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「90点の誘惑」90点で満足していないか?

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「成功と継続 社長の仕事」の4番目に出てくる言葉である。
この本には、会社を「永続させる」ために、社長が自らを振り返るための122箇条が書いてある。

著者の浜口さんいわく、いつもと違って「辛口」な本だそうだが、私にとっては、とっても「甘美」な本である。たぶん、私の経営観と浜口さんが似ているせいだと思うのだが、あまあま自己採点では、結構122箇条を「やってる」のである。本を読めば読むほど、自分が肯定され、いい気持ちになってしまう。

そういう中で、一番はっとさせられたのはタイトルの言葉。

90点というのは、怖い数字だ。
なぜなら、提供者側は、それで満足してしまうことが多いが、
受益者側(お客さん)はそれで満足することは絶対にないからだ。

お客さんは常に100点満点を求め、それが当たり前のことだと思っている。
期待を超えるものを出さないと(すなわち120点?)、満足していただけない。

確かに、起業したての頃は、たった一人のお客様のために全力投球をする。無駄なことを沢山する過程の中で、120点をたたき出したりもできる。
しかし、だんだんお客様が増えていくと、その方法ををどのお客様にもすることが難しいに気が付く。
提供者側としては、やっぱり常に100点は出せないし、また、それは当たり前だとも思うようになる。そして、なんとか平均点で90点をとろうと、しくみ化するのに必死なのである。

この溝は確かに大きい。

さて、どうするのか?
答えのひとつは、お客さんの求める100点を提供者側の70点で出来るようにすることなのだろう。そうすれば平均点で90点をめざしても、ほとんどのお客さんに100点を差し上げることが出来るというものだ。

しかし、これはロジカルには正しいが、実践的ではない気がする。
会社を成長させようと思っている経営者は、会社が提供できる能力のギリギリをサービスメニューに加えるだろう。そうやって、背伸びをすることによって、提供者の能力もあがっていく。

今日のところは、顧客が求めるのは常に100点満点(ないしはそれ以上)と皆で心に刻むことにしよう。

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