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技術で勝って、商売で負けていませんか?

IoTの進展に向けて新しい流れが出てきた

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sensor.jpg従来よりIoTの自社への導入を検討している企業は、工場内で稼働している機械のメーカーにまず一番に相談する例が大半であったのかもしれません。

ところが、実際問題としてIoTを導入するということになると、当該機械メーカーだけではなくネットワークの整備が必要になり、IT企業との相談も必要になってくることに気付きます。

さらに言及すれば、自社工場に1社の機械メーカーだけではなく、複数のメーカー製の機械が入っている場合は、すべての機械にIoTを導入したい場合にはメーカー間をまたがることになり解決しにくい難題に直面することになりがちだったのです。

この問題を解決するために立ち上がったのが、ファナックでした。
工作機械メーカーやIT企業など約200社と組んで、工場の自動化など生産効率改善につながるシステムを販売していくのです。

ご存知のとおりファナックは国内を代表する機械メーカーであり、世界シェアも工作機械用CNC装置でナンバーワンです。
そんな力量のあるファナックが立ち上がったのですから、説得力があります。
参考までにファナックはこれまで他社と提携することなく我が道を進むタイプでしたが、最近は路線の変更が目立ちます。

もちろん、すべての顧客企業からの問い合わせをファナック1社で受けていたのでは間に合わないので、連携する企業の10社強がシステム導入を希望する企業の窓口になるというスキームです。

今回の連携を通じてファナックはシステムの利用料を得、日立や富士通などの一緒に連合を組むIT企業は通信装置やネットワーク機器の販売につなげていくのです。

以上、ここまで書いたように、従来までのIoT普及の妨げとなってきたのが日本企業特有の自社だけですべてやろうとする自前主義でしたが、事例のファナックのような企業が少しずつ登場し始めたことによって普及が強い推進力を持つようになり、IoTの浸透にも加速が付いてくるのではないかと思っているのです。

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