【図解】コレ1枚で分かる未来のオフィス・インフラ
2020年、モバイル・ネットワークの通信速度は、最大で10Gb、通信環境が悪い場合でも100Mbを確保できる5G(第5世代)通信が実用化しているでしょう。セキュリティも強化され、応答時間に影響する遅延時間も大幅に短縮されます。現在の通信規格である4G(第4世代)の通信速度は、最大で100Mb、その100倍の通信速度が実現しています。企業内のネットワークと遜色のない使い勝手を手に入れることができます。
企業は、クラウド上に自社専用のサーバーや仮想データセンターを持ち、業務で使うアプリーションは、そこで稼働します。また、SaaSの利用が拡大し、ERPなどの基幹業務での利用も拡大しています。これにより、導入や運用管理に関わる負担を大幅に削減すると共に、常に新しいテクノロジーを使い、変化への即応力を高めてゆくことが可能となります。アプリケーション開発は、SaaSのAPI(アプリケーション・プログラムを他のプログラムから操作、利用する仕組み)とPaaS上の様々な機能モジュールを組み合わせて開発することが当たり前になっているかもしれません。
私たちは、クライアント・デバイスから、5Gネットワークを介して、クラウドにアクセスします。クラウドには、自分のパーソナル・デスクトップやデータ・スペースが置かれ、クライアント・デバイスは、それにアクセスするための通信機能と表示や入出力装置としての役割を果たします。ノートPC型やタブレット型、スマートフォン型など、使う場所や目的に応じて、使い分けることになるでしょう。そこにプログラムやデータを保管することはありません。クラウド上のパーソナル・デスクトップは、クラウド上の様々なサービスとシームレスに連動し、多様なサービスと膨大なデータを駆使した仕事の進め方が当たり前となっています。
クライアント・デバイスは、ペンやノートと同じように、自分の嗜好に合わせたものを個人で所有することが当たり前になるかもしれません。それは、ワークスタイルやライフスタイルの多様化がすすむためです。例えば、5G通信を介してやクラウド上のサービスを快適に使えるようになれば、自宅や外出先でもオフィスと遜色なく仕事ができるようになります。また、「Web会議」サービスを使えば、打ち合わせも可能です。さらに、非営利組織や地域コミュニティ、他の業務との副業も許容されるようになるでしょう。そうなれば、それぞれの組織の仮想データセンターやクラウド・サービスへのアクセスが必要となります。そうなると、特定の会社が支給するデバイスという考え方は、おかしな話になります。
つまり、「会社の仕事ではなく自分の仕事のひとつとして会社の仕事が存在する」と言った新しい労働についての考え方への転換が行われることを意味します。そのとき、クライアント・デバイスは、「自分の仕事の道具」として存在することになります。
こうなると、企業内のシステム・インフラは、必要ありません。社内のネットワーク、自社所有のサーバーやストレージは、資産を増やし運用管理負担をもたらすやっかいな存在となっているかもしれません。
インフラ構築の需要は、クラウド・サービスを提供する事業者からは継続するでしょう。しかし、ユーザー企業からの需要は、なくなってしまうかもしれません。一方で、このような新しい時代のインフラをどのように使いこなすか、そのためのビジネス・プロセスやワークスタイル、そして、システム環境の整備や設定といった上流のニーズは、ますます重要となります。インフラ・ビジネスは、そんな大きな転換を求められてゆくかもしれません。
ITのトレンドとビジネス戦略について、集大成したプレゼンテーションの最新版をリリースしました。
*テクノロジー編(265ページ)
・「歴史から振り返るITのトレンド」のチャートと解説を追加しました。
・IoTとビッグデータについて、内容を見做し、ストーリーの変更とチャートの追加・変更を行いました。
- IoTとビジネスとの関係について、新しいチャートを追加しました。
- コレ1枚で分かるIoTとビッグデータを新しいチャートに差し替えました。
- 「産業構造審議会商務流通情報分科会 情報経済小委員会 中間取りまとめ ~CPSによるデータ駆動型社会の到来を見据えた変革~」の発表内容を追加しました。
- インダストリー4.0のセクションを追加し、「コレ1枚で分かるインダストリー4.0」のチャートと解説を追加しました。
・スマートマシンについて、内容を見做し、ストーリーの変更とチャートの追加・変更を行いました。
- 「人工知能とは」の資料を新しく書き換えました。
- 「人工知能研究の歴史」を新規に作りました。
- 統計的アプローチとディープラーニングの比較について、新しくチャートを追加しました。
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- 事例動画へのリンクを追加しました。
*ビジネス戦略編(55ページ)
・「工数喪失:人月積算の歴史」について、新しいチャートを追加しました。
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目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン
「SI事業者のオフショア開発」を投稿しました
5/15〜5/18、ミャンマーに行き、地元IT企業や日本のオフショア開発拠点を訪問してきました。
気温40度の蒸し暑さは、東南アジアならではです。そんな国も2011年の軍政から民政への移行に伴い、経済が急速に発展し、IT産業も成長を見せ始めています。そんなミャンマーの実情を見てこようというのが、今回の目的でした。
この国で日本企業がどのように関わってゆくのかを考える貴重な機会となりました。そんな経験を報告させていだきます。