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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

わかりやすい! 教え方の参考にしてほしい―『Excel最高の学び方」

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ITに強いビジネスライターの森川滋之です。

友人の公認会計士、羽毛田睦土(まこと)さんが『Excel最高の学び方』(インプレス)を上梓しました。

正直、「今さらExcel本?」と思ったのですが(しかしよく考えたら常にExcel本って新刊がありますよね)、これがとてもすばらしいと思いましたので、紹介させてもらうことにしました。

私自身Excel本というのは、大昔(1990年代)に買ったきりなので、現在どういう本が流通しているのかあまりよく知りません。

ですので、その当時のイメージで言わせてもらうことになってしまいますが、Excelの使い方を一から教える本か、関数のリファレンス本かどちらかだった記憶があります。

あとは、統計解析や会計など専門的な用途でExcelを活用する本がありますが、これはもうExcelを使いこなしている人向けではないでしょうか。

で、専門用途を除くと、今となっては不要だと思うのです。

なぜならExcelに限らず表計算ソフトというのは、元々極めて直観的な操作性であるし、しかもユーザーはたくさんいて、学生だろうと社会人であろうと、回りの人にいくらでも手ほどきしてもらえます。なので一から使い方を教える本は要りません。

また90年代はオンラインマニュアルが充実していませんでしたが、今のExcelではとても充実していて、やりたいことで検索すればどんな関数を使えばいいのか、すぐにわかるようになっています。したがってリファレンス本も要らないわけです。

では、初心者は何で苦労するかと言えば、自分のやりたい仕事を楽にするためにはどの関数を使えばいいか、その勘所がわからなくて困ってしまうのです。そして、いつまでも最初に覚えた非効率なやり方を続けて生産性が上がらないでいるのです。

羽毛田さんの『Excel最高の学び方』は、まさに初心者のこの課題に答えるものです。基本的には5つの関数を知っていれば、会社の事務的な業務の大半はできます。その上でさらに副次的な13個の関数、つまり都合18個の関数を知っていれば、会社の事務のほとんどを効率よくこなすことができると言うのです。

ウソみたいな話ですが、公認会計士として企業の事務を知り尽くしている羽毛田さんが、豊富な練習問題でそのことを示してくれています。

実は役に立つのは初心者だけではありません。私自身もすでに四半世紀Excelを使ってきました。Lotus123を加えたら30年近く表計算ソフトを使っています。しかし、それでも目からウロコの発見がありました。単純な使い方をしてきたんだなあと改めて感じた次第です。

ということで、初心者が中級者になるために必要なことが書かれている上に、中級者にも発見のある本ですが、私は「学び方」以上に「教え方」を学ぶために、この本を活用してほしいと思います。

私はSE時代に先輩からプログラミングを教わりましたが、うまい教え方をする人は、やはりコマンドや関数を絞った上で、「まずこれで組んでごらん」という教え方をしてくれました。羽毛田さんの教え方と同じです。

さらに、1つ1つのコマンドや関数の教え方に決まった型がありました。羽毛田さんの1つ1つの関数の教え方にも型があります。これがわかりやすいのです。

あまり詳しく書くと、本書への興味が薄れると思うのでこのぐらいにしておきますが、ぜひ身につけてほしい型なのです。

特に今の時期、新人を指導する立場の方にはとても役に立つのではないでしょうか。


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