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東日本大震災からの学び 味スタ避難所でのIT活用事例 ー避難所運営に必要なスキルとはー

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はじめに

2012年3月3日に調布市で行われた「東日本大震災からの学び 味スタ避難所でのIT活用事例」というセミナーに参加してきました。

この講座は調布市被災者支援ボランティアセンターでITリーダーをされていた柴田哲史(しばた さとし)さんによる「ボランティアのマネジメント」「ITを活用した被災者支援について」の報告です。

お話を伺いました際に感じたのはITのことよりもそれ以外のマネジメントの方が大変だったご様子に見えたことです。確かに緊急時にボランティアを集めた場合、どんな方がいらっしゃるのかわかりません。

リーダーとして適材適所にボランティアを割り振るのも非常に労力がかかることだったと思います。そこでIT活用事例以外のどろくさい部分も含めて味スタのボランティアセンターの取組みをご紹介できればと考えました。

非常に素晴らしい内容だったので柴田さんにお願いをしてITmediaオルタナティブ・ブログでご紹介させていただくことにしました。

誤りを記事にしないように事前に柴田さんにご確認していただこうと考えたのですが、調布ボラセンの場合は「文章もまずは掲載してから修正する。(事前承認をしている時間はないから)」というスタンスで行なっていたので、ご自由にご紹介くださいとのこと。

しかも「味スタでのIT活用事例の話は他の団体(NPO法人、ボランティア団体、企業等)にもノウハウを活用していただければうれしいので」と柴田さんからご好意をいただき、キャプチャも利用して良いとご快諾をいただきました。

とはいえ内容に誤りが見つかった場合は事実をお伝えする必要がありますので後日、修正します。その点はご了承の上で読者の皆様にご拝読していただけましたら幸いです。どうぞ、よろしくお願いいたします。

なお柴田さんはマイクロソフト社に勤務されたあと独立された方です。

博士課程在学中、マイクロソフト社へ入社。ユーザビリティ ラボ設立準備で渡米。米国本社にて修行後、日本にユーザビリティ ラボを立ち上げ、Microsoft Office のユーザビリティ改善業務を担当。その後、JAIMS日米経営科学研究所へのビジネス留学、Adobe Systems 米国本社での User Research 業務経験を経て、2004年ハワイに UD-Consulting, Inc. を設立。
http://ud-c.com/?page_id=5 より引用

味の素スタジアム避難所内にある調布ボランティアセンターにて、センター立ち上げ、サイト制作・運営、ボランティアのマネジメントを担当。
http://twitter.com/#!/satosh923 より引用


マイクロソフトで学んだキャリアアップ仕事術―会社と組織に頼らない生き方、時間とお金にしばられない生活 マイクロソフトで学んだキャリアアップ仕事術―会社と組織に頼らない生き方、時間とお金にしばられない生活
柴田 哲史


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味スタ避難所の活動内容

調布市にある味の素スタジアム避難所は、

  • 期間:3月19日から約2ヶ月間
  • 実施内容:
    物資やボランティアの募集
    避難所内施設運営(プレイルーム、リラクゼーションルーム、学習室など)

をされていたとのこと。

ボランティアセンターを開設すると地域の方やボランティアさんからの問い合わせが多くなることが予想されたため、Webサイトで情報発信とボランティアの仮登録をすることにされたそうです。

Chofuvc006

※当時のサイトはhttp://311.chofu.vc/で、新しいサイトのURLはhttp://chofu.vc/です。
【CHOFU.VC】調布市被災者支援ボランティアセンターの運営は調布市社会福祉協議会が実施。

味スタ避難所の受け入れ数は合計430名(180世帯)。3月29日がピーク時で187名いらっしゃったそうです。最初の1週間がパニック状態でしたが、避難していた皆様が地元へ戻ったり都営住宅に移動されたりされ5月末までに徐々に人が減られたそうです。

