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プログラミングでメシが食えるか!?

製品の実績作りは大事だが大変!

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今日はある現場で、ProDHCP本稼働の立会をしています。徹夜で立会ですが、既に切替は完了し、安定稼働の確認もできていますので、あとは連続稼働で問題ないことを確認することが作業の中心です。

これまでProDHCPの本稼働は何度も立ち会ってきましたし、最近では私が現場に行かずにメンバーが構築して立ち上げることも多いのですが、それでも何となく本稼働はドキドキします。

もちろん、本稼働前に試験環境で十分に動作確認は行っていますし、設定の正しさも何度も確認していますが、それでも何かが起きるかもしれないのがネットワークシステムです。ネットワークシステムの難しさは、多くの機器が関係し合い、その上で動くソフトウェアも様々、という点でしょう。試験環境で網羅することは不可能です。こうなると、どれだけ現場で動かした実績があるか、ということくらいしか判断基準はないのかもしれません。

どんなシステムでも、開発した直後は実績がありません。実績を作るためには、実環境で動かすしかないのですが、実績がないシステムを実環境で動かしてみるのはとてもリスクが高いことなので誰もが嫌がります。いったいどうするのだ?という感じですね。。

実績がなくても動かしてみよう、と思うかどうかが分かれ目です。ある意味、世の中ではじめて出てきたシステムなら、駄目で元々、ということもあり、チャレンジもしやすい面もありますが、既に動くのが当たり前というシステムで、新しいものを作った場合は非常に敷居が高くなります。

以前も書きましたが、日本はサービス品質にとてもうるさいので、そのおかげで高いレベルのものができているという良い面もありますが、チャレンジには非常に厳しい国だと思います。そのため、SIerは海外で実績があるものを使いたがるのだと思います。海外で実績があるものを動かして問題が起きても責任を問われにくいからです。実績がないものを動かして問題が起きたらSIerの選択責任が問われることでしょう。

しかし、そのためか、日本発のシステムというのはとても少なくなってしまっている気がします。せっかく日本で良いものを作ろうと思っても、国内でチャレンジさせてもらえないため、実績が作れず、世界に出すことも難しい、という感じになりやすいのだと思います。

システム製品は、開発すること自体よりも、世に出すことの方が難しいものです。どれだけ完璧に開発しても、実績がなければ見向きもされないことが多いのです。

「いかにして実績を作るか」この問題を乗り越えられるかどうかが、自社製品でのビジネスを成功できるかどうかのひとつのポイントだと感じています。私自身が取ってきた作戦は、

・既存製品より圧倒的な低価格で
 「これだけ安くなるなら使ってみるか」「安いのだから多少問題があっても許そう」という感じで。でも後々結構苦しい選択です。

・他にない分野で
 他に選択肢がなければ使ってみるしかありません。とはいえ、まったく比較対象がない製品は提案するのがそもそも結構大変です。比較対象があり、別のアプローチ、という感じのがやりやすいです。

・ユーザが困っていることを解決できるもの
 困っている問題を解決できるものであれば、とにかく使ってみよう、という感じになりやすいものです。

こんな感じでしょう。実は自分で気がついていないだけでもっと他にも上手いことやっているので、製品が世の中に出ている気もしますが。漠然と思っているのは「味方・仲間を増やすこと」「誠実であること・信頼できること」でしょうか。結局は人間関係なのだろうと思います。

おかげさまで、ProDHCPは既に実績十分なので、今日の現場も心穏やかに立ち会えています。初期の頃から採用いただき、育ててくれたお客さんのおかげですね。

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