あるいはファシリテーションが得意なコンサルタントによるノウハウとか失敗とか教訓とか

キレイなシュートを目指してはいないか?あるいは仕事とは何かという話

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サッカーをよく観戦するのだが(テレビでも生でも)、自分では全くプレーしない。球技の才能が全くないし、サッカーは球技や脚の速さといった才能が一番ストレートに出るスポーツだと思う。ということで、最後にサッカーをプレーしたのは中学の体育の授業まで遡る。
この時はクラスをいくつかのチームに分けて授業のたびに試合をしていた。サッカー部員が各チームに1人ずつ配分され、そいつが監督兼キャプテンをつとめた。

僕らのチームは弱小だったので授業のたびに負けていたのだが、その時にウチのチームのサッカー部員の一言を、今でも覚えている。

「お前ら、マラドーナみたいにバシーとシュート打って点を取ろうと思っていないか?
俺らはプロじゃないんだから、シュート打つよりは、体ごとなだれ込んだりケツで押し込んだりする方が得点確率高いだろ。キレイなサッカーしようとするな!」

これを聞いて結構ハッとした。確かに、めちゃくちゃ下手くそなくせに、ゴール前ではキレイなフォームでシュートを打つもんだと思っていたからだ。そして「よっこいしょ」とシュートモーションに入り、空振りしたりアサッテな方向に蹴っていた。
この一言があってからも僕らのチームは弱いままだったが、1回だけ、スライディングでどさくさ紛れの点をとったことはあった。


なんで30年前の話を書いたかというと、仕事でもこういう状況が結構あると感じるからだ。
キレイなフォームでのシュートが通用しない時。
自分よりシュートが下手なヤツにも得点を取らせないといけない時。

例えば、若手のプロジェクトマネージャーが
「今やっている仕事って、僕らコンサルタントがやるべき仕事なんでしたっけ?」とか
「こんなことやっててバリュー出てるんですかね?」とか
「進め方が曖昧なの、おかしいと思うんですよ」
などといい出すと、僕は遠い目をしてあの時のサッカーの授業を思い出すことになる。

いや、全て正論だし、僕自身もこういうことは良く考えるし、上司にこういうことを言うような若手だった。

でもオッサンの立場から言わせてもらうと、僕らはカッコいい分析やプロジェクト計画資料を売っている訳ではない。高級小間使いではないのだから。
お客さんが僕らにお金を払ってくださるのは、変革プロジェクトを成功させたいからだ。プロジェクトを成功させる途中には、キレイなミドルシュートではなく、ケツでゴールを押し込むべき状況もある。
僕らコンサルタントがやるCoolな仕事じゃない様に見えたとしても、他にやる人がおらず、やらないとプロジェクトが失敗するならば、やるべきだ。それこそが「変革プロジェクトの成功」という、お客さんが求める究極のバリューなのかもしれない。
逆に言えば、「ケツで押し込むようなゴールには興味がない」という人はプロのサッカー選手にも、プロのコンサルタントにもなれない。

Comment(2)

コメント

元国語科教諭

ゲルト・ミュラー的コンサルティングですね。

ゲルト・ミュラー!僕も映像は見たことがありますが、生ではないですね。日本だとやっぱり中山とかになるのかな。

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