Pinterestが「SNSである」という誤解。そしてビジネス活用の可能性は?
巷でにわかに注目されているPinterest、 瞬く間に登録マニュアル等の記事もアップされて、このまま国内でもとおもいきや、なかなか招待状が届かずまだ期待だけが膨らんでいる状態ではないでしょうか。
ただ、いろいろな国内記事を見ていると、1つ気になる点があります。それは「Pinterestが画像特化型のSNSだ」 「新しいSNSのスタイルだ」という概念で捉えられていること。
Pinterestはどうやらそういうものではないようです。
そして肝心の、地に足の着いたマーケティングに役立つのか?という点はいったいどうなのでしょうか。
1.公式サイトの紹介文
まずはPinterestの公式なサービス紹介文です。
公式サイトから説明を引用しますと
Pinterest is a Virtual Pinboard.どうやら、画像をフックにしながら面白いもの、いいなと思うものを見つけたり、あるいは自分でアップしたりできるもののようです。そしてそれ を整理して共有できるようです。
Pinterest lets you organize and share all the beautiful things you find on the web. People use pinboards to plan their weddings, decorate their homes, and organize their favorite recipes. Best of all, you can browse pinboards created by other people. Browsing pinboards is a fun way to discover new things and get inspiration from people who share your interests. To get started, request an invite.
http://pinterest.com/about/
Pinterestはバーチャルピンボードです
WEB上にある美しいものを見つけた時、pinterestを使えばそれを整理して共有することができます。pinboardsを使って 結婚式 や家の飾り付け、お気に入りのレシピの整理を行ったりできるんです。最高なのは、他の人が作ったpinboardを見て歩くこと。きっと楽し くてわくわくすることに出会えるでしょう。早速初めてみますか?それなら招待をお待ちください。
1.2.ヘビーユーザの声
続いてヘビーユーザの声をご紹介します。
もっと詳細に知りたい方は記事しておりますので以下をご覧ください。
▼Pinterest
とは何か?
実際のユーザーの声から浮かび上がるビジネスの可能性|海外WEB戦略戦術ブログ
ここで語られているのは、TwitterやFacebookのようなSNSとはかけ離れた使い方をされているという事実です。
例えば
- 誰かにたくさんREPINされたいとかFollowされたいと
か、そういうことは全然気にしない。
個人的な好みを整理できればいい - Pinterestではおしゃべりをするような機会があまりない。
- 例えばGoogle+だと、私はたくさんのブログの更新情報やポストを見なくてはいけない。TwitterやFacebookで友達 になっている人のね。でもPinterestはとっても静かだよ。
- 好みのものを探して整理しておくために使っている
- PINしたものにコメントが付いても、他のSNSのようにすぐにコメントを返したりはしない
- Pinterestを特に「ソーシャルだな」と感じたことはないわ
- 繰り返しになるけれどTwitterやFacebookなどとは別のものだと思うの。「他の SNS」と比較するのは間違ってる。TwitterやFacebookに対するGoogle+、といった位置づけのものじゃない。
などです。
1.3.コミニュケーションが濃い"SNS"とは異なるサービスでは?
ここから分かるのは、コミニュケーションをすることを中心としたSNSとは全く異なるサービスであると いうこと。
なので、「画像中心のSNS」「新しいSNS」のような捉え方は実態とずれているんですね。
あくまで「バーチャルピンボード」として自分の好きなものをピックアップしていくために使っているようです。
もちろん、コメント機能やRepinという機能である程度ソーシャルなことは出来ますが、それほど積極的に使われていないというのが実情の ようです。
なにせ、コメントがあっても気が向いたときにしか書かないという声が多いくらいです。
2.これはつまり、ソーシャルブックマークに近い
これって何かに似ていると思いませんか?
