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M2MとIoTの境目、そしてIoTの進化の行方

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「通信ネットワークの価値は、接続するシステムの数の二乗に比例する」

イーサネットを発明したロバート・メトカーフ氏は、1995年、「メトカーフの法則」として知られる経験則を提唱した。

電話機が二台しかなければ、やり取りされる情報や用途はたいしたものではない。しかし、それが、数万台になり、数億台になり、今では携帯電話を含めて70億台の電話が世界中でつながっている。世界人口を超える数だ。その価値の大きさは言うまでもないだろう。

M2MとIoTの本質的な違いは、ネットワークにつながる機器の数の圧倒的な違いにある。

機械と機械が人間を介することなくコミュニケーションを取る仕組みであるM2Mは、IoTと言う言葉が使われる以前から使われ、実用もされていた。しかし、その多くは、工場内の工作機械や鉄道や道路などの監視や制御といった目的で使われ、閉じたネットワークの中で運用されていた。そのため、ひとつひとつのネットワークは孤立し、そのひとつのネットワークのなかで接続するシステムの数は必ずしも多くはない。

ガートナーによれば、2009年時点でインターネットにつながっていたモノの数は約25億個。これが、2020年には300億個以上に増えると予測する。個数で12倍、メトカーフの法則に従えば、その価値は144倍になる。この巨大な「接続数」こそが、M2MとIoTを区別する根本的な違いだ。

"Internet of Things" という言葉は、1999年、Kevin Ashton によって提案された言葉だ。まさに、M2Mの時代とは桁違いに膨大な数のモノがインターネットというオープンで巨大なネットワークでつながる。そこにこれまでに無い大きな価値を生みだされる。

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かつて、機械と機械がつながることで、最初にめざしたことは、機械の状態やその周辺の状況をデータとして取得し「可視化」することだった。可視化されたデータは、次に機械の「制御」へと役割を拡げてゆく。このような過程を経てデータはその量を拡大し、これを解析することで「最適化」へと役割を拡げてゆく。

データを取り出すために機械に組み込まれていたセンサーは、工場や公共の機械や設備、交通機関などだけではなく、モノへと適用領域を広げてゆく。それを牽引したのがインターネットと携帯電話網だ。これらネットワークにかかわるコスト低下と普遍化、さらにセンサーや通信を制御する機器のコスト低下と小型化、高性能化は、多くのモノへの適用とネットワークへの接続を容易にしてゆく。結果として、ネットワークにつながるデバイスの数は急速に拡大し、そこから生みだされるデータは、ビックデータとなる。

並行して、データを解析するテクノロジーも進化を遂げる。Hadoopの登場により、大規模データの処理コストは大きく下がり、ビッグデータを取り扱えるようになった。これは、ビッグデータを使った機械学習を可能にし、人工知能の実用性を急速に高めた。さらに、人間の脳の中で行われている高度な知的活動を模倣したディープ・ラーニングといわれるアルゴリズムの登場により、その用途はさらに幅を拡げようとしている。

IoTはビッグデータを生みだし、人工知能を使ったアナリティクスによって、その価値をさらに高めようとしている。これにより、M2Mの時代から始まった産業機械や社会インフラなどの限られた用途だけではなく、私たち個人の日常や生活にも大きな価値を生みだそうとしている。

IoTは、いま、そんな進化の途上にある

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目次

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  • 第1章 クラウドコンピューティング
  • 第2章 モバイルとウェアラブル
  • 第3章 ITインフラ
  • 第4章 IoTとビッグデータ
  • 第5章 スマートマシン

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最新ITトレンドとビジネス戦略【2015年1月版】を公開しました

ITのトレンドとビジネス戦略について、集大成したプレゼンテーションです。毎月1回、「テクノロジー編」と「戦略編」に分けて更新・掲載しています。

【2015年1月版】より「テクノロジー編」と「戦略編」の2つのプレゼンテーションに分けて掲載致します。

「テクノロジー編」(182ページ)

  • ストーリー展開を一部変更しました。
  • 「クラウド・コンピューティング」の追加修正
    • Webスケールとクラウドコンピューティングについて追加しました。
    • パブリック・クラウドとマルチクラウドの関係について追加しました。
  • 「IoTとビッグデータ」の追加修正。
    • M2MとIoTの歴史的発展系と両者の違いについて追加しました。
    • ドイツのIndustry 4.0について追加しました。

「ビジネス戦略編」(49ページ)

  • ストーリー展開を一部変更しました。
  • 2015年問題の本質というテーマでプレゼンテーションを掲載致しました。
  • 人材育成について
    • 生き残れない営業を追加しました。
    • エンジニアの人材育成について新たなプレゼンテーションを追加しました。

トップ10に選ばれした!

拙著「システムインテグレーション崩壊」が、「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書大賞」のトップ10に選ばれました。多くの皆様にご投票頂き、ほんとうにありがとうございました。2月19日(木)のデベロッパーズサミットにて、話をさせて頂きます。よろしければお立ち寄りください。

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「システムインテグレーション崩壊」

〜これからSIerはどう生き残ればいいか?

  • 国内の需要は先行き不透明。
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  • 単価が下落するばかり。
  • クラウドの登場で迫られるビジネスモデルの変革。

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