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自動車産業に押し寄せるCASE、自動車産業を越えて変革を促す

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自動車産業に押し寄せるCASEの波

いま自動車産業はCASEの波に翻弄されています。そして、このCASEの波は自動車産業を越えて、様々な産業を破壊し、変革を促そうとしています。

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CASEとは、Connected(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)、Electric(電動)を意味する言葉です。

いま自動運転の話題を目にする機会が増えましたが、自動運転は1台の自動車が単独で周囲を認識しただけでは実現しません。カーブの先にある障害物や300m先にある車線規制、死角となっている交差点からの他の自動車や自転車の侵入などの予測は、自動車同士がお互いに接続され、あるいは信号機や道路上に設置されたセンサーからの情報で初めて分かることです。また、目的地に向かう途中の道路標識や信号機、建物などの立体的な配置も正しく把握されていなくてはなりません。そのためには膨大なデータ量の3次元地図が必要となります。それらを全て個々の自動車や持っているのは大変なことで、必要に応じてクラウドからダウンロードする必要があります。また、地図は変わり続けます。その変化を捉えた自動車はクラウド上の3次元地図に更新情報を送り、その近辺を走る他の車の地図を更新します。そんなConnectedなくしてAutonomousは実現できません。

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自動車がインターネットとConnectedになれば、それぞれの稼働状況をリアルタイムで捉えることができます。ならば空いている時間をお互いに融通し合えば、いまほど沢山の車はいらなくなります。つまりSharedが実現するので。

スペースの効率化や地球資源の有効活用の視点からも、また利用者の経済的な負担の削減と公共交通機関と異なり個人で自由に目的地へ移動できる利便性もSharedを普及させることになるでしょう。

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さらに排気ガスや騒音などの環境負荷の低減や部品点数の減少に伴う製造コスト削減への要請からElectricもまた大きな流れとなっています。中国やEUヨーロッパ諸国ではガソリンやディーゼルで駆動する自動車を法律で規制しElectricへの移行を強制する動きも出てきました。

CASEによる産業や社会へのインパクト

CASEがすすむことで先ず影響を受けるのは自動車産業自身です。自動車の生産台数が減少します。製造コストが減少するので販売価格も下がるでしょう。自動車産業は大幅な収益の減少を余儀なくされます。

また、保険会社への影響も大きなものになります。完全自動運転になれば交通事故の責任は製造者である自動車会社になります。そうなると交通事故の責任が運転者側にあることを前提に組み立てられた損害保険は不要となります。完全自動運転が普及するまでには時間はかかりますが、部分的な自動運転が普及する過程で交通事故は減少し、保険会社の収益に変化をもたらすことは避けられません。

交通事故が減少すれば自動車整備工場の仕事もなくなります。またタクシー、やレンタカー、バスや鉄道などの交通会社や公共交通機関も乗客が減少します。既にライド・シェアサービスが普及している米国や東南アジアではタクシーやレンタカー会社は倒産に追い込まれています。

ガソリン・スタンドも必要なくなります。既に自動車の燃費が向上していることから採算のとれないガソリン・スタンドの廃業が増えていますが、Electricになれば完全に不要になります。

駐車スペースも減少します。そうなると建設や不動産にも変化が起きるでしょう。都市計画のあり方も変わってしまいます。

物流も運転手不要となり、また休憩も不要で、タンデム走行(複数の自動車が数十センチの車間距離で連なって走行すること)も可能になることから、輸送効率は大幅に向上しコストも下がります。特に米国のような広大な国土を抱えるところでは数日間かけてのトラック輸送が行われていますが、Autonomousになれば運転手がいないので、道路沿いのドライブインやモーテルも不要になり地域経済にも大きな影響があるでしょう。

自動車の台数が減少し、自動車同士や信号機がつながってお互いに情報交換をしながら走行すれば渋滞も解消されます。これもまた運送や移動の効率化に貢献しますが、道路の補修や工事も減少し、建設業界の収益構造にも大きな影響を与えます。高速道路網などの道路計画にも影響があるでしょう。

このように、自動車産業に押し寄せるCASEの波は、自動車業界だけではなく、その周辺の産業までも巻き込んで、破壊と変革を引き起こすのです。

様々な産業に変革を促すデジタル・トランスフォーメーション

自動車産業に限ったことではありません。デジタル・テクノロジーの進化は様々な産業に及びます。

無人レジの普及は流通業やその雇用のあり方、それに伴うコスト構造を大きく変えてしまうでしょう。3次元プリンターや工場の完全自動化を推し進めれば、労働単価の地域格差は意味をなくし、オフショアでの生産から消費地に近いところへの工場の立地が進かもしれません。AIによる個々人の特性に合わせた最適化教育、オンラインによるリモート教育、人間が関与しない自動教育なども実現するかもしれません。

ITすなわちデジタル・テクノロジーの進化がもたらすデジタル・トランスフォーメーションとは、あらゆる産業を巻き込んで、既存の常識を破壊し、ビジネスのあり方を根本的に変革することを促そうとしているのです。

お客様と一緒に参加しませんか?

