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「お客様の期待を裏切る」ことでお客様の信頼を勝ち取る方法

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私は、研修の中で、「営業活動の目的は、お客様の感謝とともに、対価をいただくことである。」と申し上げている。 

ものを売って、お金をいただくだけなら、ある意味たやすいことだ。しかし、ありがとうという言葉とともに、お支払いをいただくことは、容易なことではない。そのために、もっとも大切なことは、「お客様の期待を裏切ること」である。

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お客様は、「ここまではやってくれて当たり前」という基本的な期待を持っている。これを満たしたとしても「当然」であり、そこに感謝は生まれない。しかし、「ここまでやってくれたらいいなぁ」という、潜在的な期待は持っているものだ。

例えば、お客様が、あなたに見積を依頼し、いつも通り、10%程度の割引で提出すれば、「当然」と感じるだろう。しかし、お客様は、もう少し安くしてくれたらいいなぁと、口には出さないが思っている。それが、お客様の潜在的な期待である。それを慮って15%の割引で見積もりをしたなら、お客様はどう感じるだろうか?きっと、「素晴らしい」と感じてくれるだろう。この時初めて、お客様は、「感謝」という気持ちを抱くことになる。

「感謝」とは、お客様の潜在的な期待を超えて、初めて生じる気持ちだ。しかし、残念ながら、これは長続きしない。あなたのこの頑張りによって、お客様の基本的な期待は、もはや15%の割引となってしまっている。次は、それ以上のものを提供しなければ、お客様に感謝の気持ちは生まれない。この繰り返しは、いずれ破たんすることになる。

では、どうすればいいのだろうか。「期待を裏切ること」だ。

お客様の期待していない、しかし、その期待以上の価値をお届けすることができれば、お客様は、驚くであろうが、同時に「すごい」と感動してくれるはずだ。しかし、これはそうたやすいことではない。これを実現するためには、お客様の表向きの期待を知るだけでは不十分だ。

例えば、お客様から、PC100台の見積もりを依頼された。そして、基本的な期待以上の割引金額で見積書を提出しても、結局のところ、それは、PC100台というお客様の期待の範囲にとどまっている。

しかし、なぜPC100台かを聞いたとしよう。すると、新たなサービスを立ち上げるのに電話での受付要員を100人増やさなければならないので、そのためにPC100台が必要だとわかった。つまり、PC100台は、目的ではなく、手段だったわけである。

つまり、お客様は、PC100台がほしいのではない。「増加する受注に対応したい」というのが本当の目的なのだ。

ならば、PC100台ではなく、WEBでオンライン受注システムを提案するという方法もあるはずだ。そうすれば、PC100台は不要になり、固定費となる人件費も削減できる。一時的なコストはかかるかもしれないが、中長期で見れば、お客様はより大きな価値を享受できるはずである。そんな提案をしてみてはいかがだろうか。

お客様、そんな提案を期待していなかった。しかし、改めて聞いてみると、はるかにそちらのほうが、メリットがありそうだ。そういう提案ができたなら、お客様は、あなたに感謝し、感動してくれるにちがいない。

もちろん、このようにことが、うまく運ぶ保証はないが、お客様の期待の延長に答えを探すのではなく、お客様の真の目的、つまり、あるべき姿に着目すれば、もっとお客様の期待を越えることができる。このような「期待の裏切り」には、きっとお客様も感謝してくれるはずだ。

ただ、これは、単にテクニックやスキルの問題ではない。基本は、お客様を愛する気持ちだ。お客様を好きになり、愛する気持ちがあれば、お客様を成功させたい、もっともっと大きな価値を享受してほしいと願うはずである。その思いがあるからこそ、調べ、考え、お客様の期待を裏切る知恵を生み出すことができる。

このような気持ちでお客様と接し、腹を割って話し合える関係になれば、お客様も理不尽な要望や必要以上の期待をかけることはなくなる。そうすれば、「期待の裏切り」は、いざというときにしまっておいても、お客様は良き相談相手として受け入れてくれる。

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