あるいはファシリテーションが得意なコンサルタントによるノウハウとか失敗とか教訓とか

ファシリテーターの殿堂、あるいはプロのファシリテーターが会議に最適な場をガチで作ったらこうなった

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「ファシリテーターの殿堂」というのは、僕らのオフィスコンセプトの一つだ。僕らは社員全員がプロのファシリテーターなのだから、オフィスを作るなら当たり前のコンセプトだろう。

ただし、「そっか、ファシリテーターの殿堂にしなきゃダメじゃん」に気づいたのは、実はプロジェクトを立ち上げて、ずいぶんたってからだった。お客さんのためにプロジェクトコンセプトを考えたり議論するのは常にやっているのに、自分のこととなると、こんな当たり前のことも案外気づかない(だからプロジェクトに第三者が関与するのが効果的なのです)。


どんなオフィスがいいだろうか?どんな空間が欲しい?どう使いたい?と毎日考える中で、「俺らだったらこういう空間を作んなきゃ」と、自分たちが「何かに」こだわっているのに気づいた。それを改めて言葉にすると「ファシリテーターの殿堂」というコンセプトになった。

このコンセプトに気付いてからは、あまり迷いがなかった。自分たちの多様な議論の仕方を洗い出し、要件に落とし込む。もちろんデザイナーさん(今回、設計施工はイトーキさんにお願いしました)にも伝え、こちらはこちらで妄想を暴走させる・・。

おおよその部屋割りが決まったら、今度はビジュアルファシリテーションの達人であるナミさんを(無理やり)巻き込んで、「ケンブリッジらしく書きながら議論するためには?」を考える1日集中討議を開催。
(ナミさんについてはブログを参照:ファシリテーション文具案内

↓こんな議論をして・・

スクライブ議論.jpg

↓これが決まった!
ホワイトボード一つとっても、プロジェクターが見やすいホワイトボード、消しやすくきれいに保ちやすいホワイトボード、色付きホワイトボード・・と無数の種類がある。それを1つ1つこだわって決めていった。※イラストは両方ともナミさん作成

レイアウトトリミング.jpg

この記事では、そうやってできた「様々な議論のための、様々な場」を淡々と紹介していく。
なお、部屋の名前は激論の末、ラテン語シリーズで統一することになった。


★ARENA(ラテン語で闘技場の砂、の意味)
用途:100人規模のセミナー、150人規模の全社ミーティング、20人規模の集中討議

アリーナ説明会.jpg

アリーナ全景.jpg

大人数が集まる場なので、とにかく「意識がフォーカスする」にこだわった場。高低差を付けたのも、丸くしたのも、ローマ時代の闘技場を意識したからかも。「階段に適当に座りながら話す」というノリも大好きなんだよね。
あと、僕らはよくプロジェクトの立上げ合宿などで「丸一日こもって議論して、方向性を固めたりチームを作ったり」を良くやるので、一日こもっても快適な場、ということもかなり考えました。
アリーナ上.jpg

★CHARTA(カルタ。ラテン語で紙の意味)
用途:20人くらいの勉強会、経営会議、新卒研修期間中の研修部屋

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ここはケンブリッジのフリップチャート愛を表現した場(苦笑)。東京オフィスが開設されて20年になるけれど、「PLUSのフリップチャート台+三菱のプロッキー」の組み合わせはその時から変わってない。紙質とペンの相性が良く、書き味が一番いいんだよね。これまで新しい商品が出ると試しに買っては「結局これがベストだね」と戻るパターン。

プリップチャートの弱点は、書いた後、破って⇒壁に張って、という動作が議論の進行を妨げガチなこところ。そこで、思い切って壁に14面備え付けることにした。14面並べるのもアホっぽいけど、今回色んな「書ける壁」を議論して「ケンブリッジさんと言えばやっぱフリップチャートでしょう!」とナミさんに言ってもらって踏ん切りつきました・・。実際使い勝手はめちゃくちゃいい。
経営会議もオープンにやる主義なので、毎週ここでやってます。金曜日の帰社日はトレーニング、自主勉強会の予定でみっちり。


