【実例】パンダアップデートで順位が下がってしまった時の対処法
そのアルゴリズムは日々アップデートされており、検索エンジンマーケティングに携わる方はみな常に動向に注目しています。
その中で、最近「Panda/Farmer(パンダ/ファーマー)アップデート」という大きなアップデートが話題になっています。
なぜなら、かなりの規模で順位変動などの変化が訪れると予測されているからです。
実際海外ではすでに導入されており、かなり順位変動がありました。
しかし、日本に導入されているかどうかは、まだ未確定です。Googleのスパム対策チームのリーダーMattCutts氏は「まだ」と言っていますが、そうでないという意見もあり、よく分かりません。
とは言え、いつかはやって来ることだけは確実です。また、これは一過性のものではなくGoogleの今後の順位付けポリシーとも言えるものです。
ですので、検索エンジン経由の集客チャネルを重要視しているなら、リスクヘッジのために、今のうちに以下の3点を最低限抑えておく必要があります。
- パンダアップデートとは何か?
- どういうサイトが影響を受けるのか?
- もしパンダアップデートでランキングが下がってしまったらどうしたらいいのか?
今回はこの3点についての記事です。
SEOにあまり触れたことのない方にはちょっと取っ付きづらい内容かもしれませんが、ぜひご覧ください。
1.パンダアップデートとは何か?
パンダ・アップデートとは、一言でいうと
「良質なコンテンツはランキングを上がるが、質の悪いコンテンツはランキングが下がるようになる」
ということです。
質の悪いコンテンツとは
- サイト全体としてみて、オリジナルの内容がないページ
(他のページのコピーコンテンツであったり、商品紹介ページなどでありがちな、ごく一部しか違う部分がないページ) - 人気がないページ(リンクされていないページ)
- 広告の割合が多い、または位置が不適切なページ(広告がメインに見えるページ)
などを指しています。
パンダ・アップデートに関しては、たくさんのブログで内容が紹介されているので、ここでは改めて深く触れることはしません。
ですが、検索エンジンからの集客をしている人は、必ず検索してチェックすることをお勧めします。
2.どういうサイトが影響を受けるのか?
自覚がなくても順位が下がることも…
こういう「質の悪いページ」は、意図して検索エンジン対策をした結果そうなってしまっている場合もありますが、意図せずそうなってしまっている場合も少なくありません。例えば…
商品個別紹介ページ
例えば、ECサイトで商品紹介ページが、どれも個別ページは商品名と価格など以外同じ、ということは良くあります。
最近は、こういった個別の商品ページが検索結果に現れることが多く、ユーザもその方が便利と感じていますから、こういった個別詳細ページの順位が下がることは結構なダメージです。
意図せぬ重複コンテンツ
また、いくつかのサイトを持っているとありがちですが、同じ内容のコンテンツを複数の場所に書き出す仕組みになっていることもあると思います。
そういったものも、コンテンツを重複させてたくさん作って、サイトのボリュームを水増ししている、といった捉え方をされて、サイト全体のランキングが落とされる原因になり得ます。
人気のないページの存在
また、サイトの中に、全然外からリンクを張られていない、つまりは人気のないページがたくさんあると、サイト全体の評価を下げられてしまい、結果として他のサイト内ページのランキングが下がってしまいます。
このように、自覚していなくとも、システムなどの関係でパンダ・アップデート後には順位が下がってしまう可能性が十分にあります。
また、これらの判断基準は明示されているわけではないので、やっかいです。
そのため、検索エンジンマーケティング界はピリピリしているんですね。
3.ランキングが下がってしまったらどうしたらいいのか?
