やる気と才能:無いのはどっち?
週刊文春の一コマ漫画である「おんなの窓」は面白い。お気に入りのネタは、漫画家である伊藤理佐が、編集担当から催促の電話で「どっちが無いの?やる気?才能?」と怒られ、思わず「や、「やる気」のほうでお願いします」と答えるシーンだ。
(伊藤理佐の実体験をヒントに作られているそうだ)
う~ん、ぐうの音も出ない、うまい叱り文句だなぁ。
私が同じ質問をされても、やっぱり「やる気のほうでお願いします」と言いそう^^;
「あふれるばかりの才能」があると思っているわけではないが、「才能」を否定されるのは立場上つらいものがある。「会社の経営をする才能もないのに、社長なんてやるなよ!」となってしまうから。
ところで、上司が「やる気」という言葉を使う時は、「才能がなくたって出来ること」が出来ない時に使う言葉だと私は思っている。
・あいさつの声が小さい
大きな声を出すくらい、やる気になれば誰でも出来ることだろう!
・同じケアレスミスが続く
1度ならまだしも、何度もするのは、やる気がない証拠だ!
上司の立場で気をつけなければいけないことは、自分にとっては「誰にでも出来る簡単なことで「やる気」だけの問題だ」と思っていることでも、実はそれは能力だったりスキルだったり経験が足りないせいで部下が出来ないことが多いことだ。
大きな声を出すということは、普段大きな声を出すことが無い人にとっては大変なことだ。
他人から見ればケアレスミスでも、当人にとっては「ケアレス」の範疇ではなく、よくやっているミスで、なかなか直せないものなのかもしれない。
「こんな簡単なことなのに出来ないのか」と思うと、つい「やる気」の問題にしがちだが、たいていの場合は違う。
出来ない真の理由を一緒に見つけ出すことが上司の付加価値と反省することが多い。
それでも、やっぱり「出来ないのはやる気のせいだ」と思う時は「どっちが無いの?やる気?才能?」と聞くのがよさそう(笑)