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データセンターでのGPUの使用を制限するエヌビディアの狙いは何なのか

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不思議なニュースが流れてきました。

エヌビディアが消費者向けGPUのライセンスを変更、データセンターへの導入を禁止

最初、エヌビディアが自らクラウドサービスに参入するための布石かと思いました。しかし、自前でクラウドサービス始めるのはお金もかかるし、あまり良い戦略とは思えません。世界中のいろいろなデータセンターがGPU買ってくれた方が良い商売になると思います。

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GPUのコストが10倍に?

ITproの記事を読んでもいまひとつ緊迫感が無いんですが、実害を受けている方がおられますね。

NVIDIAが規約変更によりGeForceのデータセンター利用を制限。大学などの研究活動にも大ブレーキ

なるほどー。エヌビディアにはコンシューマ(3Dゲーマー)向けのGeForceとサーバー向けのTeslaがあって、今回GeForceをデータセンターで使うことを禁止した、ということですね。GeForceとTeslaのボード価格には10倍も差があるそうです。つまり、このEULA(使用許諾)変更によって、安価なハードウェアが使えなくなり、コストが10倍に跳ね上がる(=エヌビディアがものすごく儲かる)という構図になっているようです。

元々、エヌビディアは、GeForceシリーズはサーバー用途には向かない(信頼性の問題があるとのこと)ため、データセンターではTeslaを使うよう「推奨」し、GeForceをデータセンターで使うのは「保証範囲外」だと言っていたようですね。しかし、一部のデータセンターでは、自己責任でGeForceを使ったサービスを運用していたということでしょう。「保証外」ではあっても、「禁止」では無かったからです。

しかし、EULAで「禁止」されると、話はまったく違います。無理して使えばライセンス違反で訴えられる可能性があります。(それを狙っているのでしょうが)ライセンス条項は開発者に決める権利があるとはいえ、数億円単位の投資をしてしまった後で「駄目」とか言われるのは大変でしょう。しかも、上の記事を書いた人には、エヌビディアから口止めともとれる連絡があったようです。

他にも。

みんな、これからは深層学習にはGeForceではなくRadeonを使おう

まあ、そうなりますよねえ。エヌビディアに対抗できる可能性のあるGPUメーカーはもうAMDしか残っていません。Intelも頑張りどころな気がします。あとは、GoogleがTPUのクラウド貸しをするというのもありかもしれません。

アメリカではどうなっている?

というか、アメリカでのEULAも変わったのですよね? 探してもいまひとつ出てきません。。(ご存じの方、お教え下さい)GoogleなどもデータセンターでGPU使いまくりですし、こんなことがあれば黙っていないと思うのですが。。(それとも、向こうでも個別に話してるのか?)

ただ、元記事の方が上の記事を英訳して公開したようで、向こうでもそれなりに盛り上がっているようです。これを見ると向こうのEULAも変わっているのでしょうね。

Nvidia's New Policy Limits GeForce Data Center Usage

今時これは流行らない

昔は3次元グラフィックスのアクセラレータは、ゲーム以外にはほとんど用途が無かったわけで、ゲーマーや自作PCマニアなどには知られていても、エヌビディアもAMDも一般に知られるような存在ではありませんでした。謎の半導体メーカーとか言われたりしてましたし。それが、GPUをスパコンに使ったりAIに使うという新たな用途が出てきて、大きなビジネスチャンスが見えてきたということなんでしょう。エヌビディアの株価は2015年頃から急騰しています。

しかし、いまどきこの戦略は駄目でしょう。時代は変わっています。プロプライエタリな技術を盾に利益を追求しようというのは、昔は通用したかもしれませんが、オープンソースの時代には技術を公開して共有する方がメリットが大きいはずです。このやり方は、通用しないのでは無いでしょうか。

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