サイクリング:細い峠の下りでスピードは出すな!!!
記事をアップしてから多くの知り合いの方々からご心配いただきましたが、私もTさんも大丈夫です。記事はこういうことが実際にあるということを知って欲しいのと、加害者になる怖さを認識して注意して欲しいということで書きました。自転車同士の事故でも命を落とすことも本当にあります。自動車を運転するのと同じくらいの意識で乗りましょう。せっかく楽しくて体にもよいスポーツです。辛い思いはお互いしないように・・・。
今日は午前中だけ峠にトレーニングに行こうと、Tさんと車で白石峠方面に向かい、峠の近くからスタートしました。1回目はそれぞれタイムアタックをして、ゴール地点で待ち合わせた後、堂平天文台へ。少し休んで下り、水分を補給してから2本目の白石峠へ。このあたりの様子はこちらへ。
今度は二人で話をしたりしながら、だいたい40分でゴールするような感じのペースでのんびり登っていきました。が・・・
下ってくる自転車に突っ込まれました。おそらく40km/hくらいのスピードで、相手からみて左カーブを曲がったときに膨らみ、1車線道路の真ん中辺にいて、Tさんより少し前を走っていた私はビックリして左に寄ろうとしました。相手もこちらに気付き、フルブレーキをかけたと思うのですが、後輪がロックしてドリフト。私が避けた側にすごい勢いで突っ込んできます。私は何とか正面衝突は避けようと右によけようと考えましたが、ほとんど何もできないうちに左側のブレーキレバーのあたりに突っ込まれ、ハンドルを取られて右側に転倒。
相手もおそらく転倒状態になったと思うのですが、スピードが速いのでそのまま飛んでいき、私の後ろを走っていたTさんに激突。Tさんは私が前にいたのでほとんど何が起きたのかわからなかったようです。私が起き上がり、Tさんの方をみると、Tさんは私と同じように右前方に投げ出され、2台の自転車は絡まっているような感じでした。
Tさんに「大丈夫ですか?」と言われ、私は肘を打ってすりむいたのと、右足が変な角度になったのか、攣ったような感じになっていたものの、それ以外は大丈夫そうなので「なんとか・・・」と答えたのですが、Tさんが呻いています。。私へ気遣いしているどころじゃない感じです!
Tさんは相手の自転車のチェーンリング(前の大きいギア)が左足(右足みたい)のスネに直撃したようで(←このあたりは下記で状況訂正)、スネが割け、血がどんどん流れています。唇あたりも切ったようで、口からも血が出ています。とりあえずスネを心拍計のバンド(?)で止血しました。
Tさんから掲載の許可をいただきました。7針縫って化膿しなければ全治2週間だそうです。。
Tさんの自転車はフレームが割れ、ブレーキも壊れ、ホイールも歪んだようです。再起不能です。数ヶ月も待たされてようやく取り寄せたフレームが一瞬で使い物にならなくなりました。。
ここの他にチェーンステイも割れていました・・・
私の自転車は奇跡的に大丈夫そうなので、Tさんの車を取りに先に下り、その後車で外科に向かいました。幸い怪我は大したことはないようですが・・・。
ちょうどこのあたりは下ってくると、急な折り返しを抜けたあたりで気が緩むあたりです。丸で囲まれた矢印があるところが私が倒れた場所です。
事故の流れを図解すると下記のような感じです(あまりにも最初の図がひどかったので、少し綺麗に描き直しました)。
以下、Tさんからの状況整理です。
「
昨晩寝れない時に
状況を整理してみました。
自転車はフレーム左側が破損
左側フロントフォークに接触跡、上から下まで、たぶんタイヤ痕
ケガは右すねで前から左に引っかかれている
ケガのキズはスポロケットかチェーンの形
自分は衝突直前まで気づいておらず、
誰かの声か音で顔を上げた瞬間、黒いものが突進してきて跳ね飛ばされた感じ。
となると、
自分が直前に左(←右だと思います)にハンドルを切って
左からヒットされて
自分のフロントスポロケットで怪我をしたと思います。
自分のチェーンオイルはシマノのウェットなので、そんなに酷い成分ではないかと。
相手のチェーンはかなり汚れていたので、それでなくてよかったと。
」
結果論ですが、相手は後輪ロックしてドリフトしたときにそのまま滑って転べば単独事故ですんだと思います。ブレーキを離した瞬間にグリップが復活し、私が「なぜ逆側に!?」と思った瞬間に、私の正面やや左に突っ込んできて、二人を巻き込んでしまった感じでした。
私とTさんは登りなのでせいぜい10km/hくらいしか出ていませんし、道の左側を走っていました。相手の無謀な下り方が問題なのは間違いありません。相手にしてみればこちらが自転車だったから良かったようなもので、車なら死んでいたでしょう。
相手がTさんの怪我の治療と自転車の弁償ができるかが問題なのですが、相手は自転車保険に入っていたが期限切れだと言っていました。まったくなってません。。おそらく自分の自転車以上のお金がかかるでしょう。ついつい・・・では済まされません。これで頭を強く打ったりするような怪我をさせていたら本当に大変なことです。
たかが自転車と甘く見てはいけません。40km/hで突っ込んできたら下手すれば死にます。無謀な走り方をやめるべきなのは当然ですが、保険に入っておくのは最低限のマナーです。
楽しいサイクリングを台無しにされ、しかもTさんはひどい怪我。通院も必要です。2週間後にはヒルクライムの大会があるのに、自転車が壊れてしまいました。私は擦り傷と、足を攣ったのが痛み続けているのと、自転車に傷がだいぶ増えたくらいですが・・・。
自転車の下りはとにかく危険なのです。私も飛ばしているじゃないか、と思うかもしれませんが、私が飛ばすのは、見通しが良くてセンターラインがある、国道クラスの道路だけです。センターラインがないような細い峠の下りは、路面の状態も悪く、すれ違いも危険なので飛ばしません。さらに、そういう路面だとパンクもしやすいので、パンクした際にリムを傷つけたくないためなおさら飛ばしません。
自分が悪くて崖から落ちたりガードレールに突っ込むのは勝手ですが、他人を巻き込むのは本当にいい迷惑です。
私はTさんの車を運転する間も、帰宅した後も、後輪をドリフトさせて突っ込んでくる光景が脳裏に焼き付いてしまい、走馬燈のように繰り返し流れています。正面衝突していたらどうなっていたことか・・・でも私のところで止まっていればTさんは無事だったかもしれません。。
くれぐれも、細い峠の下りで飛ばすのはやめましょう。下りが速くても何の自慢もできません。速さを自慢したいなら上りで飛ばしてください。急坂で20km/hも出せれば相当自慢できますので!素人レースでヒルクライムが盛んなのはスピードが出なくて安全だからというのも大きいと思います。プロみたいにダウンヒルでかっ飛ばすのは一般道では無理です。