企業の将来性なんてさっぱり分からないと思っておいた方が良いぞ、あるいは就職活動の心構えその1
今日は、就職活動をしなければならない学生さんや、キャリア浅めで転職しようと思っている社会人の方に向けて書いてみたい。
ああ、学生向けメッセージとか、なんかおじさんになっちゃったなオレ、という思いと共に。
★あなたは企業の将来性を見る目がない。と思っておいた方が良い あなたがどんなに自己分析やら企業分析をやって、自分にぴったりそうな会社を選んだって、残念ながら、たぶんそれは正解ではない(元々正解なんてないのかもしれない)。 なぜ「見る目がない」と断言するかというと、僕が学生だった頃は見極め能力がゼロだったからだ。エピソードを2つ紹介しよう。 ★長銀の話 正直言って、当時の僕には余りピンとこなかった(実は今もあまりピンとこない)。 ★名前を知らなかった会社の話 でも、別にそんなに悪気があって言った訳じゃない。そもそも僕自身、企業の安定性には興味がなく、もっと小さい無名のソフトウェア会社に就職した。だから口ではそう言っても、そいつが望んでいた出版系に就職できて良かったな、と思ったのを憶えている。 その会社はその1年後くらいには「知る人ぞ知る」という感じになってきて、いまでは知らない人はいない。社名は当時も今もソフトバンクだ。業態はずいぶん変わったみたいだけど。 2つのエピソードで言いたいのは、僕自身は学生のころ、企業の将来性についての見極め能力がゼロだった、ということ。一応経営学を専攻して、まじめに学問していたのだが・・。 ★じゃあ、どうやって会社を選ぶか。 会社がどうなろうとも、個人として自立できれば問題ないでしょ、という作戦である。 とは言ってもこの作戦、20年前はずいぶんと難しい作戦だった。 A)「35年間、勤めさせてくれる会社を見極める」かつ「その会社で働くことが、自分にとってハッピーな状態が定年まで続く」 B)「普遍的な能力が身に付く」かつ「いざというとき、それを評価してくれる第三者が現れる」 人にもよるのだろうが、今現在はこのA)とB)のリスク度がちょうど均衡している様な気がする。どっちも難しいけど、僕自身は15年前もB)を選択したし、今、僕が学生だったとしても、もちろんB)を選択する。 君はどうだろうか。 次回は、じゃあ、どうやって普遍的な能力が身に付くし、活き活きと働ける会社を見分けるのか?について書いてみたい。 まとめ。
就職活動をするにあたっては、必死に企業に選んでもらうのと同時に、どんな会社を選んだらよいのかについても悩んでいる事と思う。
僕が強調したいのは「現時点での見極め能力を過信するなよ」ということだ。
中途半端に分析能力を高める努力をするよりは、現時点で最適な会社を選択できなくても、HAPPYな社会人人生を送れるようにしておこう。
経営学の講義を受けていた時のこと。
先生(結構有名な経営学者)が前触れなく、
「成績優秀な学生ほど、長銀なんぞに行く。ああいう銀行が社会的使命を終えたことくらい、経営学を勉強していてなぜ分からないのだ!」
と断言したのだ。
その後、僕が卒業するときもやっぱり長銀には優秀そうなヤツが就職していった。
それから15年。長銀という名前の銀行はもうない。だからといって会社選択に失敗したとも言えないけれども、当時思い描いていたキャリアとは、ずいぶん違ったものになっているのではないだろうか。
また別の話。
友人の就職先がようやく決まったという。社名は聞いたことはなかったが、なんでもソフトウェアの流通と出版をやっている会社らしい。
それを聞いた僕の第一声は「うわー、なんだかつぶれそう・・」だった。ソフトウェア会社も出版社も、ちょうどそのころよくつぶれていたから。それをダブルでやっているなんて・・。
ちなみにそう言われた友人の返答は「そうなんだよね、へへへ・・」
別に「いや、俺の目はあなたと違って節穴じゃない」と思うのは勝手だけど、リスキーだと思いますよ。15年たった今では、社会の流動化が進んで当時よりさらに見極めは難しくなっているだろうし。
どうせ将来性の見極めができないのなら、
・会社がいざとなっても、人の役に立てるような何かを身につけられる会社
・自分が楽しく、活き活きと仕事ができる会社
を選んでおけばよい。
そして、仕事が楽しいって大事ですよね。将来性とかよりもずっと。だって起きている時間のほとんどを仕事して過ごすわけだから。楽しんで仕事すると成長するし。
まず、「会社の外で通用する、普遍的な能力」を身につけられる環境を探すのが大変だった。
そして、普遍的な能力を身につけられたとしても、転職市場が成熟しておらず、活かせるとは限らなかった。
言うまでもなく、今では随分と事情が変わっている。
以前「20年で良くなっているよ」とブログに書いたけど、この辺りも、昔に比べて良い世の中になったなぁと思うゆえんである。
どうせ企業の将来性なんて見極めつかないんだから、将来どうなってもハッピーな仕事人生が送れるような選択をしよう。
今日はここまで。