これが今回のメインテーマです。
実際公式にパンダ・アップデートが導入されてランキング(順位)が下がってしまったらどうしたらいいのでしょうか。
Googleは公式に「こうしたらいいですよ」というコメントは残していません。
※良いコンテンツにするためのガイドラインはあります。こちらをご覧下さい。
▼Googleの考える「良いコンテンツ」とは?パンダ・アップデート対策|WEB戦略戦術ラウンドナップ
今回は、SearchEngineWatchの記事から、すでにパンダ・アップデートが導入された米国から、パンダによって下がってしまった順位をリカバリーできた例を2つご紹介したいと思います。
▼Google Panda Update Recovery - Search Engine Watch
もし同じような事態に陥ってしまったら、この手法を参考にしてもらうのが良いのではないかと思います。
PandaUpdateに引っかかるとどうなるか
残念ながら誰かが「あなた、引っかかったよ!」と教えてくれる訳ではありません。
アクセス数の謎の現象という形で現れます。例えば二つ目の例としてあげる「DaniWeb.com」では以下のように、急激にアクセスが落ちました。
アクセスが落ちた原因を探って、それが検索エンジン経由のアクセス減少であれば、パンダ・アップデートの可能性があります。
※もちろん他の原因の可能性もあります
ランキングが落ちる以前に何かSEO関係の策を打った場合は、そこをまず疑ってみるべきです。その上で、なぜ?となった場合にはじめて、パンダ・アップデートが原因であると疑うくらいが、ちょうど良いと思います。
改善例1:家具の小売店「OneWayFurniture.com」
このサイトは、オンラインで家具の小売りサイトです。
http://www.onewayfurniture.com/
サイトを見て頂けると分かりますが、ひたすらに商品の個別ページがたくさんあるサイトです。ECサイトとしては珍しくない姿かもしれません。
しかし、恐らくその「ほとんど変わらないページがたくさんある」ということが原因で、このサイトは全体的に順位を落としてしまったようです。
その際に施した策が
- 今までバックリンクを頼んでいたSEO会社をやめた。このSEO会社は質の低いリンクサイトからたくさんリンクを張っていたため
- それぞれの商品紹介ページについて、専門のコピーライターを雇って、ただの製造元のデータだけを載せている状態から、各ページオリジナルの、そのトピックに合わせた、それなりの分量の記述を追加した。この文章は、文法等のミスをちゃんとチェックした(上位表示したいキーワードもちゃんと入れた)
- ページの読み込み速度を上げるために、GoogleのPageSpeedを使って諸処の改善をした。
です。これによって、完全にアクセス数が復活するところまではまだ行っていないようですが、かなり回復したそうです。
また、いくつかのキーワードで上位に個別ページが表示されるようになったとか。
大事なのは恐らく2番目です。重複と取られるような低質なコンテンツを改善したことが大きいと思われます。
1番目と3番目はパンダアップデートに限らずGoogleとしては常にウェルカムな修正です。
パンダアップデート特有のものではありませんので、直接関係はないと思われます。
2番目がパンダ的には決定打となり、1番と3番目がそれを側面支援した形になったのではと思います。
改善例2:ディスカッションコミュニティ「DaniWeb.com」
これは先ほどグラフで落ち込み具合を紹介したサイトです。アクセスが半分程度まで落ちています。
こちらは、対策としては
- 重複コンテンツを排除した
- canonicalタグを使って、URLを正規化した。
- 301リダイレクトの使い方を見直した
- 検索結果ページやタグクラウドなどのページにnoindexタグを加えて、インデックスされないようにした。
- ページの読み込み時間を改善した(先ほどのOneWayFunitureと同じ)
を行った結果、完全ではありませんが回復したそうです。
こちらもやはり、重複コンテンツの排除を、物理的な削除やリダイレクト、canonicalタグによる正規化によって整理し、サイト全体として質の悪いコンテンツを排除した結果だと考えられます。
まとめ
日本にまだ入ってきているか不明なパンダ・アップデートですが、いつかは入ってくることは確実です。
そのために、先回りしてサイトを見回し、
- 違うURLだけど同じコンテンツを見せているようなページがないか?
- ほとんど同じ内容のページがたくさんないか?
- URLはきちんと正規化されているか?
- 昔のページが放置されていないか?
などをチェックして、改善していくことを強くお勧めします。
そうすれば、おまけとして、パンダ・アップデートの影響が出たときに生き残り、対策を打っていないサイトが落ちることで相対的に順位が上がって集客できるかもしれません。
SEOにあまり触れたことない方には少し複雑な内容かもしれませんが、ぜひトライしてみてください。
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