言葉を正確に操るには、ひたすら耳から聞いてまねることしかないと言うけれど・・・
ビジネススクール留学にあたって、授業が始まる前にStanfordのサマースクールに通った。授業が始まったら英語そのものの勉強をする暇なんてないから、その前に英語を勉強したほうがよいよ、というアドバイスをもとに。クラスでディスカッションをする際、説得力のある、格調高い英語が話せるようになるといいなぁという淡い期待も込めて。
ところが、サマースクール最初の英語の授業で、先制パンチ!「正確な英語を話したいと思うのなら、他人の言うことを注意深く聞いてまねること。ただそれだけです。」と英語の先生が言う。
正直、この言葉を聞いてがっかりした。確かに子供はそれだけで言葉を覚えるけど・・・それが出来るのならとうにうまくなっているような気がした。
英語を教えてもらうために、高いお金を払ってこうやって授業を取っているのに教えてくれないなんて、それはないんじゃない?せめて、自分の間違って話す英語くらい直してほしい・・・
「日常生活でいくら英語で話しても、あなたの間違った英語の用法を直してくれる人は誰もいません。教師の私ですら、間違いを修正しません。いちいち間違った用法を修正していたら授業は進まないし、何よりもそんなことをしたら、誰も英語を話さなくなりますから。」
それは、本当におっしゃる通り!日本にいたって、外国人の話す用法の違う日本語をいちいち修正する人は誰もいない。頭ではわかるけど、心では納得できないなぁ。。。。
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そして、あっという間に留学期間の2年が終わってしまった。成績はそこそこよかったし、学べたものもたくさんあるけど、「他人の言うことを注意深く聞いて英語をまねること」はあまり出来た気がしなかった2年間であった。
なぜ、今頃こんなことを書いているかと言うと・・・
2歳5か月の息子の日本語を話す力がここ2~3カ月でぐんぐん上がっている。
1日10個くらい語彙が増えていそうだし、固有名詞はもちろんのこと、副詞や形容詞も正しく使いこなしている。
息子が間違った言葉の使い方をしても私は、あまり注意しない。(むしろ間違っているとかわいいので、放置する)しかしあれほど間違って使っていた、「持ってくる」と「持っていく」がかなり高い確率で正しく使い分けられるようになってきている。
「たぶん」とか「ちょっと」とか副詞のニュアンスもあっている。助動詞の活用もだんだん正確になっていく。
悔しい!
アラサーだった私の英語と2歳の息子の日本語の上達スピードは天と地ほど違うぞ!
言葉を学ぶ力がある時期を過ぎると低くなるのは、耳(脳)がそれまでの経験から不必要と思う情報を切り捨てる能力が高くなるせいだという説がある。莫大な情報の中から、重要な情報だけを効率的にピックアップすることで、情報処理能力が上がるので、生きていく上ではそのほうが効率的というのだ。
やっぱり大人には大人の語学学習方法があるに違いない!
息子の日本語が上手になるにつれ、めらめらとライバル心が起こるのであった。(私より上手になると癪だから、英語もまだまだ触れさせません!)