【図解】コレ1枚で分かるIoTとビッグデータ
私たちの日常は様々な「モノ」に囲まれている。PCやスマートフォン、ウェアラブル・デバイス、家電製品や住宅、自動車や鉄道などの生活に欠かせない設備、道路に設置された機器や気象・環境観測機器、工場で働く産業用ロボットや工作機械などが、私たちの日常を支えている。これらが、いまインターネットにつながろうとしている。
インターネットにつながるモノの数は、2009年時点で25億個あったというが、2020年には300億個以上になるとか500億個になるとか言われている。いずれにしても膨大な数のデバイスやモノが、インターネットにつながろうとしている。
既に私たちは、PCやスマートフォンで文字や写真、音声といったデータを生みだし、そこに組み込まれたGPSやセンサーが、私たちの動作や行動をデータ化している。また、モノに組み込まれたセンサーが、その動きや周辺の状況をデータ化している。私たちの日常生活や社会活動が広範にデータ化され、インターネットを介して、集められる時代を迎えようとしている。このよう現実世界(物理世界:Physical World)をデータ化するプラットフォームを「IoT(Internet of Things)」と呼んでいる。
IoTから生みだされ急速な勢いで増え続けるデータが、「ビッグデータ」だ。そこには現実世界に関わる様々なデータが集められている。しかし、ただ集めただけでは何の役にも立たない。そこで、アナリティクス(解析すること)が必要になる。従来からの統計手法だけではなく、人工知能を駆使し、データの内容を理解し、そこに意味や知見を見つけ出す。
それらを駆使し、現実世界にある「モノ」を制御したり、人々に役立つ情報を提供したりすることで、快適な生活や健康、安心・安全やエコ・省エネに役立ててゆこうとしている。また、得られた知見を使って「モノ」を動かしているソフトウェアを更新し、機能や性能の改善にも役立てられる。また、ロボット家電や自動車など自律的に動作する「モノ」の能力を高めるためにも使われる。「モノ」の動作やヒトの行動は、再びIoTの仕組みを通じて、データ化されてコンピューターの世界(サイバー世界:Cyber World)へと送られてゆく。
このように現実世界の出来事が、サイバー世界にデータとして集められれば、そこで現実世界の出来事を再現することができる。例えば、もの作りや機器の操作をシミュレーションし検証が行われ、そこで得られた最適解やモデルを使って、現実世界に適用すれば、業務の効率や品質は高まり、コストの削減や納期の短縮に役立つだろう。あるいは、安全で効率の良い機器の制御や交通管制も実現するだろう。このような現実世界とサイバー世界が密接に連携する仕組みをCyber-Physical Systemsという。
今後、ネットにつながるセンサーやデバイスの数が増えれば、現実世界はますますきめ細かく、そしてリアルタイムにデータ化されてゆく。サイバー世界では、そのデータを駆使してよりきめ細かくアナリティクスを行い、高い精度で現実世界をシミュレーションしてゆくことになるだろう。その結果は、私たちの現実世界にフィードバックされ、快適な生活や社会を実現することに役立てられようとしている。
【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【2015年4月版】
ITのトレンドとビジネス戦略について、集大成したプレゼンテーションの最新版をリリースしました。
*テクノロジー編(265ページ)
・「歴史から振り返るITのトレンド」のチャートと解説を追加しました。
・IoTとビッグデータについて、内容を見做し、ストーリーの変更とチャートの追加・変更を行いました。
- IoTとビジネスとの関係について、新しいチャートを追加しました。
- コレ1枚で分かるIoTとビッグデータを新しいチャートに差し替えました。
- 「産業構造審議会商務流通情報分科会 情報経済小委員会 中間取りまとめ ~CPSによるデータ駆動型社会の到来を見据えた変革~」の発表内容を追加しました。
- インダストリー4.0のセクションを追加し、「コレ1枚で分かるインダストリー4.0」のチャートと解説を追加しました。
・スマートマシンについて、内容を見做し、ストーリーの変更とチャートの追加・変更を行いました。
- 「人工知能とは」の資料を新しく書き換えました。
- 「人工知能研究の歴史」を新規に作りました。
- 統計的アプローチとディープラーニングの比較について、新しくチャートを追加しました。
- ディプラーニングの事例を追加しました。
- 事例動画へのリンクを追加しました。
*ビジネス戦略編(55ページ)
・「工数喪失:人月積算の歴史」について、新しいチャートを追加しました。
・「ポストSIビジネスの選択」と「ポストSIの戦略」についての書き直すと共に、解説文をノートに追加しました。
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目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン