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リーダーシップ神話を捨てさる時代、求められるスポンサーシップ

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100名ほどの営業を擁するあるソリューション・ベンダーでは、その一割に当たる10名ほどが、なんらかのメンタルな問題を抱え会社を休んだり、お客様のところへ行けなかったりといったことになっているという。

少し古い統計ではあるが、2015年に独立行政法人「労働政策研究・研修機構」がおこなった調査によると、うつ病などメンタルヘルスの不調を感じている人の13.3%が会社を休職していることが調査で明らかになった。また、メンタルヘルス不調になった人の42.3%は「業務内容や業務量への配慮」を、34.9%は「職場の同僚や上司との人間関係を考慮した配置」を望んでいるという。

このような事実は、自慢できた話しではないが、実体が把握されていると言うことは、立派なことなのかもしれない。

「恥ずかしいこと」、「あってはいけない」が、まかり通っている会社では、このような事実を埋もれさせ、分っていても分っていない振りをする。結果として、組織の活力を奪い、大きなリスクを知らず知らずのうちに溜め込んでしまっている会社も多いのではないだろうか。

しかし、改めて考えてみると、組織の一割が、戦力外という営業組織は、どう見てもまともとは思えない。私は、その理由のひとつに、「リーダーシップ神話」が、あるのではないかと考えている。

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景気が上向いているときは、お客様に足を運べば、担当営業の能力に関わらず、仕事をとることができた。マネージャーは、彼らを鼓舞し、お客様に向かわせる。それが結果として数字になる。マネージャーも率先垂範を心がけ、部下の先頭に立って、商談をまとめる。リーダーとして範を示し、部下に指示し、部下を鼓舞し、ぐいぐいと引っ張ってゆく「リーダーシップ」こそが、マネージャーに求められる能力だった。そして、それが、ちゃんと結果を伴っていた。

売るものが、単純だったということも、リーダーシップには向いていた。モノが、それ自身で競争力を持ち、そのアドバンテージをしっかりと売り込む。それに関わる事務処理も、関係するヒトや組織も少なければ、営業はそれを自分だけでこなすこともできた。

営業の役割は、シンプルだったので、自分で何をすべきかが見える範囲にすべて収まっていた。あとは、上司の励ましと、ありがたい彼の成功体験を聞かされ、よぉーしとばかりに踏ん張ればよかったのである。

しかし、今はそうはゆかない。なんだかよく分らない「ソリューション」を売れといわれる。モノによる差別化が難しくなる中、モノだけではなくサービスや サポートをお客様個別に組み合わせてゆかなければならない。その組み合わせに差別化を見出さなければ、もはや競合に勝つことはできない。

関わる人や組織、製品やサービスの種類も増える。関わる人や組織が増えれば、彼らとの調整や意思疎通に多くの時間を費やさなければならない。そのオーバーヘッドは、モノを売っているときとはくらべものにならない。自分で処理できる情報量が限界を超え、判断も容易にできないといった状況を抱えているのが、いまの営業の現場であろう。彼らは、「不安」なのだ。

そこにいままで同様に「リーダーシップ」を持ち出され、鼓舞されても、どうすればいいのか分らないのだから、がんばりようがない。「がんばらなければ」、でも、「どうすればがんばることができるのか」が分らない。誰も教えてくれない。そんな不安が心を疲れさせてしまう。

また、マネージャーも過去の成功体験しかないわけだから、率先垂範もできない。彼らもリーダーシッ プを発揮しなければといういままでの通念に支配されている。しかし、それが結果を伴わない。どうすればいいのかと、彼らもまた「不安」を抱えているのだ。

過度な「コンプライアンス」もこの不安を増長している。「あっはならない」、「問題を起こしてはいけない」が前提のコンプライアンスは、チャレンジ精神を封印する。そして、小さな問題があっても、それ露見させず、何とか自分で始末してしまおうと余計な心のエネルギーを消費する。それが解決できればいいのだが、そうならなければ、不安はますます大きくなり、押しつぶされてしまうほどに膨らんでしまう。当然、会社としてのビジネス・リスクも拡大する。

「リーダーシップ神話を捨てること。」いまの時代には、それがふさわしい。リーダーシップという過去の神様を捨てて、新しい神様に乗り換えなければ、この現実を変えることはできないのではないかと思う。

では、その新しい神様とは何者か。「スポンサーシップ」というのは、どうだろう。指示、命令、模範で部下を引っ張るのではなく、「一緒になって、困り、考え、役割分担を考えてゆく」 そんなスタイルである。

