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ソリューション営業の崩壊、イノベーション営業のすすめ

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個々のお客様のニーズや課題を掘り下げ、解決策を提供する「ソリューション営業」も、そろそろ終わりを迎えようとしています。

ソリューション営業は、お客様にとって未知の解決策、あるいは、想定外の解決策を提示することができてはじめて、その本領を発揮します。しかし、情報がさまざまな手段で手に入るようになったいま、お客様は自分たちの力で解決策を探すことが容易になりました。このような時代に、未知で想定外の解決策を提供することが、どこまで可能なのでしょうか。

ITはコモディティ化が進み、これまでになく身近なものになりました。IT部門は、テクノロジーの専門家としての役割からテクノロジーとビジネスの橋渡しをする「プロデューサー」としての役割を求められています。言うなれば、「お客様自身がソリューションの専門家になろうとしている」のです。

また、経営戦略や事業戦略はITと一体で考えることが、強く求められるようになりました。ユーザー部門は、これまでにも増してITへの理解を深め、テクノロジーに関わる予算の決定に影響力を強めつつあります。

かつて「ソリューション」であったものは知れ渡り、何をどのように手に入れればいいか、優位性や差別化の視点を第三者にゆだねる必要はなくなりつつあります。「ソリューション」もまた、コモディティ化が進みつつあるのです。そうなれば、あとは価格や技術力を値踏みし、自分たちにとって最適なベンダーを選択し、組み合わせればいいだけの話です。ソリューション営業で差別化できる時代は終わり、次のステージに移らなければ、営業はその役割を果たせなくなります。

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では、これからの営業には何が必要なのでしょうか。

「イノベーション営業」

私は次のステージをそのように名付けてみました。もはや「お客様の課題やニーズ」を起点にした「ソリューション営業」では、営業としての存在価値を認めてもらうことは難しくなりました。ならば「お客様の変化」を起点にしてみてはどうかということです。

「変わろうとしている」

「変わらなくてはいけない」

「しかし、どう変わればいいのかがわからない」

そんなお客様に、新しい気づきやビジョンを提供することで、いっしょになって変革のプロセスを推進する、そんな役割を担うことができれば、営業は存在価値を持つはずです。

「変革という課題を解決するのだから、ソリューション営業と変わらないのでは」という意見もあるかもしれませんが、両者の本質的な違いは「ニーズや課題が、既知か未知か」にあります。

ソリューション営業は、お客様自身が意識している顕在化されている課題やニーズ、あるいは、こちらが指摘すれば「たしかにそこが課題なんだ」と気づかせることができる潜在的な課題やニーズが存在していることを前提としています。しかし、変革を進めようとするお客様は、変革への意志や問題意識はあっても、「ビジネスプロセスをどのように変革し、イノベーションを起こすことができるのか」を明らかにできていません。「どのような方向に変革を進めていけばいいか」というビジョンやグランドデザインが描けていないのです。

そこでは、他社の「ソリューション事例」など役には立ちません。なぜなら、「自分たち自身がどうしたいか」といったあるべき姿であるビジョンと、それを実現するグランドデザインが明らかになっていないわけですから、その手段としてのソリューションなど決めることができないのです。

イノベーション営業の役割は、お客様以上に深くお客様を考察し、お客様から新しい気づきを引き出し、お客様自身が自らのビジョンとグランドデザインに確信が持てるように支援することです。その役割を果たすことができて、営業はお客様にとって、新たな存在価値を持つようになります。

ビジネスのあらゆるセグメントがIT抜きに語れない今、「ビジネスプロセスの変革」はITの新たな需要を産み出します。つまり、変革のプロセスに関わることで案件を開拓してゆくことができる「営業活動」なのです。

イノベーション営業は、お客様の中にいる変革の推進者をカウンターパートとしなければなりません。彼らは役職は必ずしも高くはないかもしれませんが、変革に人一倍情熱を持ち、リスクを負ってでも推進しようとする存在です。

変革の推進者を見分ける方法は、さほど難しくはありません。まず、言動に注意深く耳を傾けることです。次のような発言が相次ぐような人は、変革の推進者ではありません。

「私は何度も言ったんだが、わかってくれないし、変わろうとしてくれないんですよ」

「変わらなくちゃいけないけど、まずは足下を何とかしなければいけないからね」

「会社は変わらなきゃいけないと思っている。このままじゃいずれ厳しくなる。ただ、私の役割を超える話だし、上の人が動かなきゃ、どうにもならないよ」

まちがってはいないし、与えられた役割は果たしている人に違いありません。しかし、抵抗に遭っても変革を推進する意志を持っているかどうかは疑問です。

これに対して、プロセスの変革やビジョンに関わる提案の機会を求め、「ぜひキーパーソンを同席させてほしい」と依頼すると、彼らを説得しその場を作ってくれる人ならば、紛れもなく変革の推進者です。自分の能力や役割を理解し、人や組織をつなげて巻き込むことが変革に重要であることを理解しています。その人が声をかければ、しかるべき立場の人が集まるとすれば、人望があり、信頼され、期待されていることもわかります。

そのような変革の推進者をパートナーとして、彼の志や取り組みに貢献することが、イノベーション営業の第一歩です。

お客様の変革を支援し、ビジネスのチャンスを掴む

イノベーション営業はそんな営業スタイルと言えるでしょう

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  • 自動運転車の動向について追加しました。p.129-130
  • 人工知能についてのページ順序を変更しました。
  • 従来の機械学習とディープラーニングの違いを図表に組み込みました。p.149-150

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