★MACHINA(マキナ。ラテン語で機械の意味)
用途:内緒会議、遠隔会議

マキナ立ち.jpg

大阪や九州にも拠点があるので、遠隔会議の快適さもこだわったポイント。どうせならこの部屋は機械っぽい雰囲気にしよう、ということで

・CISCO SPARK(遠隔会議システム)
・電動昇降式大型会議テーブル
・AIを使った会議サポートツール(試験用)

・・・と、デバイスモリモリで、しかも壁一面をホワイトボードにして無機質ながらも書きまくれる感じに。人事考課の季節にはここに一日こもることもあるので、途中で気分を変えるための、高さが変わるテーブルはここに投入することにした。
マキナ落書き.jpg

★STELLA&MINIMO(ラテン語で星&最小の意味)
用途:ゆるい議論、ゆるい社内プロジェクト

ステラ.jpg

ミニも.jpg

この2つは部屋というよりはちょっとした空間。僕らは「ちゃんと招集して、ちゃんと議事録とって・・」というキチンとした会議だけを仕事で重視している訳ではない。それよりも「ちょっと相談に乗ってもらっていい?」「あの件だけどさ-」というコミュニケーションが成否の鍵を握っていることを知っている。そして、お客さんとやる正式プロジェクト以外に、ボランティア的な活動の多い会社でもある。

だから僕らのオフィスにはこの2つに限らず、こういうちょっと話す場をたくさん仕込んだ。とは言え、例え2人だったとしても、良質なコミュニケーションには書くことが大事、と思っているのが僕ら流。色んな方法でとにかく書けるようにしてある。(見えないけど、グリーンのホワイトボードがあったりする)


★イノーバ&ノイラント

イノーバ机.jpg

壁を書けるようにしてあるだけでなく、書けるアイテムもいくつか導入した。イノーバはイトーキさんの製品で、書ける板&机。ノイラントはドイツから直輸入した、ロールペーパー型のフリップチャート台(ノイラントは会社名であって商品名ではないが・・)。間仕切りとして使ったり、グループに分けて議論しやすかったり。「とにかく思いついた時にすぐに書ける」というのも大事。

ノイラント.jpg


・・と、紹介しきれないものも含め、数えてみたら全部で12種類の「書きながら議論するための仕掛け」を用意した。ファシリテーションに興味がある人は、ショーケースだと思って見に来ると面白いと思う。


★LUIDA
用途:飲みながらまったり話す

ルイーダの酒場.jpg

「ここはルイーダの店。旅人たちが仲間を求めて集まる、出会いと別れの酒場よ。」という有名なセリフは、「客先に散らばっている社員同士やお招きしたお客さんが出会う場」という僕らのオフィスコンセプトそのものでもある。だったらそれをそのまま実装してしまえ、というノリでできたバー。
流石にここで書きながらの議論は想定してなかったが、たまにフリップチャートを持ち込んで議論をはじめる猛者も。

★お披露目会&ファシリテーション座談会やりますやりました

※終わっちゃいました。その時の様子を登壇者兼この場を一緒に考えてくれたナミさんがご自分のブログで2回に渡って紹介してくれましたので、そちらをどうぞ!

「ファシリテーターの殿堂」な新オフィスお披露目座談会に登壇したらカオスで最高でした
「ファシリテーターの殿堂」、まじファシリテーターの殿堂(語彙力)

ナミさん、ありがとう!

★お披露目会&「突き抜けオフィスの作り方!」のセミナーやります

第二弾として、5/16に今度はウチのオフィスがどうやってできたか?の種明かし的セミナーをやります。施主とデザイナーが登壇して、それぞれ実際の所どうだったの?という感じで。
詳細は↓こちらで。イトーキさんと共催セミナーなので、イトーキさんのサイトです。
https://www.synqa.jp/event/155866/

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