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技術で勝って、商売で負けていませんか?

アマゾンは音楽配信でも差別化

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ec-shop.jpgのサムネイル画像早くも激戦の様相を呈してきた定額音楽配信サービスですが、オンライン書籍販売のアマゾンが先週に国内で同分野に参入してきました。

それも通信販売の会員であれば会費は実質無料で音楽が聴き放題になるという思い切った策を講じてきたのです。

年会費3900円を負担するアマゾンプライム会員になれば、こうした恩恵を受けることができるというものです。

当初スタートする音楽の配信数は100万曲で、例えばアップルミュージックの3000万曲やグーグルプレイ・ミュージックの3500万曲に比べれば見劣りしますが、それでも一流のアーティストの楽曲を無料で提供する姿勢はアマゾンらしい大胆な手法だと思っています。

著作権者により生み出された音楽という制作物の扱いが、アマゾンによってこのような形で配信されることには何やら複雑な気持ちになりますが、他社の後追いをせずに独自の路線を追求する姿勢が以前より鮮明であった同社にとっては、当たり前の戦略であるのかもしれません。

アマゾンの本業はあくまで、ネット上に並べた商品の販売であって、音楽の配信は本業へのプラス効果を狙ってのものなのでしょう。

それでも他社よりは少ないとはいえ、100万曲を集めてしまうのですからさすがにグローバルな世界を舞台にビジネスをしているアマゾンです。

ドローンによる無人配送を考えているなど、何かと話題を提供する姿は広告戦略を心得ている欧米企業ならではです。

さあこれで、有料の定額音楽配信サービスを提供している他社もうかうかしてられなくなってきました。

年内に500万曲を揃える目標を持っているLINEミュージックなどは、もう少し慌てないといけないのかもしれません。






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