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【図解】コレ1枚でわかる人工知能の歴史

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「電子頭脳を実現する。」1940年代、プログラム可能な電子計算機の登場に触発され、思考する機械が作れるのではないかという議論が始まったと言われています。

当時最新の神経学の成果として、「脳の神経細胞は、電気的ネットワークで構成され、ONとOFFのパルスの組合せによって思考する」ということがわかってきました。「思考機械」の研究は、この仕組みを機械で再現しようというところから始まったのです。当時は、まだコンピューターが普及する前だったこともあり、アナログ回路を作っての研究が中心でした。

1950年代に入り、コンピューターが使えるようになると、「数を操作できる機械は記号も操作できるはず」との考えから、コンピューターを使った思考機械の研究が始まります。1956年、米ダートマスに研究者たちが集まり、「やがて人間の知能は機械でシミュレーションできるようになる」との考えを提唱、これを"Artificial Intelligence(人工知能)" と名付けたのです。これを切っ掛けとして、企業や政府から多額の研究資金を集めました。

1958年、脳の神経活動を数式モデル化しコンピューターに処理させる初歩的なニューラル・ネットワーク「パーセプトロン」が登場します。また、1960年代に入り、記号処理のためのルールや数式をプログラム化し思考や推論など人間が行う情報処理を行わせようという研究も広がりを見せました。

しかし、コンピューター能力の限界、また、記号処理のルールを全て人間が記述しなければならず、限界が見え始めました。その結果、実用に使える成果をあげることができないまま1970年代に入り、資金も縮小され、人工知能研究は、冬の時代を迎えることになります。

1980年代に入り、「エキスパートシステム」が登場します。これは、特定分野に絞り、その専門家の知識やノウハウをルール化し、コンピューターに処理させようというものでした。例えば、計測結果から化合物の種類を特定する、複雑なコンピューターのハードウェアやソフトウェアの構成を過不足なく組み合わせるなど、特定の領域に限れば、実用で成果をあげられるようになったのです。

また、このルール処理を効率的に行う「推論コンピューター」の研究も始まります。1981年、日本の通産省は、「第五世代コンピュータプロジェクト」としてこの取り組みを支援しました。これに対抗するように、イギリスや米国でも同様のプロジェクトが始まります。また、ニューラル・ネットワークの研究においても、「Backpropagation(誤差逆伝播法)」という、今の機械学習の基礎となる手法が登場し、新たな研究成果を上げるようになりました。

1984年、エキスパートシステムの延長線上で、人間の知識を全て記述しようという「Cycプロジェクト」が米国でスタートします。例えば、「日本の首都は、東京だ」、「インド建国の父は、ガンジーだ」、「鯨は、ほ乳類だ」といった、知識をルールとして記述し、人間と同等の推論ができるシステムを構築することを目指したのです。しかし、知識は常に増えてゆきます。また、そもそも人間の知っていることが多すぎることやそれをどう表現するか、また、解釈や意味の多様性に対応することは容易なことではありません。そして、「知識やルールを沢山入れれば賢くなるが、知識すべてを書ききれない」という限界に行き当たり、この取り組みも下火となっていったのです。

また、「推論コンピューター」も、ムーアの法則に沿って急速に価格性能比を高めていった汎用で安価なコンピューターの登場により、存在意義を失ってゆきます。

2000年代に入り、様々な、そして膨大なデータがインターネット上に集まるようになりました。また、コンピューターの性能もかつてとは比べられないほどに性能が向上しました。この膨大なデータを高速のコンピューターを使って並列処理させ、統計的な処理によってコンピューター自身にルール生成をさせようという「機械学習」が登場します。また、最新の脳科学の研究成果を取り入れ、より忠実に脳の神経活動を再現しようという「ディープ・ラーニング」が登場しました。

このような新たな取り組みは、これまでの人工知能の研究成果の限界をことごとく打ち破ってしまいました。そして、実用においても多くの成果をあげつつあるのです。

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目次

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  • 第1章 クラウドコンピューティング
  • 第2章 モバイルとウェアラブル
  • 第3章 ITインフラ
  • 第4章 IoTとビッグデータ
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