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研修の目的は知識の獲得にあらず

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「知識の獲得は、研修の達成目標にはなりません。説明でき、行動できるようになることです。」

10月8日から始まったITソリューション塾・第17期が、今週の水曜日に最終講義を向かえました。今期は、23社86名の方にご参加頂きました。

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2009年から始めた「ITソリューション塾」も、今年で6年目を向かえました。IT企業やユーザー企業の情報システム部門の皆さんが参加し、毎週水曜日の夜、3ヶ月で1期という単位で開催してきました。参加者は、のべ1000人を越えるまでになっています。冒頭の言葉は、そんな塾を紹介するときにお伝えしている言葉です。

残念ながら、知識は、いくらそれを記憶にとどめようと思ってもいずれは忘却の彼方です。知識の獲得が目的の研修は、時間つぶしのエンターテイメントであり、研修としての成果は、限られています。

「知識を使うきっかけを提供すること」

この塾の価値は、ここにあると思っています。そのためにプレゼンテーション資料をロイヤリティフリーのソフトコピーで提供し、どう伝えれば良いかを講義してきました。学んだことは、使ってこそ自分の身体の一部になります。そのためのきっかけを差し上げたに過ぎません。

「つながるきっかけを提供すること」

これもまた、この塾の価値のひとつだと考えています。ビジネスは、あるいは人生は、すべて人と人とがつながることから生まれます。そのつながりを拡げ、深めることが、それぞれの価値を高めてくれるのだと思っています。23社86名の志を共にするそういう皆さんが、このように集まることは、なかなかあることではありません。本塾は、そういう皆さん同士がつながる機会を提供したに過ぎません。

そして、これら「きっかけ」を活かすかどうかは、この機会を他人事ではなく「自分事」として捉えられるかどうかにかかっています。どんな「きっかけ」を提供しても、それを自分事として、何かを始める、何かを動かす「きっかけ」として捉えられなければ、それはむなしいものに過ぎません。

講師もまた、受講者が「自分事」として、受け取れるように講義を工夫しなければなりません。受講者の仕事、生活、人生に結びつけて、自分の問題として、現状に危機感を持ち、もっと成長したいという想いを引き出せるように、自らのメッセージや講義の展開を組み立てる必要があります。ただ、キーワードを辞書のように語るだけでは、講師の役割を果たすことはできません。「これなら使える」、「これはわかりやすい」といった資料を提供するわかりやすく説明することができなければ、受講者は集中力を欠き、せっかくの機会を無駄にして仕舞います。

講師もまた、受講者の満足、あるいは、この研修に送り出した管理者が、満足を感じていだけなければ、次はないんだという危機感を自分事として捉えなくてはなりません。

そういう、意識を共有した受講者と講師の真剣な交流こそが研修の基本だと考えています。ITソリューション塾もそうありたいと取り組んで来ました。しかし、それは、いつも未達のままです。今回もまた反省を次期に持ち越してしまいました。

ITソリューション塾に限らず、研修でも講演でも、行動を変えることができなければ、どれもむなしい時間です。しかし、その最後の鍵は、受講者が、回すしかないのです。それが、講師の限界で有り、歯がゆさでもあります。

そんな塾での経験を、そして、そこで提供している資料を素材に、いま一冊の本を書いています。まもなくご紹介できると思います

*募集中* ITソリューション塾【第18期】

2015年2月4日(水)より開講するITソリューション塾【第18期】の募集を開始致しました。既に、定員80名に対して半分ほどのお申し込み、参加意向のご連絡を頂きました。ありがとうございました。

第18期では、テクノロジーやビジネスに関する最新のトレンドに加え、提案やビジネス戦略・新規事業開発などについても考えてゆこうと思っています。また、アジャイル開発でSIビジネスをリメイクした実践事例、クラウド時代のセキュリティとガバナンスについては、それぞれの現場の第一線で活躍される講師をお招きし、生々しくそのノウハウをご紹介頂く予定です。

ご検討ください。

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詳しくはこちらをご覧下さい。また、パンフレットもこちらからダウンロードできます

よろしければ、ご投票頂ければ幸いです m(_ _)m

拙著「システムインテグレーション崩壊」が、「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書大賞」にノミネーションされました。お読み頂きました皆さんに感謝致します。

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「システムインテグレーション崩壊」

〜これからSIerはどう生き残ればいいか?

  • 国内の需要は先行き不透明。
  • 案件の規模は縮小の一途。
  • 単価が下落するばかり。
  • クラウドの登場で迫られるビジネスモデルの変革。

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