「街ぐるみで500人くらい避難しているだろう」と思われていたらしく、グレープフルーツが500個届いて困られたこともあったそうです。

2100人程度の方が都内36箇所に避難。味スタには福島県の方がほぼ全員いらしゃったようです。東北の方は奥ゆかしい方が多いらしく自分からあれこれ欲しいとはおっしゃらない方が多かったそうです。

そこで避難所のニーズはリラックスから。リラクゼーションルームでマッサージをしながら会話。リラックスしていくと避難されている方がマッサージの先生に本音をおっしゃってくださったそうです。

出た要望は受付の人が上の人に伝えるという方法を取られていたそうです。

必要な人に必要な物を必要なタイミングでということも重視されていました。学習室、避難所近辺の手作りマップなどです。

なぜ手作りマップが必要なのか私は不思議に思いましたが、既成の地図に記載されているコインランドリーが既になくなっていたり、営業時間がわかる地図のほうが利用者に便利だからという理由があったようです。

また、WebサイトとTwitterから台所用品を募集した所、50分後に提供者が見つかったとのこと。ポイントはネット上で公開されたやり取り。

すでに完了した案件なのか、どこまで進行したのか、どれくらい集まったのかがネット上で可視化され、わかるようにされた点が工夫のポイントだと思います。
Chofuvc_003

味スタのボランティアは2800人が登録していたとのこと。きめ細かくて早い物資の提供をWebの活用で実現されました。

募集していた物資の例としては食料、衣料、そうじのコロコロローラー、赤ちゃん用品、子供用の補助輪がついた自転車、ゲーム機、ソフト等だそうです。

社協のサイトに「募集している品物」「個数」を書いて募集。ふとんを募集した際は来客用のふとんを近所の方が自分で持参して下さったという例があったそうです。品物をもらった方のお礼のコメントがネットに投稿されていました。

参考:【募集完了】布団一式を募集します!(計4セット)
※コメント欄の提供者とボランティアセンターのやりとりを御覧いただけましたら幸いです。

Chofuvc005_3

Webサイトを活用したことにより現地に行けないボランティアの方も積極的に活動に参加されていたことは大きな注目点だと思います。

自宅でWebサイトをチェックし、物資協力や活動協力でできることを見定める。そして洗濯ボランティアや包丁の提供など可能なことを行なっていかれたようです。

味スタ避難所のボラセン活動の大事な点としては、

  • 「生活を支える」という視点
  • ボランティアは避難されている方の生活スペースに立ち入らない
  • 細やかな工夫(Webの活用、リラックスから本音を聞き出す)

ではないかと考えています。

悩みとしては2000人全員には仕事が無いことだったそうです。ボランティアへの応募の制限・条件はなかったとのこと。最初は味スタから1時間圏内の方の応募が多かったそうです。

避難所に必要なボランティアの数は1日80人程度。そのため避難所以外でできることをお願いされたそうです。

例としては

  • 引越の手伝い
  • 被災者向けの掃除
  • 風評被害の野菜の購入
  • 街頭募金

とのこと。

ボランティアの活動の中で筆者の興味を引いたのは以下の4つです。

  1. 「レンタルサイクル」の修理
  2. 「お風呂の提供」(シャワーだけだったので市内のお風呂屋さんと連携)
  3. 「プレイルーム」(小さいお子さんがワイワイ騒ぐので女子高生ボランティアに遊んでもらったとのこと)
  4. 「リラクゼーションルーム」

プレイルームができたことでお母さんたちは「少しの間でも子供を預けられる」とほっとすることができたようです。そして子供を預けている間にリラクゼーションルームでお母様がたにリラックスしていただくということが可能になったそうです。

ボランティアセンターでは「今、何が必要なのか」を実際に味スタの中にいらっしゃるみなさまを見て日々考える日々だったご様子。いかにさり気なくニーズを聞き出すかが重要だったのかもしれません。

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参考:東日本大震災への応援チャレンジ


「東日本大震災についての記事を書く」チャレンジで被災者支援をしているNPO法人(複数)の活動を応援しています。今後も被災地の支援につながるように、東日本大震災に関係する記事を書き続けたいと思います。

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