それは、Del.icio.usなどのソーシャルブックマークです。
そこに、画像という新しい切り口が加わり、さらに使いやすいインターフェイスでPinを立てたりRepinして自分のコルクボードを飾って いくことができる。
これが人気を博している1つの要因ではないかと思います。
「女性に大ブレイク」という所がよく語られますが、それは
- こういうことを好む人が女性にそもそも多かったこと
- 扱っているテーマがその結果、女性が興味の湧きそうな「ファッション」「レシピ」「家のDIY」などに偏っている
- カタログ的な見せ方、見方ができる
ためだと思います。女性にブレイクしたのは、結果としての1つの側面でしかありません。
この辺りのインタビュー結果を翻訳しているので、ぜひ先ほどの記事をご覧ください。
▼Pinterest とは何か?実際のユーザーの声から浮かび上がるビジネスの可能性
2.1.Pinterestは「ビジュアルスクラップブッキング」
私も最初SNSだと思って始めてみたのですが、違和感が拭えませんでした。
これって、本当にTwitterやFacebookみたいなSNS?と。新しいSNSだとしても、人と人との関わりが少ないなぁ…こんなに
ユーザがいるはずなのに、と。
しかし、ユーザのインタビューを読んで、なるほどなぁと思いました。例えばこの言葉。
Pinterestは「ビジュアルスクラップブッキング」だ
この言葉がぴったりだと思います。
SNSとして捉えると、恐らくやり方を誤ってしまうと思います し、なんとなく腑に落ちないと思うんですね。
2.3.なぜブレイクしたのか?
これはまだ私も納得しきっていないのですが、今は以下のように考えています。
SNSの情報量と付き合いにつかれた人がたくさんいる所に、画像というキャッチー で面白いものを中心としたサービスが飛び込んできて、それがウィンドウショッピングなどの好きな女性を中心に流行りだし、加速していった。
また、今までめんどくさそうでSNSをやっていなかった人も取り込んでいるのかも
しれません(推測です)
3.これはビジネスに使えるのか?
結論から言えばビジネスに使えると思っていいと思います。特に小売業の方はアンテナを立てて、これが日本上陸してブレイクするかどうか注目 しておくことをお勧めします。
ビジネスに役に立つかどうかは、利用者の声を先ほどの記事からまず感じてみてください。
3.1.そしてその上で、最低限押さえるべきこと
- そもそも日本でブレイクする、ローカライズされるかどうか(※大前提)
- 人目を引くきれいな画像を見せられるようにしておく
- 売り込みをしないこと、自然とREPINしてもらえるようにする
- 物販なら簡単にPINを立ててもらえるようにボタンを商品ごとに設置する
特に最初の1つ。これが無いと始まりませんので、繰り返しになりますが日本での動きに注目です。
IT業界で話題にはなっているので、Googleアラートで「Pinterest」をキーワードにしてメールで新着ニュースのサマリを送って
もらってチェックするのがいいかと思います。
3.2.小売じゃなくてもいい、ニュースサイトだっていい
そして、仮に流行ったとしたら、次は画像です。
画像ということで、アパレルや小売だけかというとそうでもありません。
レシピやDIY、家の中のプチリフォームのアイディアとして使っているという方がずいぶん多いです。
そして例えばTimesが記事の紹介に使っています。動画を撮りましたのでごらん下さい。
これに触発されて私も自分のサイトのCatalogを作ってみました。どうでしょうか。
ちょっと見て頂いてご感想頂ければ幸いです(^_^)
要は、見た時に、素敵!と思ってもらえるような写真を用意できるもの
であればいいんです。
リフォームだったら、リフォーム後のお風呂の写真を載せるのもありでしょうし、造園だったらサンプルの画像を載せるのでもいいでしょう。
見る人の感情を動かせるようなものに画像として消化できるのなら、それでいいと思います。そう考えると、
小売以外でも通用すると思います。
また、こういった受動的メディアなので、この空気を乱すような売り込みはNGでしょう。まったりとインバウンドマーケティン
グをするようなイメージがいいのではないかと思います。
これからどうなるのか?
もしこれが日本でもどこかと組んで大ブレイクすれば、売り場の概念に少なくない変化が訪れるのではないかと思います。
個人的には、爆発してほしいです。
埋もれてしまっている素晴らしい物が、日本はもちろん世界中にはたくさん眠っていると思うからです。
ソーシャルコマースの復活を期待しています。ソーシャルコマースについては以下の記事をぜひご覧ください。私はPinterestはソー シャルコマースを指向しているように思えてなりません。
▼PinterestはSNSとして注目すべきではない、では一体?|海外WEB戦略戦術ブログ :
しばらくPinterest及び似たようなサービスは追い続けていきたいと思います。
Pinterestについては、このサイトで追いかけていく ので、ぜひサイトの購読と、メールマガジンの登録をして頂ければ、もっと深い情報をお送りできます。
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