自身も市政を考える委員のメンバーにもなっていますが、行政と住民の間、そして時代の流れ(トレンド)との間に大きなギャップを感じています。

Web2.0と言われるウェブが進化する時代においては、チープ革命と呼ばれるように安価なコストでウェブを活用できる時代になりました。また、google等のポータルサイトやWeb2.0を提供する事業会社は地域(ローカル)情報に注目をはじめています。このような時代に、自治体は安いコストで多くの住民の声と力を一体化し、ネットと住民の足を活用しながら地域をブランド化し、地域を盛り上げる方法を考えていく必要がある時期にきているのかもしれません。

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