ビジネス・エグゼクティブのためのIT戦略講座

来年2月より、事業会社の経営者や経営幹部、事業部門の責任者や幹部といったエグゼクティブを対象に「ビジネス・エグゼクティブのためのIT戦略塾をスタートさせることに致しました。
ITに詳しくない経営者や事業部門のトップが、ITのトレンドや価値、それをビジネスに活かす方法について理解を深めてもらおうという内容です。
講師には、私だけではなく、デジタル・ビジネスの実践を支援し、グローバルに活躍している方やデザイン思考のプロを招き、単なる知識ではなく、実践的なノウハウも合わせて提供しようと準備しています。
ユーザー企業のエグゼクティブが対象ではありますが、もしIT事業者の方で参加されたいというご意向がありましたらご相談下さい。

内容:全3回の講義と演習/受講者と講師のコミュニケーション

  • 2月26日(月)第1回 最新のITトレンドとこれからのビジネス戦略
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2月14日(水)よりスタートする次期「ITソリューション塾・第27期」の受付を開始致しました。

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日程 2018年2月14日(水)~4月25日(水) 18:30~20:30
回数 全11回
定員 80名
会場 アシスト本社/東京・市ヶ谷
料金 ¥90,000- (税込み¥97,200) 全期間の参加費と資料・教材を含む
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【お願い】早期に定員を超えると思われますので、まだ最終のご決定や参加者が確定していない場合でも、ご意向があれば、まずはメールにてご一報ください。優先的に参加枠を確保させて頂きます。
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第27期は、これまでの内容を一部変更し、AIやIoTなどのITの最新トレンドについての解説と共に、そんなテクノロジーを武器にして、どうやって稼げばいいのかについて、これまで以上に踏み込んで考えてゆこうと思います。また、働き方改革やこれからのビジネス戦略についても、皆さんに考えて頂こうと思っています。

SI事業者の皆さんには、これからのビジネス戦略やお客様への魅力的な提案を考える材料を提供します。
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講義で使用する500ページを超える最新のプレゼンテーションは、オリジナルのままロイヤリティ・フリーで提供させて頂きます。お客様への提案、社内の企画資料、イベントでの解説資料、勉強会や研修の教材として、どうぞ自由に活用してください。

古い常識をそのままにお客様の良き相談相手にはなれません。
「知っているつもりの知識」から「実践で使える知識」に変えてゆく。そんなお手伝いをしたいと思っています。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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2018年2月版・改訂/追加リリース

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・デジタル・トランスフォーメーションについて大幅に解説を増やしました。
・【講演資料】SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション を新規に掲載しました。
・量子コンピュータについて、チャートの他に解説文を作りました。
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追加・更新の詳細は以下の通りです。

プラットフォーム&インフラ編
【改訂】サーバー仮想化とコンテナ p.94
【新規】ビジネスとしてのランサムウェア p.113

ビジネス戦略編
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションの意味 p.4
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは何か p.5
【新規】「限界費用ゼロ社会」の実現を支えるデジタル・トランスフォーメーションp.6
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの全体像 p.7
【新規】デジタルトランスフォーメーションとCPS p.8
【新規】デジタル・トランスフォーメーションを支えるテクノロジー p.9
【新規】デジタル・トランスフォーメーション実現のための取り組み p.10
【新規】デジタル・トランスフォーメーションをとは p.11
【新規】デザイン思考・リーン・アジャイル・DevOpsの関係 p.16
【新規】SIビジネスとして注力すべきテクノロジー(解説付き) p.17
【新規】デジタルトランスフォーメーション時代に求められる能力 p.20

サービス&アプリケーション・先端技術編/IoT
【新規】機能階層のシフト p.46

サービス&アプリケーション・先端技術編/人工知能とロボット
【新規】手順が決まった仕事は機械に置き換わる p.18
【新規】深層学習の学習と推論 p.52
【新規】「AIカント君」の可能性について p.92

開発と運用編
【新規】DockerとKubernetesの関係 p.45
【新規】システム開発のこれから p.62

テクノロジー・トピックス編
【新規】スマート・コントラクト p.53
【新規】量子コンピュータについての解説文 p.67-68

ITの歴史と最新トレンド編
*変更はありません

クラウド・コンピューティング編
*変更はありません

サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません

【講演資料】SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション を新規に掲載しました。

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