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OJTというほったらかし、現場実践という雑用係

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「最近の新人は○○○だ」と一般化して評する人も少なくありません。しかし、本当にそうなのでしょうか。自分の時代を考えてみると、大して変わらないようにも思えます。

「自分で考えて行動できない」、「保守化している」、「覇気がない」などと大人達は、自分たちの時代を懐かしみ、あたかもその時代こそが良かったのだと言わんばかりに、あえて、その違いを強調しているようにも思えてしまいます。また、そんな議論の中に、そういう若者達を世の中に送り出した自分たちの責任について語られることはありません。

ITソリューション塾をもう9年やっています。ひとりの新入社員が、この塾の門をたたきました。なぜ参加したいのかと聞くと、「配属が決り、現場に出て、何も知らないことに愕然としました。このままでは、やっていけません。ぜひ、勉強させてください。」というものでした。

もちろん、会社の正規の研修ではありません。ブログで見つけて、連絡してきたとのことですが、当然、参加費は自腹です。それでも参加したいという若者もいるのです。そういう若者はひとりやふたりではありません。

このように志の高い若者もいる、そうでないものもいる。時代は変わっても、いつの時代もいろいろな若者がいるということには、変わりはありません。

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もちろん、それぞれの時代の社会環境の違い、そこから生ずる若者の意識の違いまでも否定するつもりはありません。

例えば、社会学者である山田昌弘氏の著「なぜ若者は保守化するのか」を読むと、なるほどとうなずけることも少なくありません。例えば、 

「産業のサービス化、IT化の流れの中で、複雑で知的な労働については正社員として雇用し、単純労働は非正規雇用者で賄う。結果として、正社員需要が減っている。ITやサービスを主体とする知識型産業の富の源泉は、土地や工場などではなく、能力のある人間である。そうなると、土地のある地方であることの必然性は無くなり、効率の点から都会に人が集まり、富も集中する。結果として地方が衰退する。

少ない正規雇用と都会への集中、産業の空洞化により、市場の成長も限られてきた。高度経済成長の時代は、努力すれば報われる「努力保証社会」であったが、努力を積み重ねても、収入や社会的地位に直結することはなく、努力をしても「バカらしい」という意識を生み出している。だから、成功は、「宝くじ」頼みであり、運を天にまかせるしかないというあきらめが生じている。」

そんな中で、自分の生活の安定を図らなければならず、結果として保守的な志向を持たざるを得ないというものです。

確かに、このような社会的な背景から生まれる「若者意識」があることを否定できませんが、だからといって、おしなべて、その平均を目の前にいる新入社員に押しつけて考える必要もありません。

「我が社は、実践で人を育てる。」だから、OJTで十分という会社もあります。その志は、立派だと思います。しかし、実際のOJTの現場は、先輩社員が、部下を単なるアシスタントや雑用係として使っているだけであり、目標設定はなし、OJTを任された先輩に育成のノウハウはありません。

確かに、これで育つ若者もいるのですが、それはOJTの成果ではなく、「これじゃあ大変だ」という本人の危機感であり、自助努力でしかないのです。つまり、育つか育たないかは、本人任せのほったらかしなのです。言うなれば、運任せです。

育たなければ、あいつには才能がなかったとか、仕事があっていなかったと自らの責任を棚上げにする。それをOJTといってはばからない大人の無神経を悲しく思います。

また、山田氏の言うかつての「努力保証社会」では、お客さまに行けば仕事がもらえました。「靴底を減らして、なんぼの世界」だったわけで、いま管理職の立場にいる人の中にも、それで成功した人も多いと思います。

しかし、もはやそんな時代ではないのです。靴底を減らして、お客さまを足繁く回っても、仕事をもらえる時代ではありません。そんないまを見ようともせず過去の成功体験を、そのまま押しつける。それでは、うまくゆくわけはなく、若者達に「バカらしい」という意識を持たせてしまいます。

「バカらしい」と開き直るくらいならまだいいのですが、「自分は役に立たない。何をやってもダメだ」と考えて、心を病んでしまう。こうなってしまうと、本当に不幸です。これは、本人の責任ばかりとも言えません。

では、どうするか。まずは、いまの若者達と正直に向かい合うことです。自分の「過去の栄光」が、いまも通用するという思い込みを捨てることです。「こうすればいいんだ」と自分の主張を押しつけないことです。

自慢できる成功も、恥ずかしい失敗も、全て素直にさらけ出すことです。そして、独りの人間として、部下の声に素直に耳を傾けることです。そうして、自分ならどうするかを、真摯に考えることです。

その上で、自分は、どう思うかをしっかりと伝えることではないでしょうか。それは、「俺の若い頃はなぁ・・・」と、過去の栄光の自慢話をすることではありません。もはや過去の栄光に自分にとっての懐かしい思い出に過ぎないのです。

「本質おいては一致し、行動においては自由に、全てにおいては信頼を」

キリスト教の教えであり、ドラッカーもその著「経営者に贈る5つの質問」で引用しています。

本質を部下と語り合い一致する。後は信頼してまかせておけばいいのです。そして、困ったことや助けを必要とするときが来たらすぐに行動するセーフティネットを提供する。そんな、心の準備をしておくことでしょう。

自分で考えて行動できない若者が多くなったのではなく、このような現実を自分で考えて行動できない大人達が多くなったことの方が、むしろ問題なのではないでしょうか。

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新規チャートの追加と解説の追加
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【新規】ビジネスのデジタル化 p.17
【新規】ビジネス価値と文化の違い(+解説) p.19
【新規】モード1とモード2の特性(+解説) p.21
【新規】モード1とモード2を取り持つガーディアン(+解説) p.22

人工知能編 98ページ
【新規】Amazon Alexa (+解説) p.18
【新規】動画での事例紹介 Amazon Go p.94
【新規】動画での事例紹介 Amazon Echo p.95
【新規】動画での事例紹介 Tesla p.96
【新規】動画での事例紹介 Nextage p.97

IoT編 93ページ
LPWAについての記載を追加、また日米独の産業システムへの取り組みについて追加しました。
【新規】LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの位置付け p.47
【新規】ドイツでインダストリー4.0の取り組みが始まった背景 p.82
【新規】アメリカとドイツの取り組みの違い p.88
【新規】インダストリー・インターネットのモデルベース開発 p.90
【新規】日本産業システムが抱える課題 p.91

インフラ編 294ページ
【新規】Googleのクラウド・セキュリティ対策 p.72

基礎編 50ページ
変更はありません。

開発と運用編 66ページ
全体の構成を見直し、チャートや解説を追加しました。
【新規】自律型の組織で変化への柔軟性を担保する p.20
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