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無料の怖さ

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今や、無料のソフトウェアやサービスがあふれてます。一ユーザーとしては助かりますが、なぜ無料なのか考えてみたことはありますか。表面的には無料でも、実際には開発費や運営費がかかっています。
まず、考えられるのは、個人が趣味や善意で提供すること。この場合は問題はあまり無いので、今日の話題にはしません(いつまでメンテナンスされるか、という別の課題はあります)。
次に考えられるのは企業が提供する場合です。この場合は明確に理由があり、多くの場合は本業でなく、本業に引き込むための手段として無料にしています。この本業で無いのが問題です。
本業でない企業の無料の商品と、それをビジネスとする企業の有料の商品が並列すると、よほど前者のできが悪く無い限り、後者が不利です。しかも前者は本業の利潤を投入して、どんどんこのサイドビジネスを改良できたりします。

ここ一年くらい、私はGoogleを怖いと思うようになりました。彼らが、本業を支援するサイドビジネスをどんどん無料で提供するようになったからです。例えば、WebブラウザのChrome、Google日本語入力やAndroid等です。
これらには、それ自体でビジネスを行っている競合があります。Chromeに対してはOpera、Google日本語入力にはATOK、AndroidにはSymbian (これは結果的にオープンソースになってしまいましたが)など。このままGoogleが無料ソフトウェアを提供して行くと、これら有償ソフトウェアは無くなってしまい、競争が無くなることにより進歩も無くなることを恐れます。Googleにとっては、本業の広告を使ってもらうためのひとつの手段なのでしょうが、それ自体をビジネスとしている企業はたまりません。

このようなやり方は、Googleに限らず、他社もやっています。正規なビジネスと市場を混乱させるビジネスの差は、その企業の支配力で判断されるのでしょうが、自制が求められると当時に、ユーザーも注意しないといけません。市場を支配した後に、何をされるかわからないですから。

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