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グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

「自己分析×会社研究=内定力」で通用する社会人になろう

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はじめに

今日の記事は、「不況でも通用する社会人になろう」がテーマ。ということで、学生のうちから準備できることに着目しますね。『就活の新常識!学生のうちに知っておきたい会計』は、学生さんや「会社の数字・経営状態がわかるようになりたい」と思っている社会人の方に、お勧めしたい本です。

参考:望月実・花房幸範『就活の新常識!学生のうちに知っておきたい会計

※上記書籍のリンクURLはAmazonアソシエイトのリンクを使用しています。

望月さんは公認会計士の方で、キャリア教育にも力を入れている知人です。「就職活動をする時点までに、これくらいの会計の知識は持っていた方がいいよ」という学生向けの本。知人にオススメしてまわったところ「社会人が読んでも歯ごたえのある本。」とためになるお墨付きをいただきました。

どんな内容なのか?

表紙を開くとこんな紙が入っています。以下ダイジェストで抜粋します。

  • 有名社長のプレゼンを観たい方は  24ページを
  • 就職活動に役立つ会社情報の入手方法を知りたい場合は  141ページを
  • TUTAYAのビジネスモデルを知りたい方は  28ページを
  • 大学時代に会計を学ぶメリットを知りたい方は  17ページを
  • 優良企業の探し方を知りたい方は  138ページを
  • 社会人になったら必要な数字力について知りたい方は  251ページを

私には、興味をひかれる見出しがずらりでした。

私の知人の中にも会社が倒産して失業中の方は急増中なので、私も仕事がいつなくなるか油断ができません。私はフリーランスです。したがって、万一、取引先の経営が傾けば、いきなり仕事がなくなります。「優良企業の探し方を知りたい方は  138ページを」は、特に気になりました。

最近は障害がある方に対するICT教育の依頼(IT×福祉)が多くまりました。ですが、障害がない人にもパソコンを教える機会はありますし、就職活動のサポートや新人研修を依頼されることもあります。「就職活動に役立つ会社情報の入手方法を知りたい場合は  141ページを」なども読まなくてはという気になります。(実際に読みました。)

このブログを読まれる方は会社経営者が多いようです。一般の方々にお話を伺うと、「会社の会計にそもそも関心がない」と、お話される方が私見では多かったです。

不況だからと、株や投資信託で収入アップを試みる方もまわりにいました。ですが、うまくいっている方にまだほとんど出逢えません。1人だけ上手くいった方がいたものの、元・証券会社の職員。素人では難しいのでしょうね。

会社の数字がわかれば、経営が健全な優良企業がわかります。倒産しない会社で働き続ける可能性が、高まりそうです。私の場合も、取引先の経営が傾くと困ります。財務諸表などが読めて、経営状態がよさそうな会社がわかれば、さらに働きやすい環境を作ることができるでしょう。

株や投資信託で儲けたい方は、投資することになる会社の状態が財務諸表などから読み取れれば、利益をあげられる可能性がでてくるかもしれません。

またこのブログを読んでくださった方の中には、「学生時代になんで会計がわからないといけないの?」と、根本的な質問をいただけそうな予感がします。

  • 「なんで社会人になってから学んではいけないのか?」とか、
  • 「一般の会社員は、会計よりも学ぶべきことはある」とか、
  • 「学生時代は青春を謳歌するためのもの。早くから職業訓練をするのはどうかと思う」

という声をいただくかもしれません。なぜそんな予測をしたのかというと、私が今まで実際に言われたことがある言葉だからです。

学生時代に会計を勉強するメリットは?

望月さんと花房さんの本の最初にも、同様の質問に答えるコーナーがありました。
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Q1 大学時代に会計を勉強するメリットは何ですか?
大学の授業で会計を学んだのですが、どのように役立てればよいかがイメージできません。大学時代に会計を学ぶメリットを教えてください。
(17ページより)
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それに対して、著者は主に4つのメリットを挙げています。

  1. 就職活動で会社を選択する時に役立つ
  2. 面接やエントリーシートの作成に役立つ
  3. 自分の身を守ることができる
  4. 視野が広くなる

1に関しては、知名度が低くても優良企業を見つけることができるから、ということのようです。今までだったら大企業に就職していた高い技術力の方でもそもそも募集がない、という理由で中小企業に就職されていくのをみています。優良企業を見抜く目は大事かなと感じます。

2に関しては、自分のことはもちろん、入社を希望する会社や業界のことを事前に下調べしない人、知る気がない人は、あまり雇いたくない、と私ならば判断します。

ソフトウエア会社に就職希望ならば、趣味で構わないのでプログラミングや自作パソコンを作ってみることをオススメします。希望する業界の入門編くらいは体験しておいてほしい、講師の立場から感じます。会計という視点から、業界や入社希望の会社を分析してみるのは有益ではないか、と考えています。

3に関しては、会社が倒産しそうかを、会計の面から判断することは可能なようです。たとえばNOVAの倒産は、数か月前の時点では財務諸表から判断できる、と57ページに数値データと分析結果が載っています。自分のためにも家族のためにも、身を守るために会計の知識を知っていた方がいい、と考えています。

4に関しては、買い物している時には気がつかなかった会社全体の経営がみえるというのも確かにと思います。会社員をしていたりお客様としてサービスを受けている時は会社の経営が見えにくいと思います。財務諸表だと経営がどう行われているのかが丸見えになります。(粉飾決算をしない限りはという前提が必要だと思いますが。)

おわりに

私は運よくなのか、経営企画部で会社員を数年間した後に、フリーランスになりました。中小企業の社長さんの知り合いが普通よりは多めらしく、会計・数字の大切さを実感する場面に遭遇します。したがって、上記のようなところが気になりました。

自分や家族の身を守るためにも、会計の知識はあった方がいいと思います。いかがでしょうか? 会社員の方も経営なんて関係ないと思わないで、会計のことも知っていた方が失業しないで済む確率が高まると思うので、いいのではないかと思い、この本を紹介しました。

自分という人生の社長を死ぬまで続けないといけません。なので、私も「自己分析×会社研究=実りある仕事を行う」で、不況を乗り切ろうと思います。

>>「プログラミング未経験者が内定をもらうまで」に続く

今回、ご紹介した本

望月実・花房幸範『就活の新常識!学生のうちに知っておきたい会計

編集履歴 2013.4.1 19:13 誤字脱字の修正と改行を入れました。2015.1.1611:46 句読点を追加。冒頭の一文にテーマを追加。3文目を「テーマは」を削除。文末を「です」→「に着目しますね。」に変更。助詞や接続詞の追加・削除・変更あり(主に文末)。4文目から「私が」を削除。思いますが多用されていたので、部分的に考えます、等に変更。2文目「万人に役立ちそうな記事を書こうと思います。」を削除。はじめにから「キャリア教育は、私の本業の一部です。」「すでに何回も読んだものの「ぜんぶ読んで!」と言いたくなるくらい私が気に入った本です。」を削除。同日14:10「なのですが、」「が、」「以下の」「最近は」「そうすると」「さあ、内容はと言いますと、」「なので、」「の場合」「経理の仕事をしていない方は」を削除。編集履歴「雇いたくないな」を「雇いたくない」に、「私も」を「私の」に修正。「......」を削除。

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