この20年で良くなってるよ探し、あるいは仕事人生まるごと不景気
今日は、以前ツイートした即興の連ツイを転載します。「失われた10年」とかいうのはおじさんのノスタルジーなんじゃないの?という話。
1)日本は失われた20年らしい。だが、ちょっと待って欲しい。僕は38才なので、仕事(バイト含む)を始めてからずっと不景気で、仕事ってこんなもんでしょ、と思ってる。ごく個人的な感覚として、20年前より世の中良くなってる。20年前というと、受験勉強&男子校生活が終わったばかりだし。
2)なので、ごく私的な「良くなってるよ探し」をしてみたい。
3)まず、ご飯はすごく美味しくなった。20年前はイタメシブームという言葉があったくらい、美味しいイタリアンはなかったし、タイ料理とか食ったことなかった。今は海外に行って、東京より飯がうまいと思うことは稀だ。
4)学生の頃、バイトの先輩が環七までラーメン食いに連れて行ってくれた。神奈川から1.5時間かけて。楽しかったし美味しかった。でも冷静に考えると、今、あの味なら二度と行かない。もっと上手いのが最寄駅で食える。
5)なんというか、文化的多様性みたいなものも随分広がった。昔、見るスポーツといえば野球だった。みんなが同じモノを見る。 今僕が見ているのは、自転車、サッカー。一時期スヌーカーも好きだった(イングランドのビリヤードみたいなやつです)。でも会社の同僚で真剣に自転車競技見る人は僕だけ。
6)仕事で言うと、中小企業で働く、というのがナイスな選択肢となったと思う。大企業か中小企業、どっちがいいと言う絶対的優劣はなくなって、企業次第。何より、自分がどっちが向いているかで選ぶ時代になった。
7)生まれるのが10年早かったら、僕もどっかの大企業に就職していたのはほぼ間違いない。そこで案外幸せな社会人生活を送った気もする。が、性格が災いして辛いことになっている方が、確率としては大きいだろう。だいたい上司と喧嘩するし。そうなっても、昔なら転職もしにくかった。
8)今更ながら、インターネットって凄いよね。便利になったのは当然だけど、それはまあどうでもいい。不便なら不便なりにやってた訳だし。 それより、いろんな人が自分の言葉で好き勝手なことを言える様になった方が大きい。意見の多様性、表現方法の多様性、埋れていた才能の発露、
9)2チャンの書き込みとか、画像の投稿とか、ホント才能の無駄遣いがいっぱいあるけど、才能の無駄遣いこそが文化の豊潤さだと思う。
10)と、挙げていくとこの20年でよくなったこといっぱいあるじゃないですか。それでもネガティブな評価が多いのはなんででしょ?マクロ経済ベースでネガティブなのはしょうがないとしても、人々の実感ベースでも相当ネガティブだよね。
11)なんとなくの仮説。a:実力主義になってしんどい b:自己責任での選択をした結果、ツライ。またはツラくなりそうでいや。c:右肩上がりっぽくない世の中が不安 d:選択肢が増えたこと自体が不安。自由から逃走したい
12)なんか、みんな気の持ちようの問題な気がするんだよね。「多様な選択肢の中から自己責任で選べて嬉しい。だから結果が多少ツラくても与えられたぬるま湯よりハッピー」と思ってたら、解消しませんかね。 僕は直近の20年間、結構好きでしたよ。
13)もうちとはっきり言えば、「失われた20年」という言葉自体、バブルの頃ブイブイ言わしてたおじさんたちの「むかしは良かったバナシ」にすぎないですよね。 その時代を知らないので、「そんなこと言われても。こっちは与えられた環境で楽しく過ごせるように頑張りますわ」というのが本音。