「まだインタビューができていてない」という言い訳についての考察

「まだ、十分にインタビューができていてないので、改めてお客様と話してみます。」

要領を得ない報告に、いくつか質問したところ、こんな答えが返ってきた。

同じような言い訳を何度すればいいのか。初めて伺ったお客様ではないはずだ。いろいろな方とも話しをしているだろう。それなのにまだインタビューが足りないとはどうことか。

「インタビュー（interview）」という言葉は「お互いに（inter-）」に「見る（-view）」が語源だと言われている。つまり、「お互いに面と向かって話し合う」ということであり、「何かありませんか？」と聞くことではない。

• 自分はここに課題があると考えている。
• このままにしておくと、このようなことになる。
• だから、このように解決するべきだと考える。

これについて、どう思うかと聞くことからはじめなくてはならない。これをきっかけにして、お客様と話し合い、議論して、お客様の考えや意向を整理してあげる行為だ。整理された言葉にこそ価値がある。お客様もこの話し合いに意義を感じるだろう。感謝もしてくれる。それを受けとめることが、本来のインタビューだ。

「どんな提案をするつもりですか。どんな疑問や質問をぶつけるつもりですか。」

彼にそう問いただすと「まだ考えていない」という。しかし、本当は「そんなことは考えてもいなかった」ではなかったのだろうか。

お客様に時間を頂こうというのだから、当然その見返りを差し上げるのが礼儀だ。

• 相手に役に立つ話しをする
• 相手の曖昧や混沌を整理する
• 相手の不安を解消し、前に進む勇気を与える

そのための準備をしなければ、インタビューはうまくいかない。

「なにかありませんか？」と問いかけても、「何もありません」と答えられるのがオチだろう。「何もありません」と言われてしまえば、これ以上は先に進みようがない。

相手に関心を持たせ、巻き込んで、相手の琴線に触れることだ。相手の心をざわざわさせてこそ、黙っちゃいられないと話し始める。そういう一連の行為がインタビューだ。そのためには、相手のことを徹底して調べ、想像を巡らし、自分なりの「正解」を用意することだ。それを真剣にぶつけてみることが、インタビューの要諦であることを肝に銘じておく必要がある。

【締め切りました】ITソリューション塾・第29期

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