プログラミングやネットワークの仕事を長年続けていますが、このところ感じるのが、
「問題が起きたことに対し、厳しい追及・要求をしすぎて、ますます問題が起きやすくなっている」
ということです。やっている側の言い訳みたいになってしまうかもしれませんが・・・。

まあ、非難を承知で本音で書いてみましょう。。

プログラミングでバグがあり、「品質管理がなっとらん!」と、過剰な報告書の提出要求をしたり、品質管理に関するドキュメントの要求量を高めたり、ウォーターフォールモデルを強要し、各ポイントで過剰なレビューを行うなど。
→ソースコードも見ずに、プログラミングの品質を語れるわけもなく、全体として高いレベルでコーディングをしているのに、たまたま些細なバグが見つかっただけで大騒ぎ。弱みを握ったかのごとく、「あれを出せ、これもやれ」と、余計な作業を要求し、ますます肝心のことを行う時間を奪い取り、品質がどんどん下がる。要件も固められないのに、ウォーターフォールで、レビュー結果を証拠として扱いたがるが、結局は仕様変更の嵐で、最初からスパイラルモデルで開発すればすんなり良いものができるのに、大きな勘違いをしている。

ネットワーク関連の設定変更や更新でミスが発生し、「作業管理もできないのか!」と、全ての入力文字列を一字一句残さず手順書を作らせ、ネットワークの接続も信用できないと、不自由で使い慣れない専用端末で作業させる。そのわりに、検証環境がなかったり、そもそも現場で良きに計らえ的な指示しかでてこないことも多い。
→今どきのネットワークはあまりにも複雑で、100%ミスを防ぐことなど無理。ミスが起きても問題にならないような手順を考える方がマシなくらい。実機と同等の環境で実際にやりながら記録を取るくらいのことをしなければ完璧な手順書など作れないし、稼働しているシステムは状況も変わってくこともある。使い慣れない端末で、かえって接続先の選択ミスが発生したり、慣れないキーボードで打ち間違えることもある。ちょっとした間違いでも手順書通り以外はNGとなってしまっていると、ますます対応ができなくなる。

まあ、すこし誇張している感じもありますが、「うまくいくのが当たり前、少しでもミスをしたら責任取れ」という雰囲気では、こんな仕事をやりたい人はいなくなります。スキルの高いエンジニアほど、理不尽な仕事はストレスに感じますから、真っ先にレベルの高い人たちが離れていき、ますます現場のレベルが下がってしまうでしょう。

確かに、銀行のオンラインや医療関係など、ミスが許されないシステムもあります。そういうシステムは、それなりに人・物・金をつぎ込んで、枯れた技術を使って、しっかりと進められています。一方で、価格競争により、構築コストをどんどん叩きまくるようなシステムや、ほかよりも早くと急いで構築するようなシステムで、同じようなレベルを要求されても、そもそも無理、ということになります。

困ったことに、発注側がシステム構築の難しさを知らずに、金さえ出せばできると信じているようなお偉方が多く、自分の立場を守ることしか考えないため、何でもかんでも請けた側の責任にして大騒ぎをするケースがとても多いのです。どれだけ難しいことなのか、自分でやってみろと言いたくなります。

と、かなり言いたい放題で書いてみましたが、普通の下請けの立場でこんなことを書いたら仕事がなくなるかもしれません。当社でないとできない(技術的にということではなく)製品やスキルがあり、「無茶なことを言うならやらない」と、仕事を選ぶ側の権利もあると考えているのと、誇りを持って取り組んでくれているメンバー達の為にも、あえて書いてみました。

もちろん、その裏には、「もっとお互い気持ちの良い仕事をできる関係になれれば、はるかにスムーズに、良いシステムが構築できるのに・・・」という思いがあります。実際に、そのような良好な関係のお客さんともたくさんお付き合いしています。会社関係は人間関係と同じで、やっぱり人がやることですから、気が合い、好きな相手とは、利害関係を超えた、よい仕事をするものです。「金を出しているんだから言う通りにやれ!」「ミスがあったら全部おまえの責任だ!」と言われて、約束以上の仕事をしようという気にはなりませんし、約束すら守りたくなくなるのは、当たり前だと思うのですが、どうしてそんなことすら分からない人がたくさんいるのでしょうね。むしろ、たまたまミスをしてしまっても「君たちの力を信じているから、ミスの処理は私に任せて、引き続きしっかり頼むよ」とでも言ってもらえば、数倍の恩返しをしたくなるものですよねぇ。

もっとも、ミスにうるさい根元を考えると、実は最終ユーザ、つまり、一般の人たちの過剰な要求が原因とも思えます。本来は、高いレベルを求めたければ、いくらでもお金を出して、そういうサービスを使えば良いところなのに、同じレベルを安いサービスにも求めて、クレーマーになる、という問題です。宮沢さんとクーポンで食事に行った際にも、そういう光景をたまに見かけます。「いったいいくら出しているの?そんなに高いレベルを求めるなら、高い店に行けばいいじゃない!」と言いたくなりますね。日本人は、もう少しタイ人のマイペンライな精神を見習うといいと思いますねぇ。。自分を棚に上げてすぐに怒る・・・

komata

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コメント
山本和彦 2012/07/20 09:56

日本にはチップの習慣がないので、日頃からサービスと値段の関係に対して考えたり、訓練しないのが一因かもしれませんねぇ。

小俣 2012/07/20 10:13

山本さん、コメントありがとうございます。
それは面白い観点ですねぇ!
確かにチップはサービスの満足具合で金額を考えますよね。最初から値段が決まっていて、それを払えばサービスは常に完璧を求めるという頭になっているのかもしれませんね。


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日本シー・エー・ディー株式会社社長・プログラマー・ライター。多趣味で話し好きで説教臭い。

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