オルタナティブ・ブログ > マリコ駆ける! >

翻訳・WEB・キャリアを極める?楽しく正しく新しい会社経営&オリンピックへの道?

なぜ上司は解決策を出したがるのか?

»

「大里さんに相談すると解決策を色々考えて下さるのですが、ただ聞いてもらうだけで十分なことも多いんです」とスタッフに言われた。と~ってもその気持ちはよくわかる。なぜなら、全く同じことを上司に言った経験があるから。

その当時の私の気持ちを再現するとこうだ。
その上司が一生懸命解決策を考えてくれているのはわかる。
が、なんだかその解決策を聞いてもぴんとこない。少なくとも、自分の気持ちはすっきりしない。
ところが、当の上司のほうはこの解決策で君の悩みはすべて解決だよというしたり顔をしている。
やっぱり納得いかないので、ぶつぶつ言うと、上司は次の解決策を提示してくれる。
でもすっきりしない。すると上司はさらに別の解決策を提示し、「オレがこれだけ色々考えているのに、なんでそんなネガティブなことばかり言うんだ!」と怒り出す。
ますます私はすっきりしなくなる。その時に、「あー、聞いてくれるだけでよかったのに」と思ったのだ。

立場がかわると、「あちゃー、やってしまったぜ。」という感じです。

と同時に、昔の上司の言葉も思い出す。
「ただ、聞いてくれるだけでいいって言われても・・・・・。上司の立場で相談されて、解決策出さないわけにもいかないだろう。オレの気持ちもわかれよ!」と怒られた。

はい、今になってよくわかりました(笑)
上司というのは常に部下から解決策を求められているような強迫観念がある。
部下から相談されて「はい、聞きおきました」というのは、自分が無能であると証明しているような気持ちになる
そこで、ない頭を絞って、なんとか解答(それがたとえ本質的に役にたたなかったとしても)をひねり出したいのだ。
そもそも、本当に部下が聞いて欲しいだけなのかというのはどうやったら、わかるのだろう。
「はい聞きおきました」と言って、「え~、それだけですか?」と部下に言われるのはとっても怖い。

そうは言っても、その昔私が感じた不満を部下に感じさせてはいけないと色々考えた。
「それじゃ、『今日は聞いて欲しいだけなんです』と最初にあなたが言うのはどう?そうしたら聞くモードになるからさ」
「でも、話し始めた時は、自分でもよくわからないことのほうが多いんですよ」
「そうだよね。じゃぁ、私と話すときはいつでも黄色の紙を持参して、『あー、話を聞いて欲しいモードになったなぁ』と感じたら、その黄色の紙を私にちらちら見せるってどう?(我ながら名案!)」
スタッフは笑いながら言った。
だから、大里さん、解決策は必要じゃなくて、スタッフがそういう気持ちになることもあると聞いてくれるだけでいいんですよ

Comment(6)