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次世代スパコンに勝算はあるのか?

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次世代スーパーコンピュータ(スパコン)技術開発(概算要求額約270億円)の行政刷新会議(事業仕分け)結果について
特別扱いの敗者復活議論が沸きあがっています。

確かに、

「スパコンで世界一を目指す必要はないのではないか」

という観点からのみで

『見送りに近い縮減』(事実上凍結方針)

とするのは如何なものかと思います。

そもそもこのスパコン技術開発プロジェクトは、
国家戦略から導いた科学技術基本計画で「国家基幹技術」のひとつとして位置づけているものであり、
「スパコン」単体での要・不要の議論や「世界一が必要か否か」と言った単純な議論を出すべきもの
ではなさそうです。

とにかくも現在、国家高揚的な報道で「スパコン凍結方針」の復活機運が高まってはいますが、そもそもこの
次世代スパコンプロジェクト、勝算があるのでしょうか?

半年前の2009年5月、このスパコン計画に参画していたNECと日立が相次いで撤退


次世代スーパーコンピュータの詳細設計の最終段階でのNEC、日立の撤退で、プロジェクトの基本部分である
「ベクトル型とスカラー型の複合システムとして設計」の根本的な見直しが迫られていたはずである。

さらには、このスパコン凍結結論のタイミングである2009年11月17日にNECはインテルとのスパコン共同開発
を発表している。

http://www.nec.co.jp/press/ja/0911/1701.html

少なくともNECは、理研主導のスパコン技術開発には「勝算無し」と見切って「勝ち馬に乗り換えた」とも思えてしまいます。

次世代スパコンプロジェクトを復活させるのであれば、必ず役立つ結果がでるようにプロジェクトの抜本的な見直しを実施すべき
でしょう。

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