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ソリューション営業に求められる能力の3要素(4/4)スキル

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まず、「スキル(Skill)」と「知識(Knowledge)」の違いを明確にしておこう。「知識とは、説明できること」であり、「スキルは、行動できること」だ。例えば、クラウドには、SaaS、PaaS、IaaSといった区分が有り、システム資源を共同購買し、これをネットワーク越しにサービスとして利用できる仕組みであると説明できるとすれば、「知識がある」ということになる。

ついでながら、「知識」と「情報」の違いについても触れておこう。私たちは、日々膨大な情報に接している。TVやWeb、新聞や書籍など、意図する、しないにかかわらず、膨大な情報を目にし、そのために多大な時間を使っている。しかし、それだけでは知識にはならない。「知識」とは、その情報を整理したものだ。他の情報との関係を理解し、その意味や価値を理解できて、情報は知識となる。

だからといって、その知識を使いこなせるとは限らない。例えば、クラウドについて、わかりやすくお客様に説明できる。お客様の個別のケースに当てはめて、その価値を説明できる。クラウド活用し、お客様の業務課題を解決するための提案書を作ることができる。このような行動を行うための能力がスキルとなる。

ちなみに、「態度(Attitude)」についても触れておこう。例え「知識」があり、それをうまく伝える「スキル」があっても、自分の言いたいことだけを伝えて満足する、挨拶がまともにできない、お客様の話していることを遮って自分が話してしまう、その場の雰囲気に気が回らずトンチンカンな話をしてしまう、といった行動は、相手への気遣いや礼儀といった「態度」ができていないためだ。例え、知識やスキルがあっても態度ができていなければ、お客様との関係はうまく築けないだろう。

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さて、ソリューション営業に必要なスキルとはどのようなものだろうか。

私は、「伝える」、「理解する」、「課題を探る」、「説得する」、「計画する」、「満足させる」に分類している。

  • 「伝える」とは、魅力的な提案書を作成できる、わかりやすく説明できる、伝えるべきメッセージや言葉を厳選し使い分けることができるといった能力。
  • 「理解する」とは、相手の話や状況を論理的に整理できる(フレームワーク思考)、相手の態度や行動から、性格や思考特性を見極めることができるといった能力。
  • 「課題を探る」とは、打ち合わせや会議での会話のファシリテーションでき、的確な質問によって、お客様の課題を探り、対応すべきことを明確にできる能力。
  • 「説得する」とは、相手の「ぜひやりたい」、「お願いしたい」といった自発的依頼を引き出す能力。
  • 「計画する」とは、上司や関係者に説明するための計画ではなく、実行できる計画を作り、それを確実に実行できる能力。
  • 「満足させる」とは、「満足」とはどういうことかを正しく理解し、確実に、継続的に相手を満足させ続ける能力。

これらひとつひとつをここで解説はしきれないが、ソリューション営業は、このようなスキルを磨いてゆく必要がある。

「知識」、「プロセス」、「スキル」は、ソリューション営業を構成する基本的な能力だ。目的は、「営業目標の達成」だ。如何なる状況にあっても数字を達成する執着なくして、このような能力を磨く意味がない。

ただ、数字は、お客様が与えて下さるものであるという謙虚さも忘れてはならない。「知識」や「スキル」を磨き、「プロセス」も確実にこなし、「こんなに頑張っているのに、なぜ数字が達成できないんだ」と思っても、お客様に魅力や価値を提供できていない結果だと、謙虚に自分を振り返るべきだろう。

「お客様の価値を高め、その高まった価値の差分の一部を対価としていただく。製品やサービスは、対価を頂く手段」

このソリューション営業についての原理原則を忘れないようにしたいものだ。

*募集開始* ITソリューション塾【第18期】

2015年2月4日(水)より開講するITソリューション塾【第18期】の募集を開始致します。

10月より開講致しました第17期は、早い段階からご応募を頂き、会場の収容人数の関係で、お断りしなければならない方もいらっしゃいました。つきましては、参加の御予定の場合は、早々のお申し込みをいただければと存じます。また、ご検討中の場合は、ご意向だけでもメールにてお知らせいただければ、参加枠を確保させていだきます。

第18期では、テクノロジーやビジネスに関する最新のトレンドに加え、提案やビジネス戦略・新規事業開発などについても考えてゆこうと思っています。また、アジャイル開発でSIビジネスをリメイクした実践事例、クラウド時代のセキュリティとガバナンスについては、それぞれの現場の第一線で活躍される講師をお招きし、生々しくそのノウハウをご紹介頂く予定です。

ご検討ください。

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詳しくはこちらをご覧下さい。また、パンフレットもこちらからダウンロードできます

SI事業者が生き残るための2つの戦略

従来型SIビジネスが難しくなることについて、これまでにも多くの方が語られています。これについては、私も、その理由を詳しく解説しています。詳細は、こちらをご覧下さい。

>> クラウドとSIビジネスの関係(3/3)クラウドが、なぜ従来型SI事業を難しくするのか

ポイントは次の通りです。

  • 人月積算を前提とした収益構造を維持できなる。そのため、この収益構造に過度に依存した事業は、規模の縮小を余儀なくされる。
  • 求められるテクノロジー・スキルや開発・運用スキルが大きく変わるため既存人材の持つスキルとの不整合が拡大する。
  • 比較的単純な業務しかこなせないエンジニアは、クラウドや人工知能に置き換わってゆく。仮に人月型の需要があって、オフショアとの価格競争を強いられる可能性が高く、収益に貢献しにくくなる。

この事態に対処するための「アウトサイド戦略」と「インサイド戦略」について整理してみました。

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拙著「システムインテグレーション崩壊」が、「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書大賞」にノミネーションされました。お読み頂きました皆さんに感謝致します。

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「システムインテグレーション崩壊」

〜これからSIerはどう生き残ればいいか?

  • 国内の需要は先行き不透明。
  • 案件の規模は縮小の一途。
  • 単価が下落するばかり。
  • クラウドの登場で迫られるビジネスモデルの変革。

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