IT技術についてのトレンドや、ベンダーの戦略についての考察などを書いていきます。

ついにARM版Windows10マシンが出荷開始。しかし、何かおかしい。。

»

以前、ARM版Windows10についての記事を書き、その誕生を歓迎したのですが、ついに発売され、今週末から出荷が始まるようです。

Snapdragon搭載Windows 10 2in1、HPが999.99ドルで発売

しかし、発表記事には「Windowsのバイナリが動く」とか書いてないですね。私的にはそこが最大の特徴だろうと思うのですが、皆さん興味ないのでしょうか。。

kaden_laptop.png

昨年の発表時の記事をもう一回読んでみたら、

写真で見る、Arm版Windows搭載の12.3型2in1「HP ENVY x2」

さりげなくこんなことが書かれているのを発見しました。前に読んだときには読み飛ばしていましたねえ。

Win32アプリケーションではインストーラーが起動しないので、インストールして利用することができない。

Win32のアプリケーションを利用したい場合には、Microsoft StoreからWindows 10 Proへ有償でアップグレードして利用する必要がある。

今回発売されたのも「Windows 10 S」ですね。してみると、そのままではWin32アプリのインストールはできない、ということのようです。こちらの記事では、Windows 10 SはProに「スイッチ」できるとあり、しかも無料ということで、SとProで中身の違いは無さそうなんですが、ARM版は違うということなんでしょうか。

ARM版Windows10の「制約」!?

さらに調べていたらこんな記事が。なにやら不穏な空気になってきました。

ARM版Windows 10の「制約」が公開されるも、即削除に - 阿久津良和のWindows Weekly Report

まあ、即削除ということですから間違いの可能性もあるのですが、Microsoftのサイトに一瞬出て消えた、ということですから、Microsoftが作った資料なんでしょう。であれば、何の根拠も無い資料を作るはずもありません。そもそも記事にもあるようにこれはUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)向けURLに出たということで、既存のWin32バイナリの話では無いのかもしれないのですが、。engadgetも突っ込んでいますが、Microsoftからの回答は「現段階で当社から申し上げられることはない」ということです。

ARM版Windows 10は64ビットアプリが動作せず。マイクロソフトが「制約」を一時公開した後に削除

しかし、皆がこれだけ不安になるのも、詳しい情報が無く、実機も無い事から「本当に動くのか?」とか「速いのか?」という疑問に答えが無いからでもあるのでしょう。実機試用レポートみたいなものも見かけません。動作に不具合があるのか、Intelとの間で何か揉めているのか。。

ARM版Windowsについては、どのように実現しているのかがなかなか当事者から出てこないのです。(Intelに訴えられるかもしれないので警戒しているのかも)いろいろな人がその仕組みについて考察していて、前の記事でも紹介したように塩田さんの記事はなかなか詳しくて読み応えがあります。ただ私的には「技術的にSnapdragonでARMv8への特別な拡張が行われているのかどうか」に興味があります。昨年12月のイベントで「Windows on Snapdragon」と言っていたので、「Snapdragonでしか動かない=他のARMと何かが違う」のでは無いかと思っているんですが、なかなか情報が出てこないですね。

他には、Massa POP Izumidaさんの記事は1年以上前のものですが、いろいろと納得できます。

第200回 ARM上でx86アプリが実行できるWindows 10の速さの秘密

Windows NTは何の略?

ところで、Massa POP Izumidaさんの最近の記事で

第211回 ARM版Windows 10に透けるMicrosoftの事情

は、内容は私のブログでの見立てと同じなのですが、中にあるWindows NTのネーミングに関する逸話として

NTは、公式見解として「New Technology」の頭文字ということになっているはずだが、実は「N10」の略であるという話がある。

と書かれています。当時、確かに誰もが「なんでNT? 」と思い、「New Technologyって変だろ」と思ったものです。ただ、私が聞いたのは上の話とは違い、「Windows NT=WNTは、DECのOSであるVMSの文字をアルファベット順にひとつずつ進めたものだ」という話でした。2001年宇宙の旅に出てくるAI「HAL9000」のHALが、IBMの文字をひとつずつ戻したのと同じです。

なぜDECかというと、(DECって、もう知らない人の方が多いかもしれませんが、昔はIBMに次ぐ第2位のコンピュータメーカーでした。買収を繰り返して今はHPの一部になっています)Windows NTを開発するためにMicrosoftがDECのエンジニアを採用したため、DECへの対抗心から付けられた、ということでした。この伝説的エンジニア「デビッド・カトラー」の話は本になっています。

闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達

タイトル通り、ものすごい変わり者だったそうで、解説にも「形容する言葉も見つからないほど強烈な個性を持つこの男」とあります。ジョブズよりも凄かったのかも知れませんね。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する