あるいはファシリテーションが得意なコンサルタントによるノウハウとか失敗とか教訓とか

綺麗ごとを追求すると会社は儲かる。あるいは「会社が儲かっているなら綺麗ごとを言える」じゃないということ

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しばらく前のことだが、うちの会社のWebサイトにプロジェクト事例が2つアップされた。

スミセイ情報システム株式会社での育成プロジェクト事例

「自走で完遂」~三井製糖における業務改革プロジェクトの軌跡~

目を通していただくのは後からでもいいのだが、まあ、なんというか、2つとも、とてもウチらしいプロジェクトだと思う。つまり、
・ケンブリッジのノウハウを、お客さんに全て教えまくる
・その結果、お客さんは僕らに依存せずとも変革プロジェクトをリードできる力が身についた
・なので、ケンブリッジへ仕事を発注するのは途中でやめ、自力でプロジェクトを遂行した
というストーリー。


ぶっちゃけこの2つのプロジェクト自体では、それほど沢山のお金を頂いてはいない(他のプロジェクトで別途お世話になってたりしますが)。せっかくこんなに評価してくださっているのだから(事例を読めば分かります)、普通のコンサルティング会社であれば、何度も何度も何度もリピートオーダーを頂いて、大きな売上につなげたいところだろう。

でもそれをしなかったのが、この2つのプロジェクトだ。

コンサルティング会社によっては、「リピートオーダーを受注できなかった失敗プロジェクト」とみなされ、誇るべき事例としてWebサイトに載せるなんてことはしないかもしれない。
でも、僕らはこの2つをとても誇りに思っている。
だって、お客さんがとても喜んでくれているじゃないですか。
プロジェクトもうまく行っているじゃないですか。
他に何を望みます?


少し真面目な話をしたい。
僕らは会社として
・RIGHT(お客さんにとって正しいことをしよう)
・OPEN(お客さんに対して情報を隠さない。ノウハウは喜んで教える)
・綺麗事を追求する
というポリシーを大切にしている。

でも、これって平凡なポリシーですよね。
当たり前だし、どこの会社のWebサイトにも書いていそう。

こういう話を就職活動中の学生に話しても、はっきり言ってまったくウケない。
まあね~。学生さんは、仕事の世界にどれほど理不尽なことが満ち溢れているのか、想像できないだろうからね~。ある程度は仕方ない。僕らのプレゼン力の限界でもある。


でも、大事なことだから言い続ける。
そして、口だけではなく、本当に、本気でやる。
ここが重要。

最初に挙げた、スミセイ情報システムと三井製糖の事例は、まさにこういうプロジェクトだ。
・僕らが知っていることを、どんどん伝える
・小出しにするとか、せこいことは考えない
・真似してくれたら嬉しい
・単に知識を教えるだけでなく、弟子として鍛える
・その結果僕らが不要になったら、去る
・去る間際には、いなくなった後に困らない様にお土産を残す
・いなくなってからも、飲みに行った際などにプロジェクトの状況を聞いたり、相談に乗ったり
・しばらくしたら、嬉しい知らせが届く
こんな感じだ。


「ノウハウをOPENに」「自分たちの売上利益より、プロジェクトの成功だけを考える」
こういう綺麗ごとを大真面目に追求するのだ。その結果、仕事が途切れても構わない。

なぜなら本当に喜んでくれたのなら、この2社のように、何らかの形で返してくださるものだから。
セミナーで講演してくださったり。
別のお客さんを紹介してくれたり。
僕らが商談中の新規のお客さんが「ケンブリッジと働いてどうでした?」と聞きに行った際に、嬉しい推薦の言葉をお話してくださったり(しばしば激賞だったりする)。
ケンブリッジとお付き合いのある各社が参加する勉強会で、自社のノウハウを他のお客さんに教えてくださったり。
もちろん、同じ会社の別のお仕事を依頼してくださるケースも多い。

形は様々だが、どれも土下座してお願いしたいような、ありがたい話だ。


綺麗ごとを追求する。
これは、倫理観から言っている訳ではない。
CSR(企業の社会的責任)とかも関係ない。

純粋に、綺麗ごとを追求した方が、回り回って売上利益につながり、儲かるからだ。
(僕らはNPOではなく株式会社なので、当たり前だが、儲からないと存続できない)

綺麗ごとを追求すると、本音と建前の使い分けとか、めんどくさい話がなくなってシンプルになり、仕事がやりやすくなる。
もちろん、綺麗ごとを追求する方がストレスがなく、働きがいも高まるから、社員が辞めにくくなる。
コンサルティングサービスは社員にノウハウがたまるビジネスなので、社員が辞めないことが一番売上利益に直結する。新人を育成するのはお金も時間もかかるから・・。
(2年連続で「働きがいのあるランキング」で2位をいただきました。今年は100人以上部門です)




間違えないでほしい。
儲かっていて余裕があるから、綺麗ごとを言えるのではない。
綺麗ごとを追求しているからこそ、利益があがるのだ。

もっと多くの企業が、このことに気づいて欲しい。
あるいは、気づいていても踏み出せないならば、まあ、しばらく歯を食いしばってやり続けてみてください。



ちなみに、これまた今日書いたような綺麗ごとを追求したプロジェクト事例として、住友生命さんに登壇いただいてセミナーを開催します。2017/6/21水曜の夜。是非おこしやす。


スミセイ情報システム株式会社での育成プロジェクト事例

「自走で完遂」~三井製糖における業務改革プロジェクトの軌跡~

Comment(2)

コメント

寒い人

初めまして。
普段CSRの業務に従事する者です。

CSRは企業の社会的貢献ではなく、Corporate Social Responsibility、すなわち企業の社会的「責任」です。

CSR=企業が行う社会貢献と誤解される方は未だ非常に多く、これは私どもの努力不足であると痛感しております。

余計なお世話かと思いつつも、白川様はコンサルタントでおられるとのことなので、今後のことを考え指摘をさせて頂きました。

お気を悪くされてしまったら申し訳ありません。

寒い人さん、こんにちは。
確かに、Responsibilityだし、責任ですよね・・。お恥ずかしい。
ご指摘ありがとうございます。直しました。

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