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エコシステムのAmazon、賢さのGoogle。さて、Appleは?

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海の向こうではAmazon Echoが快進撃を続けています。完全にキャズムを超えたようですね。早く使ってみたいのですが、日本にはしばらく来ないみたいですね。。これが他のデバイスなら、個人輸入して試すこともできますが、日本語を認識してもらえないのでは使えません。私の英語(ジャパニーズイングリッシュ)を理解してくれるほど、AIが賢くなっているとも思えませんし。。

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AIではGoogleが上?

Amazon Alexaのスキルが15000を突破、わずか半年で倍増、競合製品を圧倒

Amazonの一人勝ち感がハンパありませんが、実はAI技術という面ではそれほどでも無いようです。

2大AIスピーカーを試して分かった、Amazon EchoとGoogle Homeの違い

AI自体の出来ではGoogleが勝っているが、エコシステムはAmazonが先行、ということです。まあ、GoogleはAIへのヒト・モノ・カネのかけ方がハンパじゃないですし、Googleの他のクラウドサービスとも連携しているようですから、AI自体の品質ということではやはり抜きん出ているのでしょうね。

テストを行ったのはアメリカのStone Temple Consultingというところだそうで、こちらがそのサイトです。

Google Home vs. Amazon Alexa Showdown: Which One is Smarter?

結果を見ると、Googleが質問の7割近くを理解してそのうちの9割近くで正しい答えを返したのに対し、Amazonはそもそも2割の質問にしか答えられていません。正答率はGoogleと同じくらいで9割近いですが、そもそも質問を理解できていないわけですね。これは圧倒的な差です。ただ、テスト内容がGoogle向けかも知れません。詳しいことはわかりませんが、例としてあげられている質問が「how old is George Washington」(ジョージ・ワシントンは何歳?)といった引っ掛け気味の質問だったりします。

しかし、この種のデバイスは利用シーンがある程度限られていますから、何を聞いても良い「オープン」な質問が苦手でも、「今日の天気は??」とか、「Amazonでxxを買っておいて」といった限定的な質問の認識ができれば実質的には問題ないのかも知れません。(そもそもAmazonの狙いは買い物のあたりにあるのでしょうし)Alexaのスキルも、限られた目的用に作られたもので利用シーンは限定されるでしょうから、ここでのテスト結果ほどには差は出ないのかも知れません。純粋に技術的な優位は無くとも、「便利で使い勝手が良いなら良いのだ」ということでしょう。デバイスの特性を考えると、エコシステムを優先させているAmazonの戦略は正しいと言えるのでしょう。

Appleはどうする?

Appleはスマホに音声認識アシスタントのSiriをいち早く導入しましたが、その後のAIの進化では他社に遅れをとっていると言われています。上のITproの記事にも、AIの認識率テストの結果はGoogle、Microsoft、Amazon、Appleの順だったということです。散々ですね。このままでは、HomePodもあまり売れないかも知れません。ところがAppleはちょっと面白いものを出してきました。CoreMLというAIフレームワークです。これは他社のAIフレームワークとは違い、デバイス側のフレームワークです。つまり、iOS用ということです。機械「学習」は行わず、「推論」だけを行います。

Appleに残された意外な可能性

GoogleのTensorFlowなどは、機械学習と推論を含む総合的なフレームワークですが、これまでもいろいろ書いているとおり、AIの「学習」には膨大な計算リソースが必要になります。しかし推論部分はそれほどのパワーを必要としません。(とはいえそれなりには必要です)学習部分はクラウドで行い、その結果を使ってデバイス側で推論だけを行う事にすれば、通信を介さずにすむためレスポンスが良くなり、電波が届かないところでも使うことができます。そしてこのやり方は、iPhoneが他のデバイスに比べて有利かも知れないのです。なぜでしょうか?

GoogleはAndroidを無料で配布していますが、デバイスの設計とそれへの移植はメーカーが行っています。デバイスの価格は様々で、搭載している機能も様々です。これに対してAppleはデバイス設計からOSの開発までを自社で行っているため、ハードウェアとソフトウェアの間の最適化という点で、Androidにはできないことができるのです。CoreMLにどのような機能があるのかまだ不明ですが、例えばiPhone内のGPUをAI用に振り向けたり、それ用にOSをチューンしたりすることが自由にできるのです。将来のモデルについてはCPUやGPUをAI向けに最適化して設計することすらできるかも知れません。

これは、Googleがすべてをコントロールできるわけでは無いAndroidではなかなか難しいでしょう。もちろんGoogleも自社ブランドのスマホがありますが、ひとつの機種でだけ動いたとしても、Androidとしてのメリットにはなりにくいからです。GoogleがAPIを整備することもできるでしょうが、高価なGPUを搭載しない機種も残るでしょうし、機種によるという状況を払拭するのは難しいのではないか。

今、iPhone/iPad用のプロセッサチップはARMやImagination Technologiesからライセンスを受けたコアを使ってAppleが開発しています。しかし先日、AppleはGPUを自社開発することを発表しました。タイミングが良すぎます。HomePodの行方はわかりませんが、デバイスとしてのiPhone/iPadにはまだまだ強みがありそうです。

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