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ますます複雑化する開発製品の品質検証。エンジニアの皆さんに向けてAllion Labs, Inc.(アリオン)の島田が品質検証よもやま話をお届けします!

長持ちなのはどちら 純正インク、それとも詰替えインク?

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今回は、気になる純正インクと詰め替えインクの違いについて話したいと思います。インクジェット方式プリンタの純正インクと詰め替えインクのそれぞれで写真を印刷したときの色あせの度合いの比較評価結果を皆さんに紹介したいと思います。

その評価を行ったのは、パソコンおよびプリンタなど周辺機器の品質や互換性の検証会社であるアリオンです。対象となった国内大手プリンタメーカー2社のそれぞれ1機種です。

 

カラープリンタにおいて、純正インクとリフィルタイプ(空いたカートリッジにインクを詰めるもの)との3種混合ガスによる加速比較試験が行いました。3種混合ガス試験は実環境に存在する三種類のガス成分を用いた耐ガス性の加速試験方法です。(数年の時間を、ガス濃度を上げて短期間で試験します)

色あせの原因は空気中に含まれる、オゾン(O3)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)が、家庭やオフィスに存在する為と報告されています。 これら三種類のガスの濃度比率を実環境の実測濃度の平均値と同じにした耐ガス性の加速試験を行うことでインクジェット画像の屋内実環境での画像劣化を短時間の(といっても360時間:約25日)で試験できます。

 

キヤノン製とセイコーエプソン製のそれぞれ1機種のプリンタを使って評価した結果,純正品のインクと用紙を使った場合には5年に相当する加速試験を行っても色あせは、ほとんどありません。これに対し詰め替えインクと純正用紙を使った場合には,1年相当の試験でも色あせが目立ちます。

 

図1 プリンタメーカーA社のプリンタで印刷した画像サンプルの耐ガス性比較

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図2 プリンタメーカーB社のプリンタで印刷した画像サンプルの耐ガス性比較

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純正インクと詰め替えインクの耐ガス性の加速比較試験を行った結果、純正はやはり強かったということが言えると思います。ただ、印刷物は保存性を求めるものがすべてではないと思います。正しい性能を知ったうえで用途に合わせて、適切なインクを選んでもらえればと思います。

 

 

インク比較試験レポートの詳細につきましては、www.allion.co.jpをご確認ください。

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