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Web2.0時代のリテラシーとその評価軸を考える

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ITリテラシーが高くないと必要な情報にアクセスできず、情報を活用できる人とできない人の情報格差が生じるという言葉を以前はよく聞きました。しかし今の時代の流れを見ると、インターネットも一般的に普及しつつあり、ITリテラシーの高い人が必ずしもWeb2.0を使いこなしているわけではないので、情報格差という表現も使いにくくなったように感じています。

そこでWeb2.0を使いこなす能力について、リテラシーの観点から少し考えてみたいと思います。

 

情報リテラシーとメディアリテラシー
ITリテラシーという言葉のほかにも、リテラシーを使う用語として情報リテラシーやメディアリテラシー等の用語があります。メディアリテラシーという用語がWeb2.0を使いこなす能力について少し近い感じがしますが、CGMやマッシュアップ等のWeb2.0の発想は入っていません。

 

Web2.0を使いこなす人をどう呼ぶか?
ブログを使いこなし影響力のあるブロガーをよくアルファブロガーやアクティブコンシューマなどと呼んでいます。また、影響力のあるブログのコンテンツの位置づけをマジックミドルと呼んだりしています。一方で、Web2.0をアクティブに使いこなす人を表現する言葉は私が知る限りでは見つからないので、うまく合致するキーワードが出てこればと考えています。

 

Web2.0のリテラシーが高いという判断は?
Web2.0自体の定義があいまいなので、リテラシーが高いという判断はなかなかできないというのが正直なところだと思います。しかしプロセス別に見てみると少し判断軸が見えてくるような気がしていますので、少し整理してみたいと思います。

①ソーシャルブックマークのブックマーク数
膨大な情報が氾濫する中においての情報の収集方法として、ソーシャルブックマークを活用する方法があります。「web進化論」等で有名な梅田望夫氏のソーシャルブックマークの登録数は4/21時点で8,000に届こうとしています。よって、ソーシャルブックマース数の登録数が多い人はWeb2.0を使いこなす能力の高い人と考えることができます。

②ブログの投稿数とソーシャルブックマークにブックマークされる数
自らが作成・収集した情報をブログ等に投稿し蓄積していくことによって、知のデータベースをつくることができます。また、投稿数が多ければ、影響力のあるブログにもなる可能性も秘めています。ただブログの数だけでは評価はできないので、アクセス数のほかに閲覧者が興味を持ったという意味でソーシャルブックマークにブックマークされる数は評価の一つの尺度になるでしょう。

③検索エンジンの使い分け
情報の検索はgoogleyahoo等の検索エンジンを使えば一般の人でもある程度の情報を見つけることはできます。ただ、あるテーマをもって検索をすることはそれなりの高い能力が求められます。通常の検索エンジンだけでなく、テーマに応じて検索エンジを使い分け必要な情報をアウトプットできる人は検索能力の高い人と言えるのかもしれません。最近は、ESPEnterprise Search Platform)と言われるように企業内情報の検索方法にも注目が集まっています。

RSSのニュースチャネル数+α
情報を収集し検索しても必ず必要な情報は見落とします。よって、RSSとアラートメールを使うことによって、多くの記事をスクリーニングし、いつも情報を誘導できる状態にしておくことが重要です。そういった意味で多くのRSSとニュースチャネルを登録し、その記事の見出しに多く触れている人は、情報のアンテナが高い人と言えるのかもしれません。

CGM(Consumer Generated Media)への貢献度
Web2.0ではコンシューマーがコンテンツを多く投稿し、市場に大きな影響を与えています。そういった意味で、ブログの投稿数のほかに、オリジナルの動画投稿やコンテンツを多く登録している人でかつマッシュアップをしている人はCGMへの貢献度が高く、評価されるのかもしれません。

 

まとめ
Web2.0のリテラシーに関していろいろ書いてみましたが、その範囲を定義し評価をするということはやはり難しいことがわかりました。ただこれだけWeb2.0という言葉とそれに関連するキーワードが氾濫する中で、何らかの判断軸をもってWeb2.0時代のリテラシーを定義し、何らかの尺度で評価する時期にきているのではないかと感じています。近い将来Web2.0に特化した「Web2.0検定」が出てくるかもしれません。

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