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グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

ブログ開設3年を前に「片岡麻実の人生サバイバル」から「片岡麻実の「テクノロジーとリベラルアーツが出逢うとき」」にブログ名を変えました

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ブログ名を変えた浅くて深いわけ

ITmedia編集部は心が広い

4月になり、新しい年度が始まりました。オルタナティブ・ブログでも新社会人に向けた記事が溢れました。私のブログは浜口梧陵さんの記事を書いた後、しばらく休止していました。

年度末で忙しい事もありましたが、ブログの節目にこのブログを何のために書いているのか。これからどうしたいのか他のブロガーのみなさまのブログを読みながら考えていました。

当ブログは「片岡麻実の人生サバイバル」として2010年5月に開始しました。別なIT系ブログメディアから移動してきたのですが、今までのメディアよりもコンサルタントの方のような論考が多く、よりビジネス色の強い場の雰囲気に圧倒されました。

「ブロガーのレベルが高すぎる。とんでもない所に来てしまった......。」と思いました。

このブログを始めてから2012年5月で3年になります。もともとは片岡麻実が厳選した話題を読みたい人に向けてお届けしますというコンセプトでブログを始めました。とはいうものの最初の半年は前のブログの1/10くらいのアクセス数に減ってしまい、何が悪いのかわからないまま書いていました。

2011年3月11日に東日本大震災が起こり、「私が書きたいのは『ITの活用で社会問題を解決できないか』ではないか? 」と思いソーシャルデザイン・社会貢献の記事を書くようになりました。オルタナ・ブロガー佐々木泰さんの「もうひとつのソーシャルを考える」のようなブログを一時期目指していました。

しかし私の気が散ってしまうらしくソーシャルデザイン専門の記事を書くことはできず、障害者と支援技術の話題を書く始めた所アクセス数が極端に減ってしまいましたので考えました。

読む人の立場にたって考えれば重い話題ばかりだとしんどくなります。「そうだ、楽しい話題も必要だ」と思い、硬派な話題・軟派な話題......を繰り返して行くことにしました。そして2011年8月3日に私は漫画『ガラスの仮面』47巻を本屋で見つけました。

30年以上の鬱憤が晴れる予想外の内容に私の心は蘇りました。「そうだ。私は漫画が好きだったんだ! 」大人になってからすっかり漫画を読まなくなりましたが、血湧き踊る熱い世界がそこにありました。家族の死で1年ほど気落ちしていましたが目の前に見える世界がモノクロからカラーに変わりました。なんということでしょう!

参考:美内 すずえ『ガラスの仮面 47 Kindle版

※上記書籍のリンクURLはAmazonアソシエイトのリンクを使用しています。

社会人になってから忘れていたあの興奮がいま再び。ITmediaにガラスの仮面の記事を書きたいと思いました。ですが普通に書いたらITmediaでは場違いですし、まず記事として成立しません。

個人ブログに書けば簡単な話なのですが私は挑戦したくなりました。もしもITmediaでガラスの仮面の記事を成立させられたら......。これは人として大きな一歩になるかもしれない、と。

スマートフォンの記事だったらぎりぎりセーフかもしれないと思い登場したのが1作目でした。「ITmediaにまさかのガラスの仮面」と一部の漫画ファンの間でマイナーに話題になったらしい記事です。

参考:漫画『ガラスの仮面』にまさかのスマートフォン!-速水真澄のスマートフォンの機種は何か?- (画像追加あり):片岡麻実の「テクノロジーとリベラルアーツが出逢うとき」

ITmedia編集部のばんちょ〜さんの心が広かったおかげで漫画『ガラスの仮面』の記事を温かい目で見ていただくことができました。そのため最初に書きたいと思っていた速水真澄のIT化と夏目漱石の話題(3番目に登場)も書くことができました。

3部作で終わるはずだったガラスの仮面シリーズは構想が広がり、別ブログに書いた番外編も入れますと9作目まで到達できました。美内すずえ先生はガラスの仮面を2年で終了するつもりで書き始めたそうですが既に35年を経過。

アマゾン川なみに構想が広がられている美内すずえ先生には遠く及びません。しかし私も日本にはアマゾン川はありませんが利根川くらいを目指してガラスの仮面論がダイナミックに完結できたら本望です。

本業の話題で評価されたい

ガラスの仮面の考察を書くと読者の皆様からの反響があり喜んでいただけているようです。書き手にとって嬉しいことではありますが私の本業はICT教育です。

やはり専門ジャンルであるITや教育の話題で良質な記事を書きたいと思っています。趣味を兼ねたガラスの仮面シリーズ以外で読者や編集部の皆様から「読んでよかった」と言われる記事を書けてこそ本職では? という気持ちがしました。

