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システムインテグレーターにとって、オープンソースは難しい?

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オープンソースを活用する

前回は、オープンソースビジネスを5つに分類しました。今回ご紹介するのはその1つ目。ユーザー企業やシステムインテグレーターが、自社のシステム開発や運用の生産性向上を目的として、オープンソースを活用するモデルです。この場合、オープンソースはビジネスの手段ではなく、生産性向上などを達成するためのツールという位置づけです。そういった意味で、厳密にはオープンソースビジネスとは呼ばないほうがよいかもしれません。


ユーザー企業やシステムインテグレーターがオープンソースを活用するべき理由

ユーザー企業やシステムインテグレーターがオープンソースを活用する理由としては、コスト削減のほか、IT導入のスピードアップ、事業環境への柔軟な対応、ITエンジニア不足への対応などがあります。

今後、特にシステムインテグレーターはこのモデルに対応することが必須になると考えられますが、難しい点もあります。

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システムインテグレーターにとっての難しさ

1つ目は、システムインテグレーターは従来、基本的には自社製品を持たず、外部のソフトウェアを購入していたため、障害時などは購入元のソフトウェアベンダーに対応依頼をすればよかったのですが、オープンソースを活用した場合は自分達でソースコードを読み、原因を突き止め、修正しなければなりません。「ソースコードを読むこと」と「ソースコードを修正すること」に対して、多くのシステムインテグレーターは「敷居が高い」と感じるようです。

しかしながら、システムインテグレーターであれば、他人(他の社員)の書いた「ソースコードを読むこと」は日常的な業務ですし、それを修正することも多いはずです。著者は、システムインテグレーターが「難しい」と考えているのは、多くはそう思い込んでいるだけで、ほとんどのシステムインテグレーターはオープンソースを自社でサポートするだけの技術力を持っていると考えています。また、外部のオープンソース・サポートサービスを活用する方法も、もちろんあります。

2つ目は、オープンソース・ライセンスへの理解です。正しく理解すれば、必要以上にセンシティブになることはありません。オープンソースを社内で活用している範囲では(組込み機器やパッケージ販売での利用でなければ)、それほど問題になりません。オープンソース・ライセンスについては別の機会に説明したいと思います。

3つ目は、組織についての議論です。システム開発でオープンソースを活用する本ビジネスモデルの場合、中堅以上のシステムインテグレーターでは、オープンソースを扱う専門組織を設立するケースも多いと思われます。この場合、この組織が「コストセンター」なのか、それとも「プロフィットセンター」なのか、ということをきちんと定義しておく必要があります。多くの場合、「コストセンター」という位置づけになると思われます。これが明確であれば問題ありません。

問題は、「プロフィットセンター」と位置づけられた場合です。この場合オープンソース専門組織は、外部の顧客に対するサービス提供と、社内の他部署に対するサービス提供の、両方を行うことが多いと考えられます。しかしながら、この2つは利益が相反する場合があります。例えば、オープンソース専門組織の利益を追求すれば外部顧客を優先するべきですが、会社全体の利益を追求すれば社内支援を優先したほうがよいということになります。ここで会社全体の利益を追求するということは、結局は「コストセンター」です。このような観点で、オープンソース専門組織のミッションを定義しなければなりません。

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オープンソースの活用は既に「常識」になってきています。オープンソースビジネスには特に力を入れない、というシステムインテグレーターであっても、このビジネスモデルの活動は、程度の差はあっても必ず実施する必要があります。

次回は、オープンソースをサポートする「OpenStandiaモデル」について解説します。

12月12日(月)に、当社オフィスにて勉強会を行います。

12月12日(月)に、当社オフィスにて勉強会を開催します。ご興味ある方は、以下のサイトからご連絡ください!

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