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技術で勝って、商売で負けていませんか?

復活が近いNECについて

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nec.jpg1990年代半ばまでの国内を代表するパソコンメーカーは間違いなく「NEC」でした。

同社のPC-9800シリーズの当時の国内での存在感は圧倒的で、90年代後半のPC/AT互換機による攻勢とともに勢いを失っていったのです。

NECの歩みとともにビジネスのキャリアを積んできた、と言うと年齢がバレそうですが、間違いありません。

NECというのは呼称であり、正式な会社名は日本電気株式会社であるということを知っている人も意外と少ないのかもしれません。

同社がこれまでどういった社歴を刻んできたのかを詳説することは割愛いたしますが、携帯電話からスマートフォンの時代を経て、事業内容の入替えを行って今日に至っているのです。

私が"復活が近いNEC"というタイトルを今回選んだのには理由があります。ICT分野でいろいろな開発を行って、戦略的な製品を生み出しつつあるからです。クラウドの時代にもうまく対応するようになってきました。

一例を挙げると、ドローンの分野での開発があります。各社がドローン関連の市場に参入し競い始めていますが、NECも負けてはいません。

飛行中の不審なドローンを1kmも手前から発見して、高感度カメラで自動追尾して、重要な施設に接近した場合は警報を発するという、施設警備型のドローン検知システムを開発したのです。

電波を探知して操縦者の位置を捉えることも可能です。従来からの防御システムはドローンの飛行音から存在を検知する仕組みの採用が多かったのですが、これでは検知範囲は数10〜200メートル前後に留まってしまいます。これに対してNECのシステムでは夜でもキャッチできる映像の中からドローンの存在を見分けます。高感度カメラと熱を検知するサーマルカメラ、電波の探知センサーでシステムは構成されているのです。

以上のように戦略的な開発の結果、ユニークな製品を生み出すようになってきたのが最近のNECだという訳です。

いずれにしても、昔の同社の勢いを知っている身としては、復活が待たれる1社であるのがNECなのです。






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