ソリューション営業(1/3)課題と課題発掘とソリューションの関係
ソリューション営業とはどういう仕事だろう。今日から三回にわたり、このテーマで書こうと思う。
ソリューションとは課題を解決すること。ならば、ソリューション営業は、課題の解決を請け負う仕事となる。ならば、課題がなければ、仕事は始まらない。
では、課題とは何か。まずこの点から考えて見よう。
「課題」と「ソリューション」の関係
「課題」とは、お客様の望んでいる「あるべき姿」と「現状」とのギャップだ。例えば、1000億円の売上達成がお客様の望む「あるべき姿」だとする。しかし、「現状」は800億円しかない。ここには200億円のギャップがある。お客様は、このギャップをなんとか埋めたいと思っている。つまり「200億円売上を増やすこと」がお客様の課題となる。
もしお客様が800億円で良いと考えるなら現状とかわらずギャップないから、課題がない。つまり、課題とは、「お客様が自ら意欲を持って解消したいギャップ」と定義できる。
そのギャップを埋めることができれば、「課題解決」となる。その手段が「ソリューション」と考えれば、両者の関係は明確になるだろう。
「課題発掘」とは何をすることか
お客様の「あるべき姿」と現状を整理し、そのギャップを見つけ出すことが、「課題発掘」の最初のステップだ。それをお客様認識させ、解決したいという意欲を持たせることができれば、課題が発掘できたことになる。
もし、お客様が現状は理解しているが、自分達の「あるべき姿」が理解できていないとすれば、どうすればいいのだろう。当然、そこにギャップは存在しない。ならば、お客様に「あるべき姿」を理解させることができれば、ギャップを創り出すことができる。これも「課題発掘」だ。
例えば、IFRSの適用によって、お客様は業務を変えなければならない。では、どのようにかえればいいのだろう。テクノロジーの進化によって、情報システムの「あるべき姿」はどのようになるのか。そして、その進化にふさわしい情報システムの「あるべき姿」は、どうあるべきなのか。その「あるべき姿」を説明し、現状との間にギャップがあることに気付かせることができれば、それを解決したいという意欲を引き出すことができる。これも「課題発掘」だ。
あるいは、「あるべき姿」を認識されているが現状が整理できていないのであれば、こちらがその整理をすれば、「あるべき姿」との間のギャップが明らかになり、課題が発掘できる。
「課題発掘」とは、このようにお客様の意識の中に、現状と「あるべき姿」のギャップを描き出し、それを解決したいという意欲を引き出すことだ。
一般論をかざして、「御社の課題は・・・」と押し売りしても、お客様はそれを解決したいと思わない限り、ソリューション営業の起点である課題にはならない。
・・・次回へ続く
よろしければ、ご投票頂ければ幸いです m(_ _)m
拙著「システムインテグレーション崩壊」が、「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書大賞」にノミネーションされました。お読み頂きました皆さんに感謝致します。
「システムインテグレーション崩壊」
〜これからSIerはどう生き残ればいいか?
- 国内の需要は先行き不透明。
- 案件の規模は縮小の一途。
- 単価が下落するばかり。
- クラウドの登場で迫られるビジネスモデルの変革。