自分だけではできない、がんばっても無理、問題はあって当然。「スポンサーシップ」は、この当たり前を共有することから始まる。

自分だけではできない、がんばっても無理なのだから一緒にやろう。あなたには何ができて、自分は何ができるのか。誰を巻き込み、どのように動いてもらえばいいのか。

「なぜやらないんだ!」と責めるのではなく、「どうすればできるだろうか?」といった問いかけに変えてゆくことである。

問題はあって当然なのだから、問題が発生したら、いや、その兆しが見えたなら、いつでも聞く耳を持つことであろう。「あってはならないから、規則や手続きでがんじがらめにする」のではなく、「問題が小さなうちに、話しがあがってくる、相談ができる部下と上司の関係」を築くことが、 コンプライアンス対策のあるべき姿ではないかと思う。

そんなスポンサーシップがなければ、気持ちは萎縮し、だれもチャレンジなどしない。いわれたことだけをやる。自主的、自発的な行動を期待しても無駄であろう。

ソリューション・ビジネスとは、「スポンサーシップ」という考え方なくしてうまく機能しないだろうと思う。ソリューションというお客様の課題に対処する方策が多様化し、複雑化し、お客様も、その最適解が分らない。これしかないという解決策がないのである。その答えを提供することがソリューション・ビジネスであるとすれば、売る側にも新しいモノへのチャレンジであり、既存の能力の限界を超えるために潜在力を最大限に引き出して、新しい答えを創造しなければならない。それができなければ、お客様の満足は得られないだろうし競合に勝つことはできない。

「スポンサーシップ」とは、そういう力を引き出すための基盤となるだろう。

「リーダーシップ」から「スポンサーシップ」へ。そろそろ、過去の常識と決別すべきではないだろうか。

新入社員のための最新ITトレンド・1日研修

「お客様の話しに、ついてゆけません。言葉が分からないんです。」

こんな話をする新入社員は少なくありません。もちろん経験のない彼らが仕事をうまくこなせないのは当然のことです。しかし、「言葉が分からない」というのは別の問題です。

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そんな彼らに、ITの最新トレンドを教え、ITがもたらす未来への期待、そこに関わることへの誇りを持てるようにと企画しました。

参加費が1万円なら、懐の寂しくても自腹で参加できるはずです。また、既に新入社員研修の予算を使い切った企業でも、何とかやりくりして頂けるのではないでしょうか。そんな想いで、この金額にしてみました。また、100ページを超えるテキストは、パワーポイントのままでロイヤリティフリーで提供させて頂きます。

実施内容

  • 日時:下記日程のいずれか1日間(どちらも同じ内容です)
    • 【第1回】8月28日(月)10:00〜17:00
    • 【第2回】9月04日(月)10:00〜17:00
      • *昼休み1時間、休憩随時
  • 会場:株式会社アシスト・本社1階セミナールーム/市ヶ谷
  • 定員:50名/回
  • 費用:1万円(税込10,800円)
    • 新入社員以外(例えば、他業界からIT業界に転職された方や人材開発・研修担当の方)で参加されたい場合は、3万8千円(税込 41,040円)でご参加いただけます。
  • 内容:
    • ITビジネスの歴史と最新トレンド
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今月度は、AIとIoTを中心に大幅に資料を追加しています
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【新規】3つのIT:従来のIT/シャドーIT/バイモーダルIT p.23
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.4
【新規】人工知能の3つの役割と人間の進化 p.12
【新規】自動化から自律化への進化 p.16
【新規】スマートマシンの必要性 p.16
【新規】人工知能のロボットへの実装 p.24
【新規】専門家と人工知能 p.26
【新規】人工知能は知的望遠鏡 p.27
【新規】ITと人間の関係の変遷 p.33
【新規】これまでの学習とディープラーニング p.42
【新規】ルールベースと機械学習 p.43
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.15
【新規】従来のやり方とIoTの違い p.18
【新規】LPWAとは p.51
クラウド・コンピューティング編
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サービス&アプリケーション・基本編
【新規】ERPシステム/パッケージとクラウドでの利用形態 p.11
【新規】SOAの狙いと成果 p.27
開発と運用編
【更新】ウォーターフォール開発とアジャイル開発 p.17
インフラ&プラットフォーム編
【新規】認証基盤 p.117-118
【新規】認証に関わる課題 p.119
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トピックス編
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