ビジネスサイトのドメイン名を考える時に、気にした方がいい3つのポイント
サイトを立ち上げる時に、迷いがちなポイントとして「ドメイン名」がありますよね。
サイトの名前にするか、それとも少しメッセージ性を込めた物にするか、あるいは目立つことを最優先させるかなど、考え方はたくさんあります。
例えば私が池袋でオリジナル商品がウリの洋菓子店をやっていたとすると、こんな感じでしょうか。
- www.nakayama-yogashi.jp
- www.ikebukuro-sweets.jp
- www.original-sweets.com
- www.sweet.ie
※すでに存在するサイトもありますが、そこはご勘弁下さい。
少なくともスタンダードな物で4つ程度、考えれば考えるほど色々と出てきそうです。
しかも、最近はトップレベルドメインが多様化してきています。
昔はせいぜい「.com」「.net」「.jp」くらいだったのですが、今やドメイン業者での取り扱いが増えており、例えばccTLDだけでも以下のようなおもしろい物も取得できたりするんですね。
- .at(オーストラリア)
- .be(ベルギー)
- .ly(リビア)
- .mm(ミャンマー)
- .us(アメリカ合衆国)
全てのリストを見たい方はこちらが便利です(トップレベルドメイン一覧 - Wikipedia)
では、このような選択肢をフル活用してドメインを決めればいいかというと、そこは私は疑問符をつけるべきではと思います。
そもそもの考え方
考えるべきは
- なるべく機会損失を防ぐために「覚えやすい」「分かりやすい」
- 人に教えるときに「間違えづらい」
- 狙ったターゲットユーザに来てもらえるように「サイトの中身がなんとなく分かる」
です。奇抜なものは必要ありません。
そして、ドメインはむしろその市場の慣習に合わせた方がいいです。
狙っているキーワードの検索結果を見てドメイン名をピックアップしてください。そこに何かの傾向があればそれを踏襲したほうがいいです。
検索結果を見たユーザからすれば、その慣習からずれたドメインを見た場合、「ノイズが混入した」と考えて、選択肢からすぐに外してしまうことが少なくないんですね。
検索エンジンが発達してもURLは大切なまま
URLで検索する人はたくさんいます。
あのサイトどこだっけ?というときに自分の入力したキーワードを覚えていればいいですが、大概昔のことは忘れています。
そこで、URLの一部を検索窓に入れて探す人が実は多かったりします。
また、口コミではまだまだ口頭やメモ書きがメインです。QRコードがようやく少し広まってきたかなという程度です。
URLってすごく大事なんですね。
止めた方がいい3つのポイント
とは言えドメイン名を決めるに当たっては、いろいろなな人・思惑が絡み合うと思います。そこで、最低限押さえて頂きたい3つのポイントをお伝えしたいと思います。
ぜひここはキープして頂ければと…
1.トップレベルドメインに食い込んだようなものは避ける
最近は奇抜なドメインも増えています。恐らく発端は「del.icio.us」ではないかと思います。
del.icio.usはソーシャルブックマークサイトの草分けとも言えるメルクマールなサービスです。私も使っていてのめり込みましたが、それよりも、こんなドメインの付け方があるのかとまず驚きました。
その後同様に「o.us」が付いたサイトが現れました。
ただ、本家del.icio.usは、2008年7月に http://www.delicious.com になってしまっています。その理由は分かりにくさだったようです。
ドメイン名でもある名称を、従来の「del.icio.us」から覚えやすい「delicious」へと変更し、ドメイン名をdelicious.comとした。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0808/02/news010.html
この分かりにくさは私も感じていて、直接URLを入れてdeliciousに行こうとすると、どこにドットを入れればよかったのか分からなくなるんですね。
IT業界にいる私でさえそうなので、一般人の方が使うサイトであればタイプミスによるかなりの機会損失がでる可能性が高いです。
ドットは文字の区切りなので、原則ドメイン名の前で言葉としては終わらせたほうが分かりやすいですよね。
「Domain Hack」という名前で、TDLに食い込むようなドメイン名が海外を中心にはやっていますが、Flashによるエントランスページ並みにビジネスそのものとしては百害あって一利なしではないでしょうか。
もしこのようなドメインを提案されたら、やめた方がいいと思います。
見込み客、顧客にとって分かりやすいかどうか?それを最優先にすべきです。
2.きちんと言葉の区切りを入れる
検索結果において、ドメイン名の部分は意外に見られています。
詳しくはこちらの記事をごらん下さい。モニタテストの結果では、タイトルとスニペットの次にURLが見られています。第3位です。
▼検索結果一覧ページでユーザが見ている所はここだ!:国内・海外情報から見える『企業のWEB活用法』:ITmedia オルタナティブ・ブログ
ここで、ぱっと頭に入るようにできるかが、リピート顧客獲得の鍵です。
ここが区切りもなく繋がっていると、例えば「nakayamafusousanadviser.com」となっていると、そもそもぱっと見てサイトの内容が分かりませんし、妙な単語の羅列なのでスパムサイトや自動生成された怪しいサイトではないかと思われて敬遠される恐れがあります。
「nakayama-fudousan-adviser.com」ですと、ずいぶん違うのではないでしょうか。
タイトルやその下のデスクリプションでフォローできるのでは?というご意見もあるかもしれませんが、なかなかそうでもありません。
なぜかと言うと、ドメイン部分は「なかなか変えられないもの」と思われているので、一種の信頼性があるんですね。
実際のお客さんの話を聞いていると、どうやらWEBサイトを作ったことがない一般の人でも、
「タイトルやその下の文章は書き換えられるけれども、ドメインはいろいろ手続きがあって変えるのは難しい」
という感覚をすでに持っています。
タイトルタグとドメインの内容がずれていた場合でも、「大枠の内容はこういうもので、その中で少し違った内容を書いているんだな」と思うようです。
3.なるべく短く、また勘違いされづらく
長かったり、あるいは「chi」と「ti」のように人によりローマ字での打ち方が分かれるものは、できる範囲で避けたほうがいいですね。
口コミの際に障害となるからです。
ダイレクトマーケティングと組んで、さまざまな紹介ツールを仕込んでいるかとは思いますが、いつも紹介カードやチラシを持ってくれている人はごく少数です。
伝えるときは大概
- 「●● ▼▼」で検索してみて上のほうに出る「○○○○」っていうところ
- 「○○○○○」をローマ字にして後ろにjpをつけると出ると思う
といったような方法です。
名前に入っている…といった場合、それはもう仕方ありませんが、避けられる場合は避けたほうがいいです。
終わりに
ドメインにクリエイティビティやオリジナル性を求めようとすると、逆効果になることが多いです。
そういったものはタイトルタグとディスクリプションの役目です。語れる内容が多いですから。
ドメインは「信頼性を得ること」と「間違いにくさ」を最優先にして、後は捨てるくらいの気持ちでいいと思いますよ。
ではでは、みなさんのビジネスのご発展を願っています。