ガラスの仮面シリーズの更新ペースをあえて遅くして自分の本業で記事を書くようにしました。一時アクセス数がへってしまい、「私はガラスの仮面シリーズ以外の記事を書いてもダメなのか!? 」と真剣に悩みました。

デフォルトのカテゴリーのままにしていたので読みたい記事がどこにあるのかわかりません。2012年になりようやく編集部のばんちょ〜さんにお願いしてカテゴリーを増やしました。

そうするとものすごい事実が浮かび上がりました。カテゴリーのジャンルがバラバラすぎたのです。

カテゴリー

    1. 3.11(東日本大震災)(7件)
    1. SNS(ソーシャルネットワーク)(6件)
    1. Specialオルタナトーク(8件)
    1. アクセシビリティ&ユニバーサルデザイン(4件)
    1. アプリケーション(7件)
    1. サブカルチャー(7件)
    1. テクノロジー(2件)
    1. ネットワーキング(1件)
    1. ビジネス(15件)
    1. 就職活動(5件)
    1. 情報格差(5件)
    1. 支援技術(5件)
    1. 教育(9件)
    1. 時事問題(4件)
    1. 書籍(10件)
    1. 漫画&物語研究(7件)
    1. 社会(18件)
    1. 音楽(1件)

記事の件数は2012年4月11日現在ですが、カテゴリーを見ただけでは何が専門のブログかわかりません......。

※漫画&物語研究(7件)のところは読者の利便性を考えて「ガラスの仮面」にしようかなと考えましたが、カテゴリーの見出しのレベルが揃わないので大きな括りにしました。

ブログの題名が「片岡麻実の人生サバイバル」なので私が好きなことを書きますというのは明確ではありますが、あまりに脈絡がない広がり方です。

しかも2012年3月に書いた浜口梧陵さんの震災後の復興事業の話題は江戸時代。他のブロガーと比べても突拍子ないかもしれない......と考え込んだ次第です。

テクノロジーとリベラルアーツの交差点

そして3月25日。重大な出来事がありました。デジ教研が主催した子供のICT教育を考えるイベントでこんな話が出ました。『ジョブズ伝説』を執筆された高木先生によるスティーブ・ジョブズの教育論です。

ジョブズ氏はジョン・レノンさんのファンで生き方を真似していたところがあるとか、インタビューをする前にカメラマンが窓を開けたらジョブズ氏が不機嫌になった。

が、動揺した素振りを見せたらインタビューが中止になると過去の事例からわかっていたので平静を装ったなど、実際にジョブズ氏にインタビューした高木先生ならではのエピソードが多く聴き応えがありました。

参考:高木利弘『ジョブズ伝説』

ジョブズ伝説

※上記書籍のリンクURLはAmazonアソシエイトのリンクを使用しています。

ジョブズ論としてもジョブズ氏が考えていた教育論の紹介としてもおもしろい内容でした。私が以前、ジョブズ氏が亡くなられた直後に彼が「テクノロジーとリベラルアーツの交差点に立ちたい」と発言したエピソードを紹介しました。

高木先生からもその発言について詳細な解説がありました。どうもリベラルアーツということばを単に「教養」と日本語に訳するのはニュアンスが適正ではないらしいことがわかりました。

ジョブズ氏が発言したリベラルアーツのニュアンスを考えると、片岡が無自覚に目指していることはどうやら「テクノロジーとリベラルアーツの交差点に立ちたい」ということだとわかりました。

「ITを活用して社会問題を解決できないか」も、ガラスの仮面論もfacebookやTwitterの使い方のリテラシーも、東日本大震災の時の石巻の状況を調べたことも、就職活動の話題も全てが「テクノロジーとリベラルアーツの交差点」に向かうための通過駅なのではないかと考えるようになりました。

普通は最初に決めたブログ名を変えることはないと思います。しかし、ブログの方向性が見えてきた気持ちがしました。なので、あえて3年目の節目でブログ名を変更することにしました。

ということで、ブログ名の下に添えられた説明もより具体的になりました。

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片岡麻実の「テクノロジーとリベラルアーツが出逢うとき」
グローバル化する時代に日本人が生き残るためにはどうしたらいいのか? ICT教育と文学研究している立場から、Japan cultureをキーワードに理系の言葉を文系の人にもわかるように噛み砕いて考察します。
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他のブロガーのみなさまの記事を見ながらどうしたらいいのか考え、仮設→検証を繰り返しながら2012年3月まで書くことができました。みなさま、ありがとうございます。私にも新しいスタートの季節となりました。

果たして大胆にブログ名を変更したのは吉となるかどうか。これからも御覧いただけましたら幸いです。どうぞ、よろしくお願い致します。


編集履歴:2012.7.21 0:57 題名から周の一文字を取りました。

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