わくわくするが、ちょっと不安なコンテキスト・テクノロジー
ドアのノブに手をかけると腕につけたウエアラブル・デバイスの信号で、誰がそこにいるかを識別し、ロックが解除される。寒い冬の夜、帰宅時間に併せて室温は自分好みになっていた。明かりが灯り、お気に入りの曲が流れ始める。お風呂の温度も適温になっている。
この時間に帰宅することは、スマートフォンのGPSデータや、電車の運行情報などから予測されていた。お好みの室温や帰宅したらすぐ風呂に入ることなどは、室温を調整するサーモスタットや給湯器がいつの間にか覚えてしまった。
一息ついて、テレビをつけると、自分の嗜好に合った番組が録画されていて、そのリストが表示される。オンラインで配信されている映画のおすすめも自分の好みにぴったりだ。さあ、どの番組から見ることにしようか・・・
このような未来は、もう目の前に来ている。次のようなこともさほど遠くない未来に実現されるだろう。
あなたは、ある大都市に着いたところだ。モバイルアプリでUberを呼び出すと、すぐに格好の良い高級セダンが目の前に止まった。あなたは、後部座席に乗り込み、ハンドルの前には誰もいないが行き先を告げる。シートベルトを締める。なぜならこの存在しない運転手は、あなたがベルトをするまで出発しないといいはるからだ。そして誰ひとりとして運転に介入することなく、あなたは目的地まで安全に届けられ、料金を払うことなく車を降りる。支払い処理はオンラインで自動的に行われる。
モバイル、ウェアラブル、IoTが私たちの行動をデータ化し、過去の自分の行動や交通機関、天候などの一般情報と取らし併せながら、その人の行動を先読みして、必要な情報を提供し、私たちの生活の利便性を高めてくれる。コンテクスト・テクノロジーとは、このようなことを実現しようとしている。
コンテキストとは、「文脈」、「背景」、「前後関係」、「脈絡」を意味することばだ。コンピュータがユーザーの事情や背景を知り、ユーザーが必要とするサービスを的確に、予測したり、判断したりできるようになる。
この動きは、ウェアラブルやIoTの普及で、一気に加速し始めるだろう。コンピュータはもはや、受け身の機械にはとどまらず、個人を識別し、その人が無意識で望んでいるものをも予測し、手助けするアシスタントになってゆく。
一方で、メールやSNSで日程の打ち合わせを繰り返していた相手が、予定を早めて前日のフライトでこちらに到着することや、そのあとの彼の会食予定まで、コンピュータが気を利かせてくれたとしたらどうだろう。それは、彼のプライベートなことかもしれない。
コンテキスト・テクノロジーは、生活を便利にし、快適にしてくれそうだ。しかし、その一方で、プライバシーをどこまで提供するかは、悩ましい。沈黙する権利、情報を削除する権利などが正しく行使され、自らの意志でプライバシーを管理できる仕組みとリテラシーが求められるようになるだろう。
「コンテキストの時代〜ウェアラブルがもたらす次の10年〜」は、そんな身近な未来と課題を、事例として紹介しながらわかりやすく解説している。
なるほど、もはや遠い未来ではない。ビジネスもまた、コンテクスト・テクノロジーには、大きなチャンスがあるように思う。本書は、そんなことを考えるきっかけを与えてくれた。
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「風通しの悪い組織」と「風通しの良い組織」
組織のパフォーマンスを左右する大きな要因に「風通しの良さ」があります。
そもそも、風通しが良いとはどういうことなのでしょうか。今週のブログでは、これをチャートに整理してみました。
システム・インテグレータの今と次のシナリオを考えて見ました
「システムインテグレーション崩壊」
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