「自動」と「自律」の違い、ITビジネスの潮流を理解する大切な言葉
ITに関わる情報を眺めていると「自動」という言葉をよく目にする。しかし、最近は、これに混じって「自律」という言葉を目にすることも増えてきた。よくよく見ていると、この言葉が明確に区別されることなく使われるケースも多いようだ。
例えば、最近注目の「自動運転車」は「自律運転車」といわれることもある。この両者の違いについて次のような解説を見つけた。
「欧州では大枠のガイドラインとしてドライバーが監視役として責任を負うシステムを自動運転、完全な無人自動を自律運転と定義」している。
英語の辞書では「自動 = automatic」と「自律 = autonomy」という言葉に対応しているようだ。
少し古い記事になるが、こんな記述もあった。
「これまでの「ASIMO」は、あらかじめ決められていたプログラムパターンを実行しているにすぎなかった。それが新型では、周囲の状況から未来を予測し、過去の経験をプラスして、対応可能な行動パターンを複数作り、その中から“何がよいのか”を選択できるようになったのだ。つまり、自ら判断して行動する、自動機械から自律機械へと進化しているのだ。」
「自ら判断し行動する」に「自律」の本質があるようだ。国語辞典を紐解くと次のような解説があった。
「他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。」
なるほど、このように見てゆくと違いも明らかになる。
考えてみると、ITは、これまでは、決められたやり方をそのとおり確実にこなしてくれる“自動化”への取り組みは進めてきた。しかし、スマートマシンの開発が進むなか、自分で学習し、独自にルールを作り仮説検証し、状況を把握して最適な方法を選択・判断して自ら実行する“自律化”が実現しようとしている。このような文脈の中で、「自律」という言葉が、よく使われるようになったのだろう。
話は横道にそれるが、米調査会社ガートナーは、2013年に発表したレポートで、「スマートマシンについて「自律的に行動し、知能と自己学習機能を備え、状況に応じて自らが判断して適応し、これまで人間にしかできないと思われていた作業を実行する電子機械」であると定義している。
荷物を運ぶ自律走行車や無人ヘリコプター、言葉での質問に答えてくれる音声アシスタント、医療診断や法律解釈を助けてくれるアドバイザー、工場での組み立て作業を人間に代わりこなしてくれるロボットなど、広範な分野で実用化が進んでいる。
例えば、オンライン・ショップで商品を購入すると、倉庫内のロボットが商品をピックアップしてトラックに積み込み、人工知能が渋滞状況を調べて最短の配送経路を見つけ、自律走行車が配達する。こんなことが、実現しようとしている。
これを実現させるために自然言語処理や機械学習といった人工知能、知識の源泉となるビッグデータ、その膨大なデータを蓄積・処理するクラウド、状況を把握するセンサーや人間とのやり取りするデバイスなど、広範な技術が使われている。
まさにITは、自動化から自律化へとステージを移そうとしていることが分かる。しかし、その一方で、かつて自動化によって単純労働者の雇用が奪われたように、自律化は、より高度な知的労働者の雇用をも奪うのではないかとの懸念の声も聞かれる。
しかし、ITが、「自動」から「自律」を目指す潮流に抗うことはできない。うまく付き合ってゆく方法を考えなくてはならないだろうし、そこにこそ新たなビジネスの可能性を見出してゆく必要があるだろう。
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