CAPTCHAを巡るAIとAIの闘い
少し前、朝日新聞の記事が目につきました。
「あれ? これ、なんか前にもあったなあ」と思って調べてみると、なんとこのVicarious社がCAPTCHAを解読したという記事は2013年に出ています。CAPTCHAというのがこのグニャグニャ文字の名前で、主にWebサイトで人間かロボットかを見分けるための技術です。
今回、研究の成果をサイエンスに発表する、ということで朝日新聞が記事にしたのでしょうが、研究自体は4年も前のものだったのですね。しかもこの会社、2014年にIT業界の名だたる大物からの投資を受けたようです。これは知りませんでした。
こちらに詳しく載っていますが、これまであまり公に研究成果を発表してこなかったようです。
この技術についての解説で、私が見つけた中で最も詳しいのが以下です。
これまでの機械学習は学習のためのデータが数千~数万必要とされていましたが、Vicarious社の技術だと、学習データは数件あれば良いのだそうです。従来のRNNを発展させたRCN(再帰的皮質ネットワーク)ということですが、輪郭認識の知識をあらかじめ組み込んであるというのがポイントのようです。サイエンスの記事はこちら。
GoogleはすでにCAPTCHAを使っていない
CAPTCHAは手軽で効果的なため、いろいろなサイトで使われていますが、これが破られたとなると影響は大きいだろうなあ、と思ってさらに調べてみると、驚きの事実を発見しました。
さすがAIの雄、Googleです。CAPTCHAなんか、もう使っていないんですね。2014年には早くも「No CAPTCHA reCAPTCHA」という技術を発表し、画像認識ではない方法で人間かボットかを判断できるようになったそうです。No CAPTCHA reCAPTCHAは、画面にグニャグニャ文字を表示するのではなく、「I'm not a robot (私はロボットではありません)」と書かれた文字の隣のチェックボックスにチェックを入れる、というものです。こんなんで本当に見分けられるのか? と思いますが、AIでクリック前後の挙動を解析することで人間かロボットかを見分けられるのだそうです。
この話にはさらに続きがあり、2017年にはチェックボックスへのクリックすら不要になったということです。これはつまり、サイトアクセス中の挙動を解析することで人間かロボットかを見分けていると言うことですね。技術の進歩って凄いですね。
しかし反面、こちらの行動がすべて向こう側に筒抜けであることも再確認できたわけです。Googleさん、くれぐれも「Don't be evil」でお願いします。
と思ったら、スローガンが変わっていますね。いずれにせよ、よろしくということで。
「Don't be Evil」から「Do the Right Thing」へ、Googleの新しい行動規範が公開されたことが判明
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