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お客様のITリテラシーの低さを嘆くなかれ

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ガートナーから今年のハイプサイクルが発表された。

えっ、何のことですか?というような顔をされることがある。IT業界とは無縁の人であれば、驚くには当たらない。しかし、IT業界でそれなりに経験を積んだ人たちを相手の講義や講演で、このようなことが起こる。

armのプロセッサーを使っているは、手を挙げて下さい。

こんな質問をしてみる。すると、会場のほとんどの人が手を挙げることはない。これもまた、IT業界で働く人たちを相手にした講演での話しだ。あれほど大騒ぎになったSoftBankによる買収劇についても知らないという。

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コンテナやマイクロサービス、サーバーレスは言うに及ばず、IaaS、PaaS、SaaSの区別すらままならない。いまでも「クラウドはセキュリティが心配だから使えない」とか「セキュリティ対策はFirewallとアンチウイルスの導入だ」と思っている人たちもいる。

未だ日本がIT後進国に甘んじているのは、このような業界人のリテラシーの低さにあるのかも知れない。

お客様のITリテラシーが低いから、ITの戦略的活用がすすまない。

そう言う人もいるが、ならばそれを教え、彼らのリテラシーを高めることが、IT業界に関わる人たちの役割でもあるはずだ。

別に自慢話をするわけではないが、1980年代、私がIBMで働いていた頃、お客様にテクノロジーのトレンドを伝え、どう活用すればいいのかを啓蒙するのは担当する営業やSEの役割だった。当時は、インターネットもなく、売り物はメインフレームだけだ。しかも、コンピュータのトレンドを牽引していたのはIBMだったので、そうしなければならなかったという背景もある。しかし、お客様もよく勉強していたし、実務で積み上げたノウハウもあるので、一筋縄にはゆかない。時には喧嘩をしてまで、その価値を訴えたこともある。若気の至りではあるが、「この技術を使わないなんて、給与泥棒ですよ!」と言って、えらく怒られたこともある。

インターネットが普及し、情報の格差は縮まったかに見える。しかし、現実には、情報システム部門は日々の業務に追われ、新たなテクノロジーに関心を持つ余裕がないようだ。しかも、実務はITベンダーに丸投げしているので、実践的なノウハウも乏しく、その視点からの突っ込みなどほとんどない。ならば、お客様に役立ちそうな情報をセレクトし、わかりやすく整理して、お客様にお伝えすれば、大いに喜ばれるだろうし、信頼も高まるに違いない。

先般、サーバーがサポート切れになるので、サーバーの入れ替えの提案を聞くので同席して欲しいと、情シス部長から依頼された。提案に来たのはインフラ業務を外注しているITベンダーだ。彼らは既存のシステム構成をそのままにサーバーを新しいモデルに入れ替える提案をした。私はその話しを聞いて、HCIをなぜ提案しないのかと問いかけた。するとその営業は「HCIって何ですか?」という。

呆れてものが言えない。そのお客様にとって、HCIがふさわしいかどうかは別にしても、HCIがなにかを知らないというのは、なんいうことだ。当然、メリットもデメリットもあるはずだが、その選択肢を提示するのが、プロとしての矜持ではなのか。お客様のITリテラシーが高まらないのも無理はない。

自分たちが商材として扱っていなくても、自分たちの商材の位置づけを客観的に捉え、公平な視点でお客様に説明できなくてはならない。その上で、自社の商材のメリットとデメリットを伝え、ではどうするかと議論する。それが、お客様に対する真摯な向き合い方というものだ。

テクノロジーの進化はめまぐるしく、加速度を増している。だからこそ、それをわかりやすく伝え、お客様のビジネス価値にどのように貢献できるかを伝えてゆくことは、IT企業で働く人たちの責務ではないのか。

ハイプサイクルもarmもコンテナーもサーバーレスもHCIも知らない、説明できないなんて、あまりにも残念だ。お客様のITリテラシーの低さを嘆く前に、自分の自覚のなさを悲しむべきだろう。

変化が早いので追いつけないというのは言い訳だ。変化のなかった時代など、これまでもなかったし、これからもないだろう。テクノロジーの変化を知り、それを理解し、お客様のビジネスの言葉に翻訳するトランスレーターが営業やSEの役割であることは、昔も今もこれからも変わることはない。

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デジタル・トランスフォーメーションへの勢いが加速しています。クラウドはもはや前提となり、AIやIoTを事業の競争力の源泉にしようと取り組んでいる企業は少なくありません。ITを使うことは、もはや「手段」ではなく「目的」であり「本業」へと位置づけを変えようとしています。このような取り組みは内製となり、これまでの工数を提供するビジネスは需要を失い、技術力を提供するビジネスへの需要は拡大しつつあります。

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